龍の声

龍の声は、天の声

「東南アジア諸国は日本の改憲に賛成している」

2013-01-31 07:50:21 | 日本

安倍首相の歴訪で明らかになった意外な真実について、古森嘉久さんが以下の如く話す。


安倍晋三首相の1月16日から18日までの東南アジア訪問は、意外な展開から意外な真実を見せつけることになった。
米国の事情から安倍首相の最初の訪問先は東南アジアとなり、しかもその訪問日程もアルジェリアでのテロ勢力による日本人殺傷事件で短縮された。
だが安倍首相にとってこの東南アジア訪問は、自己の防衛政策や外交政策に意外な支援勢力が存在することを印象づけたのである。

安倍首相は訪問先であるインドネシアの首都ジャカルタで1月18日「開かれた海の恵み―日本外交の新たな5原則」と題する主要政策演説をする予定だった。演説は中止となってしまったが、その内容が首相官邸サイトなどで公表された。

その演説の内容を米国大手紙のウォールストリート・ジャーナルが取り上げて、詳しく報道した。1月22日付の記事では「安倍首相の失われた政策演説での安倍ドクトリンでは米国が中心」という見出しで、同首相の新しい外交政策の要点を伝えていた。

安倍首相の演説案は、まず「日本の国益」として「海の安全」と「日米同盟」とを掲げ、インドネシアなど東南アジア諸国との連帯の重要性を強調していた。その上で5つの原則として「思想や言論の自由」「海洋での法と規則の尊重」「自由な交易と投資」「日本と東南アジアとの文化交流」「同じく若い世代の人的交流」を挙げていた。

演説の内容を報道したウォールストリート・ジャーナルの記事は「日本が米国との同盟を最重視しながら東南アジア諸国との連帯も強化し、アジアの海が軍事力ではなく、国際規範により管理されることを強く訴えたのは、中国の好戦的な海洋戦略への懸念の反映である」と総括していた。安倍首相がジャカルタでこうした演説を計画したことは明らかに日本とインドネシアの年来の友好や信頼を示す、と同記事は指摘するのだった。日本とインドネシアの連帯の背後で、中国の強硬な姿勢に対する共通した防御の構えが明らかに浮かび上がったのである。

両国の緊密な関係を証するかのように、安倍首相がこの「失われた演説」の予定と同じ日にインドネシアのユドヨノ大統領と会談した際、「日本が憲法を改正し、国軍の創設を可能にし、集団的自衛権も解禁する」という方針を伝えたという報道が日本の各新聞で22日に流された。ユドヨノ大統領はそれに反対することなく、理解を示したという。
そもそもインドネシアは日本の軍備増強には大賛成なのである。

安倍晋三氏が前回の首相だった2006年10月、当時のインドネシアのユウォノ国防相はロイター通信のインタビューで次のように語っていた。
「私は安倍政権下の日本が地域的な安全保障の役割を果たすために日本国憲法第9条を改正することに賛成したい。日本が“普通の国”になるためにも防衛庁を防衛省に格上げさせる措置もぜひ実現を望みたい」
6年以上も前の第1次安倍政権に対して、こんな改憲の勧めを堂々と述べるのだから、いまのインドネシアが日本の軍事力増強や憲法改正に強い期待を抱いていることは明白だろう。インドネシアが恐れる中国の軍事的脅威はこの6年に格段と巨大になったのだ。

だから今回の安倍首相のインドネシア訪問は日程が最終部分で短縮されたとはいえ、東南アジアやインドネシアの対日観の真実を期せずして鮮明にしたのである。
「アジア」は中国と朝鮮半島だけではない

そこで想起されるのはフィリピンのデルロサリオ外相の言明である。同外相は2012年12月、イギリスのフィナンシャル・タイムズのインタビューに応じて「日本には憲法を改正してでも軍備強化を進めてほしい」と述べたのだった。

この言明は米国側の識者たちの強い関心をも引きつけた。マイケル・グリーン元国家安全保障会議アジア上級部長は、「日本がアジア全体への軍事的脅威になるという中国の主張は他のアジア諸国は信じない。東南アジア諸国はむしろ日本の軍事力増強を望んでいる。中国の軍拡へのバランスを取るという願いからだ」と述べたのだった。グリーン氏はさらに「戦時中は日本の軍事行動で最も大きな被害を受けたフィリピンからこうした希望が述べられる点に注目すべきだ」とも強調するのだった。

安倍政権の安全保障政策といえば、日本国内のメディアの多くも「そのタカ派的な防衛政策にアジア諸国が懸念を表明し、軍事力増強には強く反対している」という論評を流してきた。だが、アジアの主要国の1つであるインドネシアやフィリピンはまったく逆に日本の軍事力増強への希望を表明しているのだ。しかも日本が防衛増強のために憲法を改正することにも賛成だというのである。アジアといえば、中国と朝鮮半島しか見ない日本側の年来の狭窄的な反応だと言えよう。

安倍首相の東南アジア訪問は、日本の防衛の動向に対するアジアのこうした反応を照らし出す結果となった。日本側で一口に「アジア」と言っても、中国や北朝鮮の主張とはまったく正反対の期待を抱くアジア諸国が健在であることを証明したとも言える。

その結果、日本にとってもアジアにとっても、日米同盟の抑止や安定の効果がなお重要であることをも印象づけることとなった。こうした展開は安倍首相の東南アジア訪問が意外な効果を発揮したことを示したと言えよう。




「エネルギーを奪う人、与える人」

2013-01-30 08:43:15 | 日本

美し国の代表、菅家一比古さんの素晴らしい文章が来た。
紹介する。



人間は常にエネルギーを必要としています。身体のエネルギーは食生活と休息で補うことができます。しかし重要なのは心のエネルギーであり、生命や魂のエネルギー補給なのです。身体のエネルギーもそれによって大きく変化します。


心が疲れている人は常に身体も疲れており、溜息が聞こえてきます。人は本能的にエネルギーを必要とし、他人からそのエネルギーを盗んだり奪おうとするのです。本人は意識したり、気づいたりしていないのかもしれません。


その巧妙な手段として怒り、怒鳴る、威圧、暴力、妬み、嫉(そね)み、無口、無視、不機嫌、無愛想、悪口、批判、落ち込み、淋し気、悲し気、病、弱音、弱気、引っ込み、遠慮、主張、自虐、自嘲、自殺(多くの人々を悲しませる)、不潔等々多岐に亘ります。


