総理がコジキでコジキがソーリィー 112 友だち 「そうだろうなあー。ぼくたち無理をしていたんだと思う」 「おれと友達になってくれないか」 「えっ、ぼくなんかでいいの?」 「いいよ、何を言っているんだよ。三沢って、そうとう博たちにいじめられたんだなー」 「まあ、もう、その話は終わったよ」 --そう信じている。 間違っていても、今までのぼくとはちがうと思っている。 「ああー、今日から新しい日がくるよ、あの永嶋先生がやめたからなあー。それにしても、このごろさ、学校の先生って新聞ざたとかによくなるよなあー。生徒だけじゃないよなあー。キレてるのは……」 「本当だよなあー。先生がキレてるから、生徒がキレてるのか、生徒がキレてるから、先生がキレてるのか、どっちが先だか、わからないね」 「それだけじゃなくって、政治家とかもすごいよね……」 三沢少年が二組の少年と話していると、後ろで、 「あの人よね、あの人が意見を言わなかったら、陰険な先生が馘にならなかったのよ」 「そうよおー、格好いいわねえー」 「やるわよねえー」 なんて、女の子たちの黄色い声が聞こえた。 女の子にぼくが誉められるとがあるなんて考えたことがなかった。 世界がすごく広くなった気がした。むちゃくちゃ明るい気分になった。 「おい、後ろの女たち、おまえの噂しているぜ」 「そ……」 「おはよう! 三沢くん、昨日、眠れた?」 佐藤美智子だった。 「ああ、ありがとう、あんなにぐっすり眠れたのはひさしぶりだよ」 ぼくなんか、少しも格好よくないんだ。 格好いいのは、美智子なんだ。それを自覚しないといけない。 「ありがとう、きみのおかげだよ」 「生徒会長として、当然のことをしたまでよ。でも……。複雑な気分よ……」 「そうだろうなあー。こんなことになるなんて……」
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