あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 ![]() 076 今どき 中根がカファオレをそそいでくれた。 テーブルをみわたす……。 さすが茜だわ! 朝食にはこれよね。 私と好みがいっしょ。 「その髪型、なんとかなさったほうがいいですわよ」 中根は姉か母親のようにいった。 「いいえ、このままでいいのよ」 だって、もとの世界に帰ったとき、髪の毛はすぐにはのびては来ないじゃないの。 そうなったら、小一郎とかに「おお、オッカネー、失恋でもしたのか、髪切って」とか、言われるに決まっているのよ。 女が髪をきったら、すぐに失恋って結びつけたがる。 その単純さが、かわいくないのよ! まったく茜の気持ちもわからないではない。 こういうことを、現在、セクハラ行為のなかにも、含められているのも至極当然のことかもしれない。 だけど、考えてみれば、この世界では男は女で、女は男の立場にいるわけよね。 だったとしても、私はやっぱり、この髪形がいいわ。 --髪形も好きなのがいいわよ! それに元の世界に帰ったら、困るものね……。 「でも、お嬢様、学校に行かれるとき、まわりの人たちがおかしいと思うのじゃないですか」 「いいのよ。パパは男性開放運動を好のんでいるのよ。その娘なのよ」 「それはそうでしょうが……」 オカネスキーがド派手な化粧で入ってくる。 「あらあら、中根さん、今どきの若い人たちには、若い人たのファッションがありゃしゃんせ!」 「ありゃしゃんせっていってもね……」 「ファッションに敏感なのは、今の若者の特徴でありゃしゃんせ。それでよろしおす!」
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