あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 297 世界に広げようエチゴヤの輪! 「また、石油があがっているでござる!」 日本の金融関連企業がアメリカの破綻した企業を買ったりしている。 「日本の銀行はあのバブルの時も、税金を投入されて生き残ったでござる……。しかし!」 オカネスキーの顔は真赤である。 「しかし! 庶民は助けてもらえなかったでござる!」 稲葉がお茶をもってきていた。 「その通りね」 「アメリカでも同じでござったね。高級ワインを飲むような者たちが、助けてもらい。庶民は助けてももらえず、道路で眠る! こんなことがあっていいのでござるか!」 「いいことがあるわけがない。まあ、お茶でもどうかしら、ここで茜さんとレクチャーすることになっているんですけど、オカネスキーさんの分もあるわよ」 「かたじけないでござる……。ではなくて、かたじけないでありんす!」 「このごろ、時々、オカネカキーさんは、女らしくなりますね」 女尊男卑の世界であるから、この国の逆である……。 「ええ、そんなこと、あまりにもひどい怒りで、そうなったんでごじゃりますぅ……」 「そうか、オカネスキーは男らしいから、人が困っているのが許せないのだろう。そういうことを父性本能とむかしの人いったけど、それは本能ではなく学習だそうだね」 「そうでありゃしゃんせ!」 まったく、この世界の男性はなかなか、こんな言葉遣いでは、本質にせまれぬでござるよ。 差別させれているということは、まつたく不自由なことでござる。 江戸時代の侍のように、“一心”で生きれぬでござるよ。 “二心”の政治家のように、汚い欲望があるわけではないでござるが……。 相手の心がいつも、わが心のように感じないといけない、そんな言葉遣い。 言葉に支配されているようでござる。 しかし、この世界のオカネスキーはそれでも、生きているのでこざる。 見た目とは逆に、ここのオカネスキーはよほどしっかりしているでござるね。 世の中の実質というものが、上辺とは無関係ということが数々あるように……。 金融でもうけるハゲタカどもなど、たいして働いているわけでもござらぬのに……。 せっかく、投機が終わったと喜んだのに……。 しかし、投機が石油の値段をつりあげていることが証明されたでござる……。 早く、手数料などあげて、投機をとめることでござるよ! しかし、政治家やマスコミ、企業家たちは、バブルを続けようとするでござろう……。 「世界に広げようバブルの輪! 越後屋どもの思い通りの世界でありゃしゃせ!」 稲葉は笑いながら、そうかもしれないわねと言い微笑んだ。 「何をいっているでござる! アメリカ政府が、支えろと命令してきたではござらぬか! 預金には利子もきちんとつかず、利子ドロボウといわれてきた日本の銀行ではござらぬか!」 すごい迫力である。 それを茜は見ていた。 --こういうのをオカネスキーの推薦で見せられた映画であったわね。たしか『赤穂浪士』っていったと思うわ~。 「殿中でござる~~~♪」 茜の声をきいて、我にかえるオカネスキー。 ここは、女尊男卑の世界でありんす! --肩をすぼめて、愛想笑いをした。 稲葉も、これほど、男らしい(いつものオカネスキーという固定観念がある)人を怒らせたのは、こちらの落ち度があるのかもしれないと思い。 「そういう企業はまた痛い目にあいますよ。今、世界恐慌を止めようと考えている人たちも、きっといると思いますよ……」
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