ニュース雑記帳

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BBCが二重被爆者を笑いもの?

2011-01-22 07:04:43 | Weblog
BBCのバラエティー番組で、二重被爆者を世界一運のない男として紹介したと・・・それで、オーディエンスにも大いに受けて、スタジオが笑いに包まれたと・・・

なるほどなぁ~って思いました。日本人の感覚からいうと有り得ないことなんだけど、これが“距離”ってことと“見せ方”ってことなんだなって思いました。

BBCは日本の英国大使館からの抗議をうけて、すぐに謝罪し、さらに近く正式に文章で謝罪をするって話なので、言われれば「あっ、これは大変失礼なことをした」ってことは分かるんだと思います。けど、距離があるんですね、きっと・・・

で、きっと同じことが、われわれにも起こる・・・って言うか、しでかす危険はありますよ、これは。自分たちから距離が離れたところで起こったこと、起こってから時間が過ぎてしまったこと、よく知らなくてシンパシーを感じられないことに対しては、接し方が他人事になるのは、ある程度仕方ないですよね。日本のバラエティー番組だって、当事者に伝わっていなかったり、先方から抗議されなかったから、自分たちで気づけないような無神経なこと、きっといっぱいしてますよね。

それに・・・たとえそうであっても、取り上げ方や見せ方によって、人の感じ方や反応は違うと思うんですよね。

たとえば、このBBCの番組をスタジオで見ていて笑った人たち、その一人ひとりに、別の見せ方や説明の仕方をしたら、きっと多くの人は笑わなかったと思うんですよ。ドキュメンタリーで、原爆という兵器の残酷さを取り上げた番組なら、同じ人でも反応が全く違ったと思うんです。

つまり、きっと、笑った人たちの多くは、決して日本を侮ってもいないし、原爆被害者に想いをいたすことができない冷酷な人でもないと思うんです・・・ただ、さして原爆にも日本にも関心がなく、番組に感情を誘導されただけなんだと思うんです。

だから・・・知らないってこと、関心がないってこと、距離が遠いってことの怖さ・・・見せ方の怖さ・・・それを感じたニュースでした。

願わくは、原爆を含む全ての兵器の引き起こすことに対する無関心が、少しでもわたしたちから減っていきますように。そして、何かを表現する人は、伝えようとする人は、表現したあとのこと、伝えた先のこともイメージしながら、活動したいものですね。

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