とに角、周囲に心配かけたり、気(エネルギー)を揉ませたり傷つけたりと、相手のエネルギーを奪っているのです。このような傾向の人はあなたの周囲に結構いるでしょう。ひょっとしたら、あなたもそうかも。


反対にエネルギーを他者に与える人がいます。微笑み、温かいまなざし、愛語、爽やか、親切、奉仕、素直、率直、謙虚、朗らか、挨拶、誠実、調和、分かち合い等々。


この人のエネルギーは宇宙の根源に繋がっています。だから疲れないのです。たとえ疲れることがあっても、他者からエネルギーを奪うのではなく、宇宙の根源から頂くのです。それが祈りであり、禊であり、お山登拝であり、神社参拝であり、瞑想であり、大自然への旅であり、読書であったり、善き人々との触れ合いであったりするのです。


結局、エネルギーを奪って生きる人は最終的に枯死(こし)するだけであり、エネルギーを与え続ける人は輝くばかりであり不朽(ふきゅう)です。いずれ感謝され、それがまたエネルギーとなり、循環を喚びます。そして死してもなお多くの人々の心の支えとなって生き続けるのです。


さてあなたはどちらを選択して生きますか?




「玄米食・真の実力②」

2013-01-29 11:09:41 | 日本

<玄米の炊飯方法>


・玄米を洗う。
・白米は「研ぐ」が、玄米は周りのほこれ、汚れを洗い流す程度です。
・水に漬ける。その際、塩を入れる。
・強火で炊く。
・沸騰したら、弱火にする。
・火を止める前に、強火にする。
・最後に蒸らす。


<玄米を美味しく炊くには、>

・玄米を美味しく炊くには、ヨーグルトを入れ、アミラーゼを活性化させ、水のpHを下げる。

(活性度を測ってみると、水だけで炊いた時の3倍以上、活性化している。その為、玄米特有のパサパサ感が減少し、甘味が生じて食べやすくなったのである。また、玄米特有の嫌なにおいが減少する。玄米の表面を見てみると、ヨーグルトを混ぜた水で炊いた玄米は、「ぬか」が破れているものが多いことがわかる。玄米の表面が破れると、ある程度咀嚼(そしゃく)をして細く切った状態になるので、消化吸収がかなり改善される。)

・ヨーグルトを混ぜ水に浸け置きすることで、玄米に含まれるギャバが2倍近くに増える。


<ヨーグルト入り玄米の炊き方>

・玄米3合につき、大さじ2杯のヨーグルトを入れ、よくかき混ぜる。
・この時、ヨーグルトの固まりが残らないよう、気をつける。
・30分から1時間、浸け置きにする。
・後は、玄米モードで普通に炊くだけ。
・炊飯器に玄米モードがない場合は、玄米を手で強く研ぎ、表面にキズをつけて水が中に浸透しやすいようにする。
・更に、浸け置きの時間を2時間にすると、白米モードでも、美味しい玄米を炊くことができる。


<簡易式発芽玄米の炊飯方法>

「発芽玄米」を簡単に!買えば高い、自分で作るのは面倒、だけれども栄養的にも優れ、炊飯もしやすい発芽玄米を作ってみよう。
・まず、一度に炊飯する分量の玄米を洗いう。
・洗った玄米を2~3時間、水に漬ける。
・水を切り、タッパーに入れて、冷蔵庫に一晩
・翌日、タッパーから出して、水を入れて炊飯
・炊飯モードは、普通で大丈夫!



以上




「玄米食・真の実力①」

2013-01-28 07:25:49 | 日本

玄米食・真の実力について、2回にわたり記す。


<玄米とは、>
そもそも玄米とは、収穫した米から「もみがら」だけを取り除いたものである。
すなわち、「ぬか」と「胚芽」が残ったままの状態である。ここから精米され、「ぬか」だけを取り除いたのが「胚芽米」。更に「胚芽」まで取り除いたのが、普段食べている「白米」である。ちなみに「発芽玄米」は、玄米の胚芽を発芽させたもの。
つまり「玄米」と普段食べている「白米」は、お米全体の1割にも満たない「ぬか」と「胚芽」がついているだけの差である。


<玄米食の効用>
伝統食玄米が、最近見直されてきた。消費量は、3年前から爆発的に増加、関連商品も増えている。
では、玄米を食べると、実際、どんな効果があるのだろう?

まず玄米と白米、それぞれ1膳分の栄養を比較すると、

・食物繊維はなんと6倍。これは、ところてん3杯分に相当。ビタミンEは、14倍。
ビタミンB群は4倍から5倍も白米より多く含まれている。
(その量は、アーモンド25粒分、豚肉3枚分、イワシ2尾分、ブリ半身分の食材に相当する)

・ミネラル分も、3倍から5倍。
(レバーなどに換算すると、レバー19g分、バナナ28g分、納豆1パック分の分量が含まれている)

・玄米中のフィチン酸により血糖値と中性脂肪が正常値に改善される。
(胚芽とぬかに含まれるフィチン酸は、吸収される前の糖をくっつけ、自分ごと排出される。実際、白米を食べた時と、玄米を食べた時の前後で血糖値を計ってみると、玄米を食べた時の方が、血糖値の上昇がかなり抑えられている。また、玄米は血液中に糖が溢れず、中性脂肪に変化することも防げる。)

・脂肪肝を示す値まで改善できる。
(玄米に含まれているイノシトールは、抗脂肪肝ビタミンとも呼ばれていて、肝臓の機能を改善する働きがある。イノシトールとは「胚芽」「ぬか」に多く含まれる物質である。肝臓に溜まった脂肪を押し出し、目詰まりを直す働きを持っている。その結果、肝機能も向上する。)

・便秘改善とダイエットに効果がある。
(玄米にはギャバが多く含まれている。ギャバとは、ガンマアミノ酪酸の略称。人間の脳内で働く神経伝達物質の一つだが、 実はこの物質、お米にもあって、特に、胚芽に多く含まれるため、玄米は白米の3倍、発芽玄米だと9倍のギャバが含まれている。
体内に吸収されたギャバは、脳下垂体を刺激して成長ホルモンの分泌を促進する。この増えた成長ホルモンが、脂肪分解酵素を活性化。細胞に溜まった脂肪を、どんどん使いやすい状態にしていくのである)





