バンドとしてのレコーディングやツアーに長い間縛られお疲れ気味だったハンブル・パイの面々。
当時、リーダーのスティーブ・マリオットはバンドとは別の個人的なレコーディング・セッションを行なっていたそうな。
それ故レコード会社としては待てど暮らせど、バンドとしての作品が出てこないのに痺れを切らせ、かってストーンズをプロデュースしたアンドリュー・オールダムにそれまでに録音された様々なテープを預けハンブル・パイとしてのアルバムをまとめ上げさせた。
出来上がったアルバムが、1975年初頭に出た通算9枚目のアルバム、Street Rats。
当時ネガティブなレヴューもありまたメンバーも彼らの意図に反したその出来にかなり不満を持っていたらしい。最後の曲、Queen And Nunsでスティーブがアンドリュー・オールダムに一言皮肉っぽく文句を垂れているのが印象的。
タイトル曲のStreet Ratsはハンブル・パイの力強さが出た魅力あふれたかっこいい作品だが、実はスティーブがハンブル・パイのメンバー以外と録音した作品だし、チャック・ベリーのRock And Roll Musicやビートルズ作品(3曲)、などとビートルズ関連カバーの多さはちょっと安易だったかも?
ただ個人的には割とあっさりした感じの彼ららしい作品で今でも愛聴盤でもある。
もう少しレコード会社がこのメンバーでのアルバム制作の猶予を与えてあげれば、このアルバムが出た後即解散発表てな事にはならなかったかもね…