ニュース雑記帳

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「基本は守られたのか」 唐津・小5ひき逃げ

2006-05-25 11:48:07 | Weblog
上記タイトルは、2006年05月24日付けの「西日本新聞」朝刊のものです。

唐津市で、小学5年生の男の子がひき逃げされた事件で、警察が容疑者を職務質問していたにもかかわらず、取り逃がしたことを報じる記事のタイトルです。

たしかに、報道を見聞きしている限り、捜査に不手際があったことは確かなんですよね。事件の翌日に、白バイ隊員が、前方が壊れた不審な青いダンプを発見して、運転者を職務質問までしながら、「ダンプは自分のものではない」という運転者の言葉を鵜呑みにして、その運転者を一人きりにして応援を求めにトラックの側から離れ、結果的に容疑者を取り逃がしているわけだから。それに、記事を書いた西日本新聞佐賀総局の青山さんが、情報は何もないと言う担当者に、犯人は建設会社の人間ではないのかとと食い下がったら、「ないものをあると言わせるのか」と怒鳴ったというから、県警広報(?)の態度も、どうなんだろうと思わせるものだし。

けれどね・・・白バイ隊員が容疑者を逃したことが発覚してからの報道を見ていると、どうも「それっ!!」って感じがするんですよ。「格好のネタが舞い込んできたぜっ!」とでもいう感じがね。鬼の首を取ったようなっていう表現が、まさに合っているかも。

確かに、マスコミも我々も、権力を持った機関や人を監視する義務を負っているとは思うんですよ。だから、警察に対しても、しっかりと仕事をしてくれているかどうか見張って、変なところがあれば追求しなくちゃいけないと思うんですよ。でも、それって、敵だからじゃないですよね。公僕(税金から給与が支払われている公衆に奉仕する仕事に従事する人)だからですよね。けれど、マスコミの報道を見ていると「この事件の犯人を見つけて罪を贖わせることより、警察を叩くことの方に興味があるみたい」って思ってしまうんですよ。

もちろん、警察に不手際がありそうなら、ちゃんとそれを糺すべきだとは思いますが、まず非難ありきじゃ、誰だって構えちゃうでしょ。それに、犯人を取り逃がしたといわれている白バイのお巡りさんに関しても、警察は外部に対しては彼を守ろうとするけど、内部では問答無用で懲罰する可能性がありますよ。それで、いいものですかね。

ちゃんと、事情を聞いてあげないと、分からないことってありますよ。基本は大切だけど、基本どおりのことが出来ない状況だってあるし。分かっているだけでも、白バイの人は応援要員で、事情が今ひとつよく分かっていなかった。しかも、容疑者及びトラックと遭遇した場所は入り組んだ場所だったけど、白バイの人は土地勘がなく、一人で対応するのは困難だったみたいだし・・・。

そういうことって、所詮、弁解になるわけだけれど、それでも、その弁解を聞く姿勢が我々になければ、人の心理として、また集団の心理としても、自己防衛に走って、頑なになり事実を隠そうとしてしまうでしょ。

同じような対立構造は、たとえば学校と保護者の間にも見られるのだけれど・・・どんな関係においても、責めること前提で相手に対すると、絶対にイイ結果には繋がらないですからね。何か事件があると、とりあえず「警察の不手際」を探そうとするのは、止めた方がいいんじゃないかなと思うんですよ。警察の実態を知らない甘い考えなのかもしれないですけど、頑張っている警察官の人も、たくさんいらっしゃると思うので、その人たちのヤル気を殺ぐようなことはしたくないなと思いませんか。