「真理の吟唱・観世音菩薩の妙智力とは、」

2013-01-27 07:43:24 | 日本

この世界は「観世音菩薩の妙智力」を示現せる世界である。

観世音菩薩とは、単なる1人の菩薩の固有名詞ではない。それは宇宙に満つる大慈悲であり、妙智力であり、心の法則である。観世音とは、世の中の一切衆生の心の音(ひびき)を観じ給いて、それを得度せんがために、衆生の心相応(こころそうおう)の姿を顕じたまう「観自在の原理」であり、「大慈悲」である。三十三身に身を変じて、われわれを救いたまうとは、この事である。心の法則として、衆生の心に従って、その姿をあらわしたう事、その事が大慈悲なのである。

観世音菩薩は、あらゆる姿とあらわれて、私たちに救いの説法を宣示したまう。山々のたたずまい、雲の行きかい、風の韻(ひび)き、水の流れ・・・。ことごとく観世音菩薩の慈悲の説法である。
心に耳ある者は聴け、心に眼ある者は見よ。

さらに観世音菩薩は、私たちの周囲の人々の姿となって、私たちに真理の説法を常になし給う。意地悪と見える人の姿も、彼が意地悪なのではないのであって、私たち自身の心の何処かに、意地悪なものがあるのを、観世音菩薩が観じたまうて、それをあらわしていられるのである。だから他(ひと)を憎んではならない。観世音菩薩は、或いは父となり母となり、或いは夫となり妻となり、或いは兄弟姉妹となり、小姑ともなり、或いは社長とも重役ともなり、同僚ともなり、下役ともなりて、常に何かを語り給う。

心に耳ある者は聴け、心に眼ある者は見るべし。





「貝原益軒の養生訓⑤」

2013-01-26 08:41:03 | 日本

①働くことは養生の道
華佗は言う。「人の身は労働すべし。労働すれば穀気が消えて血脈流通す」と。

そもそも人の身体は、欲を少なくしてときどき運動し、手足を働かせ、よく歩いて長いあいだ同じところに座っていないようにすれば、血気がよくめぐって滞る心配はない。これも養生の大切な努めである。毎日このように心がけるのがよい。

『呂氏春秋』に、「流水腐らず、戸枢むしばまざるは、動けばなり。形気もまた然り」と。
 
その意味はこうである。流水はくさらないが、溜まり水は腐る。開き戸を開閉する軸は虫が食わない。この二つの物は絶えず動いているからそうあるのだ。人の身体も同じ理であろう。同じ場所に長く座して動かなければ、飲食の消化が悪く、気血が全体にめぐらないので病気になる。食後すぐに横になることと昼寝はもっともいけない。夜でも飲食の消化しないうちに早く寝ると、気がふさがって病になる。養生の道では、こうしたことをもっともさけなければならないのである。


②養生法の要点
養生の道は多言を必要としない。
実行することは、ただ飲食を少なくし、病気を助長するものを食べず、色欲を慎み、精気をもらさず、怒り・悲しみ・憂い・思いなどの感情に激しないことである。

心を平静にして気を和らげ、言葉を少なくして無用のことを言わないで、風・寒・暑・湿・の外邪を防ぎ、またときどき身体を動かし、歩行して、だらしなく横になって寝ることをせず、食気の循環をよくすることだ。これが養生の大切な点である。


③動と静との養生
人の身体は気をもって生命の根源、つまり命の主人としている。それゆえに、養生をよくする人は常に元気を惜しんで減らさないようにする。静かにして元気を保ち、ほどよく動いて元気を循環させる。たもつことと循環することの二つがともに備わっていないと気を養う事は困難である。時の応じて動と静とを実行することが気を養う道である。


④気から百病を生ず
『素問』という医書に「怒れば気上る。喜べば気緩まる。悲しめば気消ゆ。恐れれば気めぐらず。寒ければ気閉じる。暑ければ気泄る。驚けば気乱れる。労すれば気へる。思えば気結ぼうる。」と書かれている。すべての病気はみな気から生ずる。

病機というのは文字どうり気が病むことだ。それゆえに養生の道は、気を調整することが重要である。調整するというのは、気を和らげ平らかにすることである。とにかく気を養う道は、気を減らさないことと循環をよくすることである。気を和らげて平らにすると、この二つは心配はなくなる。


⑤丹田に気を集める
へその下三寸を丹田という。腎臓の動気といわれるものはここにある。『難経』という医書に「臍下腎間の動気は、人の生命なり。十二経の根本なり」と書かれている。ここには生命の根本が集合している。気を養う術は常に腰を正しく据えて心気を丹田に集め、呼吸を静かにし荒くせず、事をする時には胸中から何度も軽く気を吐き出して、胸中に気を集めないで丹田に気を集めなくてはならない。こうすれば気はのぼらないし、胸は騒がないで身体に力が養われる。

身分の貴い人に物を言う時も、大異変にのぞんで多忙な時でも、このようにするがよい。やむなく人と論争する時でも、そうすれば、怒り過ぎて気を損なったり、気が軽くならないで間違いは生じない。芸術家が芸術に励み、武人が武術に励み、敵と戦う時にも、みなこの心がけを主としなければならない。これは事に励み気を養うためのよい術である。

とにかく技術を行なうもの、特に武士はこの法を知らなくてはならない。また道志が気を養い、僧が座禅するのも、みな真気を臍の下に集中する方法である。これは主静の工夫であって、彼らの秘訣であろう。


⑥七情と養生
七情とは、気・怒・哀・楽・愛・悪・欲のことである。しかし医家では七情を喜・怒・憂・思・悲・恐・驚とする。また六欲というものがある。耳・目・口・鼻・身・意の欲である。

七情の中で、怒りと欲との二つはもっとも徳を傷つけて生をそこなうものだ。怒りを制し欲を我慢するのは易経でも戒めとしている。怒りは陽に属し、火が燃えるようである。ひとの心を乱して元気をそこなうのは怒りである。だからこれをおさえて忍ばなければならない。欲は陰に属して水が深いようなものである。人の心を溺らせ元気を減らすのは欲である。心して防がなければならない。

<了>




「貝原益軒の養生訓④」

2013-01-25 07:45:44 | 日本

①人生の三楽
およそ人間には三つの楽しみがある。ひとつは道を行ない心得違いをせず、善を楽しむこと。二つは健康で気持ちよく楽しむこと。三つは長生きして長く久しく楽しむことである。いくら富貴であっても、この三つの楽しみがなければ真の楽しみは得られない。それゆえに富貴はこの三楽に入れていないのである。もし、善を楽しまず、また養生の道を知らないで、身体に病が多く、短命となる人は、この三楽を得られない。

