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ライブ盤の編集ってアリ?

2016年08月01日 | BRITISH ROCK
1975年に発売されたFRAMPTON COMES ALIVEは、翌年にかけて世界中で大ヒットした。

この大成功を目の当たりにすると、誰しも“俺たちも同じように出来るのでは?”と考え、70年代は同じような2枚組みのライブ・アルバムが次々と登場した。

特に、1978年に出されたアイルランド系のロック・バンド、THIN LIZZYが出したLIVE AND DANGEROUSはよく出来たライブ・アルバムだと思った。

ほんと!かっこいいライブ・アルバム。

しかしながら、当時このアルバムのプロデューサー、トニー・ビスコンティによると、当アルバムに使用された実際のライブ音源は主なところではドラムや観客のノイズなどで、全体の25%程度しか使われなかった。そしてライブにおいて不明瞭であったパートをスタジオで再録し、ライブ音源とミックスしこのレコードを完成させたと言っていた。

一方THIN LIZZYのマネージャーは、これには反対の意見を唱え、75%が実際のライブ音源を使い、一部のバック・ボーカルやソロ・ギターを取り直し、マスター・テープに録音された雑音を消したとの事。

どちらの話が正しいのかは分からないが、両者とも、その道のプロ編集によるライブの雰囲気を味わいながら、且つクリヤーで演奏ミスの無い音源を楽しんで欲しいと言うことであろう。

このアルバム以外に、KISSのALIVEやALIVE II(いろいろ加工したみたい)、 CHEAP TRICKのLIVE AT BUDOKAN(バック・ボーカルとギターのソロ・パートに一部の差し替えアリ)、そしてJUDAS PRIESTのUNLEASHED IN THE EAST(ボーカルの差し替えの箇所アリ)なんかにも、スタジオでの再録の音源と差し替えられている箇所があるようだ。


大枚はたいて買ったライブのダブル・アルバムの音質がブート並みの音質だった事が分かったときのガッカリ感。

反対に、ライブ音源はバンドの実演の記録であるのだから、多少音質に問題が有っても生の音を尊重すべきで、オーバー・ダブは控えるべきだと言う正統派。

まあ、これについてはいろいろな意見があると思うが、この判断はリスナーに委ねられる事柄だと思う。

さらに、オーバー・ダブ以外にも、ライブに於いて多くのSE(SOUND EFFECT)が使用され、実際に演奏していないことに対する不満なんかもある。

大昔アメリカにいた時、ELOが西海岸でOUT OF BLUE発売後のツアー中に、そのような不評があったのを覚えている。


確かに、ギター、ベース、キーボードとドラムの4人に3人の弦楽器が加わっただけの編成では、SEなしで彼らのスタジオ録音でのリッチな演奏の再現は厳しい物があったと思う。

最近ロンドンでELOのEFF LYNNが懐メロ・コンサートを行っていて、オーケストラと多くのサポート・ミュージーシャンを使い、音に厚みを出して、結構スタジオ録音に近い形で演奏していた。これに関してはレコード通りの演奏で、一緒に歌うことが出来好感が持てる。


そして、QUEENのLIVE KILLERSで演奏されていたボヘミアン・ラプソディーは、SEなしではオペラチックな箇所の再現は4人では到底不可能だったといえる。


つまり、個人的には工夫を凝らし加工されたライブ盤は、それが楽しめるのであればあまりとやかくは言わないという考えである。

そう考えると、パープルのLIVE IN JAPANは凄いの一言。


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