2 なぜバシャールの発言に人々は耳を傾けるの?バシャールの発言集
さて、このようなチャネリングの方法によって、ダリルがバシャールから受け取っているメッセージですが、これは一部の人たちから広まり始め、今はかなり広範な人たちから支持をされています。
それは、たとえが適切かどうかは微妙ですが、イエスキリストやモーゼのような神の言葉を代弁する預言者の言葉に対するかのような趣きになっています。
このような、ある意味現代の常識の範疇外であるバシャールという存在とその発言に、なぜそこまで人は注目するのか、という点について考えていきます。
それに際し、まずはバシャールがチャネリングによってどのようなマッセージを発信しているのかを見ていきましょう。発言しているボリュームはかなり多いのですが、そのうち主なものを以下に抜粋しました。
2-1 「情熱に従って生きなさい」
バシャールが発信するメッセージに一貫して流れている思想は「情熱に従って生きる」ことの重要さです。この「情熱」は、ダリルのチャネリングの言葉の中では、英語でexcitement、joy、love、passionなどの言葉になっていますが、日本のバシャールの信奉者の間では「ワクワク」と訳されています。
つまり「自分がワクワクすることを判断や選択の基本軸において生きていきなさい」ということです。
ただ、その自分がワクワクすることを中心にそれだけに取り組んでいると、何か自分勝手な行動をしているように思えますが、バシャールはその「ワクワクすることに取り組むことが、自然に全体の幸福や繁栄に貢献する」としています。
2-2 「身の回りに起こることが自分の意思に反していても、それを自分の行動を中断させたり、妨害するものだとみなさないこと」
これには2つの解釈があります。1つは、自分の意思に反した困難があってもそれを困難と考えずに受け止めていったほうが結果的に乗り越えられる、という解釈です。
もう1つは、自分の意思に反して中断させるようなことが起こるということは、そもそもその意思が本当に自分が好きなこと、つまりワクワクすること、ではないということに気づきなさいという解釈です。
前者の解釈は比較的ほかでも聞いたことがあるような指針ですが、後者に関しては非常に斬新な考え方だと言ってよいでしょう。
2-3 「他人にも自分にも厳しくしすぎてはいけません」
これは表面だけ読むと、他人にも自分にも多少甘くしてもいい、という発言のように見えますが、本当の意味するところはもう少し違うようです。
まず「他人に厳しい」ということはどういうことかというと、他人を自分の価値観に押し込もうとしていることです。
ですので逆にそれを受け止め「他人を変えるよりは、自分を変えることの方がストレスがなく、答えに近づける」という示唆です。
そして「自分に厳しい」というのことは、とは言えそのように自分を変えることがなかなか難しくでも、それによって自分を非難するべきではない、ということを述べています。
その裏側には、自分をいたずらに低い存在だと思わず、存在価値があると信じることの推奨です。そのように自分の根本には価値があるということを前提にしながら、自分を変えなさい、ということを言っているわけです。
2-4 「あらゆるこちには必ず意味があることを理解しなさい」
これはわかりやすいかもしれません。目の前で起こっていることが自分にとって良いことでも悪いことでも、それは何らかのプロセスの中で自分に対して必ずプラスになると肯定的にとらえなさい、ということです。
2-5 「人生の目的という言葉で自分を縛ってはいけません」
人は、目的があることを尊いと思うように子供のころからしつけられ、教育されてきています。そのために、その目的が達成できない場合、自分の否定に走ってしまいがちです。
しかしバシャールがいうところによれば、「人生の本当の目的は自分自身でいること」です。そのように考えて、1歩引いて物事を見ると、返ってその目的を達成させるためのほかの方法が見つかる、ということも言っています。
2-6 「なりたい自分になれると思うように行動しなさい」
これも比較的わかりやすい話です。まず大切なのは、自分がどうなりたいのか、ということとそれを達成するには何をしなければならないのか、ということをしっかり考えてみる、ということです。
そして十分に考えたら、その通りに行動すれば、自ずからなりたい自分になれる、ということです。
ここで大切なのは、「なりたい自分」の姿に対して「それは無理」などのように、自分であらかじめ限界を決めてしまわないことです。
2-7 「拒否してきたものごとを、まず受け入れてみなさい」
人はなぜ恐れを抱くかというと、自分が拒否しているものが自分に襲い掛かることを想像しているので、その実現を恐れているからです。たとえば、別離、死、失敗などです。
それを、そういうことも悪くはない、あるいは自分の価値はそれでは揺らがない、と考えて受け入れることをバシャールは推奨しています。
そして受け入れた途端、その恐れは消滅し、同時に拒否するという心の動きもなくなると言います。
2-8 「豊かさとはする必要があるとき、する必要のあることをできる能力」
豊かさというと人が1番に考えるのはお金でしょう。しかし、たとえば1000万円手元にあっても、やりたいことにかかるお金が2000万だったら、その人は自分を豊かだとは思わず、「お金がない」と思います。
逆に言えば「今したいことができればそれは豊かなこと」だと思えば、「ご飯が食べたい時に食べられ」「寝たい時に寝られ」「家族といたいときにいられる」だけでそれは豊かな人生だと考えられるわけです。
かえって「お金をどれだけ持っている」というように、金銭のことを中心に考えると、それが自分の豊かさの下限値になって、自分を豊かだとおもえなくなるということも指しています。
2-8 「奇跡とは、それに気づけるか気づけないかの違いだけで、実は周りにあふれています」
よく考えれば、今自分が生きているということ自体奇跡です。なぜなら、何万個もの精子の中のたった1個が母体の卵子で受精して生まれたということ自体が奇跡ですし、そしてその後実はたくさんあったかもしれない危機を未然に防いで今まで生きてきた、ということも奇跡です。
結婚しているのであれば世界中の30億人の男性と、30億人の女性の中から、たった1人に出会えて結婚したということも奇跡です。
それを奇跡だと思わなければ当たり前の日常ですが、そういう「確率論」に気づけば、自分の生きていることだけではなく、周囲の自然にも事象にも奇跡はあふれていることがわかります。
2-9 「最高の幸せとは全体のために尽くしている時に感じます」
ラグビーの合言葉は「all for one,one for all」ですが、バシャールはおそらくそれと同じことを言っています。
全体のために尽くしていると思っても、全体のために尽くせる環境に自分を置いてくれているのは、その全体なのだ、ということです。
つまり、全体のために、と思ってすべての人が尽くせば、それは結局自分に返ってくる、というわけです。
いかがですか。これらの言葉だけを読んでいると、それがオリオン座の近くにいる宇宙人の言葉だとはとても思えないではないでしょうか。
それくらい、今の日本人の、あるいは今の世界の状況に合致した内容で、示唆のある言葉を伝えてくるので、バシャールの発言は支持されているのでしょう。