人として生まれたからには、この三楽を取得する工夫がなくてはならない。この三楽がなければ、どのような富貴であっても楽しめないのである。


②常と変と養生と
さらに次のような疑問を持つ人もあろう。養生を好む人は、ひたすら利己的に自分の身体を大事にするばかりで、命をたもつ事ばかりを思う。

しかし君子は、義を重んずる。それゆえに義にあたっては自分の身命をかえりみない。危うきをみて命をささげ、危難でののぞんでは節操のために死ぬ。もし養生ばかりを思い、わずかな髪や皮膚でさえも傷つけないようにするものは、大節において命を惜しんで、義を見失うのではなかろうか、という。これも一理である。が、それについて答えよう。

およそことには<常>と<変>とがある。常の時には常を行い、変に望んでは変に応ずればよいのである。臨機応変、その時において義にしたがえばよい。平常こと無きときは、身体を大切にして命を保つのは、「常」に応ずる道である。大節において、命をすててかえりみないのは、「変」における義の行為である。常に応ずる道と変に対応する義との相違を心得ておけばそれでよく、こうした疑いも起こらないであろう。

君子の道は時宜にかない、事変の対応することがよい。たとえて言えば、夏は薄いひとえものを着て、冬は厚い着物を重ねて着るようなものである。いつも同じだと考えて、同じやり方にこだわってはならない。

常のときに身体を養って頑健にしておかないと、大事にのぞんで命をすてて強く戦うことは、弱いものにはできないであろう。だから常のときによく気を養っておれば、変にあたって勇気を出すことができるのである。
 

③睡眠と養生
昔の人は三欲を我慢せよ、といっている。三欲というのは、飲食の欲、好色の欲、睡眠の欲である。飲食を節制し、色欲を慎み、睡眠を少なくすることは、みな欲を我慢することである。飲食と色欲を慎むことはよく知られている。だが、睡眠の欲をこらえて眠りを少なくすることが養生の道である。とは意外と知られていない。睡眠を少なくすれば病気にかからなくなるのは、元気がよく循環するからである。睡眠が多いと元気が停滞して病となる。夜ふけて床について寝るのはよい。昼寝はもっとも有害である。日暮れてまもなく寝ると飲食したものが消化しきれないので、害になる。特に、朝夕において飲食がまだ消化しないで、元気がまだめぐらない時に早く寝ると、飲食が停滞して元気を害するのである。

古人が、睡眠の欲を飲食と色欲とともに三欲としているのはもっともである。なまけて寝ることを好む癖がつくと、睡眠が多くなってこらえきれなくなる。睡眠をこらえる苦しみもまた、飲食や色欲と同じである。最初から強くこらえないと堪えられない。つねづね睡眠を少なくしようと努めれば、習慣になって自然に睡眠が少なくなる。日頃から少なく眠る習慣をつけることが大切であろう。


④気血の流通は健康のもと
陰陽の気は天にあって、おのずから流動して停滞しないから、春・夏・秋・冬の年間の四季がうまく行なわれ、万物がよく生成する。もし陰陽の気がかたよって停滞するようなことがあると、流動の道がふさがって、冬は暖かく夏は寒くなり、大風、大雨などの天変となって凶害が起こる。
 人の身体の置いてもまたそうである。気血がよく流通してとどこおりがないと、気がつよくなって病気にならない。気血がよく流れないと病気になる。その気が上に停滞すると頭痛や眩暈となり、中にとどこおると心臓病や腹痛となり、また腹につかえて張り、下に滞ると腰痛や脚気となり、さらに淋疝や痔ろうなどの病となる。ゆえに、しっかりと養生しようとする人は、出来るだけ元気が停滞しないようにすることであろう。


⑤食後の養生法
さて朝は早く起き、手と顔を洗い髪を整え、便所に行き、食後はまず腹をなでおろして食物の消化をたすけるとよい。さらに京門の部分をひとさし指の内側で、すじかいに繰り返して撫でるのがよい。

次いで腰をもなでおろしたならば、その下部をしずかにたたくこと。強くたたいてはいけない。もし食べ物が胸につかえたときは、上を向いて2、3度ばかりゲップをこころみると効果がでる。

朝夕の食後に長く安座してはいけない。さらに横になって眠ることは禁物である。長く座り、眠れば、気がふさがって病気になり、それを繰り返せば短命になる。食後は常に三百歩ばかり歩くがよい。ときには五六町ほども歩くことはさらによいのである。




「貝原益軒の養生訓③」

2013-01-24 00:25:10 | 日本

①嗜欲と忍
嗜欲というのは、耳が音を聞き、目が物を見、口が物を飲食し、身体が色を好むという人間の身体の各部の欲望のことである。欲望は、本質的にむさぼるものであるから、飲食・色欲などを抑えないで、欲のむさぼるままにすると、節度を越えて、身体を悪くし礼儀を失することになるだろう。すべての悪は欲望を思うままにする事から起こるのである。耳・目・口・身体の欲をこらえて、これを抑制することが欲に勝つ道である。さまざまな善は、みな欲をこらえて好き勝手にしないことから生ずるといえる。だから忍ぶことと、「恣」欲しいままにすることは、善と悪との起こる根本となるのである。

養生をしようとする人は、それゆえに、専ら好き勝手なことをしないで、欲をおさえて我慢することが肝心である。「恣」の一字を捨てて、「忍」の一字を大切に守らなければならない。


②養生は畏れの一字
身体を保護して養生するために、忘れてはならない肝要な一字がある。これを実践すれば生命を長くたもって病むことはない。親には孝、君には忠、家をたもち身体をたもつ。何を行なっても間違いは生じない。ではその一字とは何か。「畏」ということである。

畏れるという事は、身を守る心の法である。すべてに注意して気ままにしないで、過失の無いようにし、たえず天道を畏れ敬い、慎んでしたがい、人間の欲望を畏れ慎んで我慢することである。つまり畏れることは慎みの心の出発をなすものであって、恐れると慎む心が生まれるのである。したがって畏れなければ慎みもない。それゆえ朱子学も晩年には、敬の概念を分析して、敬は「畏」という字の意味に近いと解したのである。


③身体と運動
毎日少しずつ身体を動かして運動するのがよい。同じ場所に長く座っていてはいけない。食後の散歩は特に必要で、庭の中を数百歩静かに歩くだけでもよい。雨の日には、室内を何度もゆっくり歩くがよい。こうして毎朝毎晩運動すれば、鍼・灸を使わないでも、飲食はすすみ気血の滞りがなくて病気にかからない。鍼・灸をして熱い思いや痛みに耐えるよりも、先に言ったような運動をすれば、痛い思いもせずして楽にして健康をたもつことができよう。


