ニュース雑記帳

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三年前の佐世保市の事件の傷跡

2007-06-02 21:10:04 | Weblog
三年前に、長崎県の佐世保市で、小学校6年生の女の子が、同級生の女の子に殺害された事件がありましたね。被害女児のお父さんが、新聞記者でらっしゃったのではなかったかと思います。

その事件の時、被害者の女の子と加害の女の子が通っていた小学校の校長先生が、記者会見で「何かあったら担任に報告するよう指導していたのに残念」と発言したらしく、それに凄く傷ついてしまった男の子がいるんですって。

なんでも、その男の子は、事件の約1週間前に、加害者の女の子に、刃の出ていないカッターナイフを振り上げられてたらしいんですが、それを自分が先生に言わなかったから、あんな事件が起こってしまったんだと思いつめて、心的外傷後ストレス障害になってしまって、今なお通院治療中なんですって。

それで、「当時の校長の不適切な発言などで人権を侵害されたとして同県弁護士会に人権救済を申し立てた」ということなんですが・・・ふむ、人権救済って、具体的に、どういうことなんでしょうね。

なんていうか・・・この少年が、すごく傷ついたのって、当然だと思うんですよ。たぶん、わたしが彼でも、同じ事を思うようになってしまったと思います。つまり、みんな自分のせいだと自分を責めて、そこから抜け出せなくなりかねないと、そう思います。

決してそうじゃないんですよ。ぜんぜん、彼のせいじゃない。でも、そう思っちゃう。自分でも、頭では「自分のせいじゃない」と思うんだけど、心が「お前のせいだ」って、自分のことを決して許そうとしないと思うんですよ。だから、決して「校長先生が、そんなことを言ったくらいで、PTSDになんかなるなよ。心が弱い奴だな」なんて、これっぽっちも思わないですよ。

でも、だからといって、校長先生があんなこと言ったから・・・という発想にも、ならないですよね、わたしは。あの発言が、特に校長として、教育者としての思慮が足りなかったとも思わないし・・・。そんなこというなら、今回「当時の校長の不適切な発言などで人権を侵害された」って言う事も、この校長先生を追い詰めて、PTSDに追いやりかねない人権侵害なんじゃないかと思うんですけどね。やっぱり、校長職にある教育者となると、それだけ重い責任があるってことなんでしょうかね。

なんだかね・・・それでなくても、沢山の人を傷つけている事件なんだから、こんな形で、もっと多くの人を傷つけようとしなくていいんじゃないかなんて、わたしは思っちゃうんですけどね。

だから、校長先生の発言が、不適切だったということじゃなく、この少年が、あの事件で深く傷ついたこと、そして、その傷がまだ癒えていないことを、少年の家庭だけに対処させるのじゃなく、教育機関や医療機関やら、地方自治体や国にもサポートして下さいよという「救済」なら、ものすごく納得なんですけどね・・・。

ふむ・・・なんだか、とっても、個人的に居心地の悪いニュースでした。

1 コメント

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Unknown (鮎川さつき)
2007-06-02 21:33:22
初めまして、カウンセラーを仕事としております鮎川と申します。私の娘(高1)は「アスペルガー症候群」です。加害者の少女もそうです。言語障害のない自閉症ですが、この事件の背景にはまだまだ専門家も解っていない問題があります。言葉が上手くまとまりませんが、子供の大人の心の問題を沢山勉強して行く次第です。突然の訪問、大変失礼致しました。
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