④内敵には勇、外敵には畏れ
およそ人間の身体は弱くもろく、しかもむなしい。風前の灯うのように消えやすい。思えば心細いことだ。つねづね慎んで身を保つべきである。まして内外から身を攻める敵が多いのだから、まことに危険である。まず飲食の欲、好色の欲、睡眠の欲、あるいは怒り、悲しみ、憂いという敵が身を攻めてくる。これらの敵はすべて身内から生じて、身を攻める欲だから内的である。なかでも飲食・好色は内欲から外敵を引き入れてくる、もっとも恐るべきものである。

風・寒・暑・湿は、身の外から入り込んでわれわれを攻めるものであるから、外敵という。人の身は金や石で作られたものでないので、破綻しやすい。ましてこのように内外に大敵を受けるのであるから、内の慎みと外側の防御無くしては、多くの敵には勝てない。きわめて危険である。だから人々は長命をたもつことが難しい。十分に用心して、たえず内外の敵を防ぐ計略がなくてはならない。敵に勝たなければ、攻められて身の破滅を招くのである。

内外の敵に勝って身を保つのも、養生の術を知っていてよく防ぐからである。生まれつき気が強く壮健であっても、術を知らないと身体を守れない。たとえば、勇気ある武将でも、知なく兵法を知らなければ敵に勝つことは困難であろう。内敵に勝つには、心を強くして忍耐することである。忍とは我慢することだ。飲食、好色などの欲望は、強くたえて気ままにしてはならない。強い精神力なくしては内欲に勝てなのである。内欲に勝つのはさながら猛将が敵を押しつぶすようにすることである。すなわちこれが内敵に勝つ兵法なのである。

外敵に勝つには、それを畏れて早く防ぐことだ。たとえて言えば、城中にこもって四方に敵を受けて、油断なくこれを防ぎながら城をかたく守るようにすべきである、というようなものであろう。風・寒・暑・湿にあったら、恐れてはやく退くことが必要で、このときばかりは忍耐しないのが得である。

古語に「風を防ぐこと、矢を防ぐが如くす」、という。四季のなかで風・寒はもっとも畏れるべきであろう。長いあいだ風・寒にあたってはいけない。およそこれが外敵を防ぐ兵法なのである。内敵に勝つには勇ましく強く勝つがよい。しかし外敵を防ぐには、畏れて早く退くのがよく、勇敢であることはよくないといえよう。
 



「貝原益軒の養生訓②」

2013-01-23 07:17:01 | 日本

①養生の心がけ
何事にも勤勉で努力すれば、かならず効果がある。たとえば、春にまいた種を、夏の間によく養えば、秋の収穫が多いようなものである。

人の健康についても同様で、養生の術を学び持続して実行すれば、身体壮健にして病むことなく、天寿をたもち長生きして、長く楽しむことは必然であろう。これは自然の理であって疑ってはならないのである。


②内なる欲望と外なる邪気
養生法の第一は、自分の身体をそこなう物を除去することである。身体をそこなう物とは内から生ずる欲望と外からやってくる邪気とである。

前者は、飲食の欲、好色の欲、眠りの欲、言語をほしいままにする欲や喜び・怒り・憂い・思い・悲しみ・恐れ・驚きの七情の欲をいう。後者は風・寒・暑・湿の天の四季をいうのである。そこから生ずる欲望をこらえて少なくし、、外部からくる邪気を恐れて防ぐことができれば、絶えず健康で元気はつらつとして、病気にかからず天寿を全うすることができよう。


③七情を慎む
さて養生の道の根本は、内欲をおさえる(我慢する)ことである。この根本をしっかりと務めれば元気が強くなって外邪に犯されることもない。内欲を慎まないで元気が弱いと外邪に犯されやすくなって大病にかかり天命をたもつことができない。では、いかにして内欲をおさえることができるのか?

それは飲食を適度にして過食せず、脾臓と胃とを傷つけて病を誘発するものを食べないこと。また色欲を慎み、精力をたくわえ、正しい睡眠をとり、長時間眠ることや座ることをさけて、ほどよく運動をして気の転換をはかることなどによるものである。

ことに食後はかならず数百歩の散歩がよい。食後に安座したり、昼寝をしたり、食べた物がまだ消化していないのに早く眠ってしまう習慣をつけると、身体に滞りが生じて病気となり、繰り返しているうちに衰弱する。

日頃から元気を消耗することをなるべくさけ、多弁をせず、七情をほどよく整えるがよい。七情の中でも特に、怒り、悲しみ、憂い、思いを少なくすることを心がけることが大切であろう。欲を抑え、心を平静にし、気を和らげ、物事に動ぜずして騒がず、心はたえず平和で安楽でなければならない。憂い苦しんではだめだ。

これがすなわち、内欲をこらえて元気を養う道である。またこうした心がけが、風・寒・暑・湿の外邪に勝つ力となる。このような内外のさまざまな注意こそは、養生の大切な項目である。これらをよくよく慎み順守しなければならない。
 

④心気を養う養生術
心気を養うことが養生の術(方法)の第一歩である。心を穏やかにし、怒りと欲とを抑制し、憂いや心配を少なくして、心を苦しめず、気を痛めないことが、これこそ心気を養う大切な方法である。

寝ることを好んではよくない。長く眠っていると、気(血)の循環が悪くなる。特に食後、飲食を消化していないのに臥してしまうと、食気をふさいで大いに元気を損なう。心しなければならない。酒はほろ酔いまでがよく、主席がたけなわになるところでやめるのがよい。

食事は腹八分がよくて、腹いっぱい食べてはいけない。酒食とも一定量を定めて、限度を超えてはいけない。また若いときから色欲を慎み、精気をむだつかいしてはいけない。精気を多くつかうと、下の部分の気が弱くなり、元気の源泉に影響してきて、かならず短命になる。もし飲食や色欲を慎まないならば、毎日栄養剤などの補薬を飲んでも、朝夕に栄養を補っても何の役にも立たないのである。また、風・寒・暑・湿の外邪をおそれて防いで、起居振る舞いに節度を持って慎み、食後は適度の運動をし、ときどき養生法としての導引をして、腰や腹をなで摩擦し、手足をよく動かし、労働して血気を循環させて飲食したものをよく消化させなければならない。同じところに長く安座してはならぬ。これらはみな養生のために欠くことのできない大事なことである。

養生の道は、病にかからないときに慎むことである。病気になってから薬を使い、針や灸を持って病を攻めるのは養生の末である。養生の根本は、発病する前に予防することであろう。




「貝原益軒の養生訓①」

2013-01-22 11:52:24 | 日本

貝原益軒の養生訓について、5回にわたり記す。



貝原益軒(かいばら・えきけん1630年-1714年)は江戸時代の本草学者、儒学者である。

福岡藩士、貝原寛斎の五男として生まれる。名は篤信、字は子誠、号は柔斎、損軒(晩年に益軒)、通称は久兵衛。
18歳で福岡藩に仕えたが、1650年、2代藩主・黒田忠之の怒りに触れ、7年間の浪人生活を送ることとなる。1656年27歳、3代藩主・光之に許され、藩医として帰藩。翌年、藩費による京都留学で本草学や朱子学等を学ぶ。

幼少のころから読書家で、非常に博識であった。ただし書物だけにとらわれず自分の足で歩き目で見、手で触り、あるいは口にすることで確かめるという実証主義的な面を持つ。また世に益することを旨とし、著書の多くは平易な文体でより多くの人に判るように書かれている。


◎養生訓

この本が上梓されたのは1713年です。当時、益軒は84歳。この本の中には「人生の楽しみ方」が書かれている。その「楽しみ方」には、以下の3つの面をもっている。
①道を行い善を楽しむこと。
②病なく快く楽しむこと。
③長寿の楽しみ。
益軒はこの三楽をいかなる金銀財宝の富や名誉の貴さよりも優れたものとしている。

また長寿もただの有機体の一物として長く生きるということではなく、「欲をすて謙虚に、畏敬の念を忘れずに生きる」人間の真の姿を描いている。さらにこの書は単なる養生の技術や知識を述べたものではなく、ここで説かれているのは、「永遠の命」を生きる人間の知恵である。決して理性的な観念や原理をふりかざしたような乾燥したものではない。それゆえ288年も経った現在でも、日本人の体質や風土に適合した深い味わいを出していると思われる。


①人間の尊厳性
ひとの身体は父母を本とし、天地を初めとしてなったものであって、天地、父母の恵みを受けて生まれ育った身体であるから、それは私自身のもののようであるが、しかし私のみによって存在するものではない。つまり天地の賜物であり、父母の残してくださった身体であるから、慎んで大切にして天寿をたもつように心がけなければならない。

これが天地・父母に仕える考の本である。身体を失っては仕えようがないのである。自分の身体にそなわっているものは、それがわずかな皮膚や毛髪でさえも父母から受けたものであるから、理由もなく傷つけるのは不幸である。

まして大いなる生命を私ひとりのいのちと思って、慎まず、飲食、色欲を思いのままにし、元気をそこない病となり、もって生まれた天命を縮めて、早世することはまことに天地・父母への最大の不幸であって、馬鹿げたことであるといわなければならない。

ひととしてこの世に生まれてきたからには、ひたすら父母・天地に考を尽くし、人倫の道を実践し、義に従い、なるべくならば幸福になり、長寿にして悦び楽しむことは、誰も願望するところであろう。このようになりたいと欲するならば、まずいま述べた道を思考しそれをふまえて、養生の方法を心得て健康をたもつことである。これこそが人生で最も大事なことだろう。

ひとの身体はきわめて貴重であって、全世界のなにものにもかえることのできないものではないか。

しかるに養生の方法を知らないで、欲にふけり身をほろぼし命を失うことは、もっとも愚かなことである。生命と私欲との軽重をよく考えて、日々の生活を慎み、私欲の危険性を恐れること、深淵にのぞむような、薄氷をふむような細心の注意を払って生活すれば、長生きもできて、災難をまぬがれるであろう。

ともかく人生は、楽しむべきである。短命では全世界の富を得たところで仕方のないことだ。財産を山のように殖やしても何の役にも立たない。それゆえに、道に従って身体を保って、長生きするほど大いなる幸せはないであろう。
 そこで『尚書』では長寿を五福の第一にしている。長生きは、すべての幸福の根本といわれるのである。



「人の歩く道に人生あり」

2013-01-21 07:59:40 | 日本

「人の歩く道に人生あり」これは、超能力者ガイアの山本将一さんが55歳の時に天から受けた啓示である。


以下の言葉を紙に書き出し、常に目に留まるところに貼りだし、声を出して読み、念じ、テンションを上げ、目的に対する情熱を高め、行動し、実現しよう。



出来る。出来る。必ず出来る。

出来ないと思えば出来ない。

自然の法則に従えば必ず出来る!

やる気を出せば必ず出来る!

出来ると念じ続ければ必ず出来る!

人間の究極の力は、目的に対する情熱だ。




「思と気」

2013-01-20 09:34:56 | 日本

中国の古書に『素問』があろ。
医家(いか)の七情に、「喜・怒・憂(ゆう)・思(し)・悲・恐・驚」がある。
この心と体のバランスが崩れると人は心身の病に陥る。


わが輩には、特に「思」が重大なストレスになっていた。
深く、深く思う。そこまではいいのだが、より完璧をきそうと、さらに思う。
すると、明るい思いよりも、憂いの思いが心の中にどんどん広がり住み着いてしまう。
この憂いを無くそうと朝に夕に、さらに思えば、もう堂々巡りの不安の坩堝(るつぼ)の中に生きている。


そこで編み出したのが、複式呼吸である。
臍下丹田(へそ下三寸の所)に深く息を吸い込み、下腹に息を溜める。
そして、ゆっくり、ゆっくりと、少しずつ息を吐いていく。


完璧な完成を強く望むがゆえに、叶わぬときは衝撃が強い。
百あるうちの三十も出来ればよしとする思いであれは気が楽になる。


腹式呼吸は、その心境へと自分を導いてくれる秘法である。
朝に夕に、寸暇を惜しんで腹式呼吸をおこなう。


臍下丹田に気が充実すれば、明るい気持ちが湧いてくる。
あまり深刻に思い過ぎない。あまり完璧を望みすぎない。
そんな気持ちが心の平安をもたらしてくれる。


若い頃は気力旺盛で、多少のことにもへこたれず前向きに生きていくことができるが、年を重ねてくるとすぐに気力が失せ、やる気がなくなる。
気というものがどれほど大切であるかを痛感する。


わが気の充実こそが、心身の健康を保つ秘訣である。


気を充実させる。
気を充実させ、人生の目的や夢に向かって歩んでいく。


大きなこと、小さなこと、今日は何をしようか、気を充実させ自分の体力応じ生きがいを見つけるのである。


心身をコントロールして自己を管理し、日ごろの生活のありようを常に自覚して養生することが、健康を保つ道である。



「CIA未来予測報告書『Global-trends 2030』④」

2013-01-19 11:01:36 | 日本

【4】可能性のあるscenario(結論)

CIAの報告書は以上の認識を前提に、将来起こり得る複数のscenarioを結論として提示している。


①最悪のscenario(失速)
Europeが財政危機の克服に失敗して深刻な不況に入り、またAmericaはshale oilとshale gasの開発によるenergy革命に失敗して不況になると、EuropeとAmericaは内向きになり、世界との関わりを制限する。
そのような状況では、国際紛争の調停を行う国が存在しなくなるので、本格的な戦争が起こりやすくなる。戦争はおそらくAsiaが舞台となる。だが、周辺国が仲裁に乗り出すので、世界大戦のような大きな戦争には発展しない。現代の世界経済は、かつてないほど相互に依存しているので、大きな戦争が起こる可能性は低い。それでも、Asiaを舞台に戦争が起こると、世界経済は大きく停滞する。


②最善のscenario(統合)
対極にある最善のscenarioは「統合」である。America、China、Europeの主要な勢力が、PakistanやAfghanistanなどの問題を解決するために密接に協力する。協力の過程を通してそれぞれの国々の信頼関係は一層深まる。これに伴ない既存の国際機関の再編成が進み、より包括的な組織になる。
Chinaは国際的な責任を一層果たすようなることがきっかけとなり、緩やかに民主化の過程が進み、中間層に主導された内需依存型の経済になる。
このscenarioでは、世界経済はもっとも発展する。新興国のみならず先進国も成長するため、2030年には世界のGDPは今の2倍になる。


③予想を越えたscenario
globalizationの暗い側面が全面化し、世界の主要地域で格差が一層拡大する。主要国の国内が不安定になるので、国際的な協調を維持する有効な枠組みを形成することはできなくなって。矛盾を抱えたまま世界経済は不安定な成長を続ける。
・Europeでは、GermanyとFranceなどは成長するが、その他の地域は停滞し、Euro圏から離脱し、EUは機能しなくなる。
・Americaは、energy革命に成功するため、世界と関わる必要性は少なくなる。energy革命のため原油価格が大きく低下するので、これまでの原油産出国は窮乏する。
・Chinaでは、沿岸部は引き続き発展するものの、内陸部との格差は一層拡大する。そのため、不満が共産党政権に向けて爆発し、社会は不安定になる。


④国家が力を持たなくなるscenario
国家に変わって、NGOや巨大都市、また富裕な個人が世界の問題を解決するために大きな力を発揮するようになる。
国家が消滅するわけではないが、政府は国内問題に集中するため、世界的な問題で協調する余地は限られる。そのため、政府の力が十分に及ばない問題で国際的に協調し、問題の解決に当たることになるのがNGOや巨大都市、それに超富裕な個人である。

<了>




「CIA未来予測報告書『Global-trends 2030』③」

2013-01-18 07:48:08 | 日本

【3】black swan(突発的な事態)

CIAの未来予測報告書では、このような長期trendの認識と、それを変更する可能性が高い変動要因から未来のscenarioを予測するが、それとともに、black swanと呼ばれる予想を越えて世界の状況をいきなり変化させるような突発事態を考慮に入れている。


①未知の病原菌の拡大
人間の呼吸器系に感染する未知の病原菌が拡大すると、6ヶ月で100万人を越える死者が出る可能性がある。新しい病原菌の拡大は困難である。


②予想を越えた気候変動
一部の地域では、気候変動は既に予想を上回っている。Indiaやその他のAsia地域でmonsoonのpatternが変化すると、大きな気候変動を招来し、この地域の食料生産に困難をもたらす。


③EUとEuroの崩壊
Greece一国がEuro圏から離脱するだけで、Lehman shockの8倍ほどの大きさの金融危機がやってくる。


④Chinaの民主化と崩壊
一人当たりの平均年収が購買力平価換算で1万5000$を越えると、民主化要求運動は一気に高まる。あと5年でChinaはこの水準に達するので、民主化要求運動が勢いづく可能性がある。しかし、Chineが急激に民主化すると、現在よりもはるかにnationalistic(民族主義的)な政権になる。また、Chinaの経済が何らかの形で崩壊するようなことがあると、その世界経済への影響は想像を絶するものがある。


⑤核戦争、大量破壊兵器、cyber攻撃
北朝鮮やIranのみならず、RussiaやPakistanも政治的な影響力を増大させる手段として、核兵器に注目している。


⑥太陽の磁気嵐
太陽の磁気嵐は人工衛星のみならず、地上の発電所にも大きな影響を及ぼす。今の社会は電力への依存度があまりにも高いので脅威となる。


⑦Americaの孤立
America経済が崩壊するなどして、世界に対するかかわりを絶った場合、今のところAmericaが唯一の調停役なので、世界は無政府状態に突入する可能性が高くなる。




「CIA未来予測報告書『Global-trends 2030』②」

2013-01-17 09:21:37 | 日本

【2】game changer(変動要因)

Mega-trendは長期の変化であるのに対して、長期trendに働きかけ、将来の結果に大きな違いをもたらす変動要因が存在する。これらは「game changer」と呼ばれる。


①世界経済が危機に陥る可能性
世界経済が2008年以前の急速な発展の時期に戻ることはない。少なくとも今後10年間はそのような状況が続く。2008年以降、世界の各地域の発展速度は異なっており、破綻する地域と停滞する違いが出てくる。この不均衡な状態が背景となり、世界経済が崩壊と縮小に向かうのか、または不均衡な状態にも十分に耐えられるsystemへと進化するのかはまだ分からない。
ChinaやIndiaなどの新興国が世界経済の発展を牽引する。China関連の投資はAmerica関連の1.5
倍になっている。富は北から南に移転する傾向がさらにはっきりしてくる。一方、80年代と比べると、先進国の財政赤字は深刻な状況にあり、やっとAmerica、Australia、韓国が財政赤字の削減に取り組み始めた段階だ。
先進国は、高齢化して労働人口が減っているので、発展を維持するためには、労働生産性を上昇させなければならない。これを行うためには、新しいtechnologyの導入が欠かせない。
Chinaの高度成長のよって巨大な中間層が誕生するだろうが、その時期はもうすぐ終わる。Chinaの成長率は5%程度となる。
Europeが危機に陥る危険性はまだ存在している。GreeceがEUを脱退した場合、その影響力はLehman shockの8倍になる。


②統治能力のgap
世界の多極化は急速に進行するため、国家とは異なった統治機構が多数出現する。それらは、巨大都市や国際機関などだ。これらはそれなりに大きな統治能力を持つため、世界の問題の解決に大きな影響力を持つ。
だが、関与する組織が多くなるに従って、問題解決に向けてのconsensusを得ることがはるかに難しくなる。一方、これまでの先進国の政府は、慢性的な財政赤字のため使える予算は制限され、問題解決の影響力は限定される。
中間層が増大するにしたがって民主化要求運動が高まり、独裁制から民主制に移行する圧力は強くなる。統計的には、購買力平価換算の平均年収が1万5000$を越えると、どの国でも中間層が増大し、民主化要求運動が激化することが知られている。現在、中東の湾岸諸国がこのcategoryに入る。一方Chineは、5年以内にこの水準になる。
これから、先進国でも新興国でも高齢化が進展し、若年層が減少する。このような落ち着いた社会では、民主制の方がうまく機能する。
独裁制の国家が民主化するとき、国内は不安定な状態になる。独裁国家は、Africa、東南Asia、中央Asia、中東に集中している。これから15年から20年の間にこれらの国々では次第に民主化するだろうが、その歩みはジグザグである。
民主化のprocessは、IT技術で一層促進される。一方、IT技術は独裁政権の監視能力を高め、民主化要求運動を抑圧することにも使われる。
中国やIndiaなどの新興国の影響力拡大を反映し、現在のIMF(international monetary fund)や世界銀行などの西欧が戦後設立した国際機関の編成が大きく変わる。


③紛争が増加する可能性
過去20年間、それ以前の時期と比べると、武力衝突の件数は減少した。また紛争地域でも、死亡者数の顕著な減少が見られる。一般的な傾向として、高齢化が進むと国内の内戦や紛争が大きく減少する。この傾向はこれからも続くだろうが、国家間の紛争は今後も発生する可能性は十分にある。
一方、Sahara Desert以南のAfricaや東南Asiaや中央Asiaの一部など、若年層がまだまだ多い地域では、国内紛争や内戦が発生する危険性はまだ大きい。特にこれが、水源などの問題とかかわると危険性は高まる。だが、国家間の紛争は状況が異なる。冷戦時の均衡状態ははるか以前に終わり、また、Americaの覇権の衰退から、かつてのような国際紛争の調停役は存在しない。このため、特に中東とAsiaで国際紛争の危険はかなり高くなる。しかし、多くの国々が参戦する世界大戦になることはない。
依然としてterrorism組織は活動的だ。terrorism組織が核兵器を手に入れる危険性は高まる。


④不安定化する地域
これから15年から20年で、不安定になる可能性がある地域が存在する。その地域は中東と南Asiaだ。中東諸国では、平均年齢が若く若年層が多いので、Arabの春のような激しい民主化要求運動が起きたが、これから次第に高年齢化が進むにしたがって、落ち着いてくるだろう。
中東における最大の不安定要因は、核武装したIranの存在だ。一方、中東諸国の多くで民主化した政権が成立すると、IsraelとPalestineの紛争調停の可能性が高まるので、この地域の平和は進展するはずだ。
AfghanistanとPakistanでは、平均年齢が若く若年層が中心の国で、人口の年齢構成はAfrica諸国ととてもよく似ている。そのため、低い経済成長による若年層の高い失業率は、国際紛争の引き金になる。
一方、Indiaはこれらの国々に比べて経済成長率は高いが、平均年齢が若く若年層が多いので、経済成長が停滞した場合、不安定となる。
Asiaでは、国家間で基本的な信頼関係がないため、紛争を調停するための地域的な秩序は存在しない。これからは、Chineの勢力拡大に対する恐怖、Chinaの高まるnationalism、Asiaに駐留するAmerica軍の存在などがこの地域で緊張を高める原因となる。
他方、もしEUが現在の財政危機の解決に失敗し、管理能力が弱まった場合、中央Europeで高まる緊張を調停することができなくなるので、この地域で紛争が激化する恐れがある。反対に、財政危機を解決し、一層統合したEuropeが実現すると、Europe域内のみならず、中東やAfrica地域で紛争の調停を積極的に行うことができる。
またRussiaがもし民主化と経済の多様化に成功すると、Russiaは国際社会に一層深く統合されるので、世界は安定化する。反対にこれに失敗すると、世界はより不安定になる。


⑤新しいtechnologyの衝撃
巨大なserverは殆ど無料で使えるようになり、どこからでもcloud computingでdatabaseにaccess可能となる。これからは、こうしたtechnologyをinfrastructureとして駆使する巨大都市が多数現れる、一方、新しいITtechnologyを使用すると、政府が国民の生活を細部まで監視することが可能になるため、市民によるserverの撤去運動も起こってくることだろう。
他方、生産現場では新しいITtechnologyは大きな影響を及ぼす。先進国ではIT-technologyはこれまで以上に専門領域の労働に拡大する。そのため、多くの専門労働が単純労働化する。
また、世界の生産拠点となっているAsiaでは、さらに進んだITtechnologyの導入で、supply chainは短くなり、効率が上がる。
遺伝子組み替えなど、農業技術の分野でもITに劣らず大きな進歩がある。こうしたtechnologyの開発で、激しい気候変動にも十分に耐えられる農産物が生産される可能性が大きい。農業技術は新しい資源の開発へと道を開く。
医療、健康関連のtechnologyの進歩も大きい。これらのtechnologyによって、開発途上国では死亡率が減少し、平均寿命はかなり伸びる。


⑥Americaの役割
America及びその先進国の同盟諸国の衰退は不可逆的な流れだ。1945年から始まったAmericaの覇権の時代は急速に去りつつある。これからは、複数の大国が勢力を分かち合う時代に入る。
だが、多極化の時代の中でAmericaの役割がどうなるのかははっきりとは予測することは難しい。Chinaのような発展が著しい大国には、Americaのような世界的な覇権国になり、新しい国際秩序を自らが構築する意図はない。ChinaやIndiaは地域覇権国になるに方に関心があって、世界の秩序の構築には興味が無い。むしろ、パックスアメリカーナの時代にAmericaが作った国際秩序から十分に利益を得ており、この秩序を温存させる可能性が高い。
国際的な紛争を調停する国は存在しないので、その意味でもAmericaは、大国として調停役としての役割を引き受ける可能性は大きい。だが、基軸通貨としてのdollarが放棄され、通貨basket制のような新しいsystemに移行すると、Americaの政治・経済力はもっと低落するので、この限りではない。