里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

クロカンパークで咲いていた花達

2010年05月31日 | 山野草
クロカンパークには、ヒメザゼンソウの他に特に珍しいものは無かった。
しかし、次の2種類には少し興味を感じた。
ひとつはミヤマニガイチゴだが、ニガイチゴより深山で生育している種で、本来は近畿
以北で見られる植物なのに、西城町では見られ珍しいのだそうだ。

もうひとつはタチシオデで、花全体が面白い形をしている! 
これとは別種のシオデは、山のグリーンアスパラガスと呼ばれ、
・新芽や若葉を天ぷらにしたり、
・軽く茹でて水にさらし、おひたしや和え物、バター炒めなどで食べる事が出来る
と言う。 何時か食べてみたいと思っているのだがなかなかチャンスが無い。

ミヤマニガイチゴタチシオデ

あとはお馴染みさんばかりだが、里ではもう花が終わっているというのに、クロカンパ
ークでは今が花盛りだ。
キンランササバギンラン
ジエビネチゴユリ
フデリンドウヒメハギ



クロカンパークのヒメザゼンソウ

2010年05月30日 | 山野草
5月2日の観察会では全く花の咲く気配の無かったヒメザゼンソウ。
講師の開花予想では5月15~20日という事だったので、15日に行って見たが空振
りの2アウトになってしまった。 
そこで性懲りも無く3度目の偵察に行って見るとようやく咲いていたが、ザゼンソウに
比べて遥かに小型の花だった(→)!
葉はまるで大型のホウレンソウのように見えるが毒草だそうで、何故かこの葉を冬眠か
ら覚めたツキノワグマが食べるという。 クロカンパークでも目撃したそうだが、その
時期には余程食べ物がないのだろうか?
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ヒメザゼンソウ、姫座禅草(サトイモ科、ザゼンソウ属)
北海道や本州の日本海側に多く、山地の湿った林内や沢沿いで自生する多年草。
葉は卵状長楕円形で長い葉柄の先につき、ウバユリの若葉やホウレンソウの姿に良く似
ている。
初夏になると葉は枯れて開花するが、花序の長さは約1cmで、それを暗紫褐色で長さ
3~5cmの頭巾のような仏炎苞で覆っている。 果実は翌年の初夏に熟す。


白花ニワフジ?

2010年05月28日 | 花 木
友人に貰ったこの花、フジのような花が咲くのだが、ツルは伸ばさず木性のようだ。
調べて見ると、どうやらニワフジ(マメ科、コマツナギ属)の白花種らしい?

ニワフジ(マメ科、コマツナギ属)、別名:イワフジ
本州西部以西で川原などに自生する落葉小低木。 樹高は30~60cm。
複葉で、長さ1.5cmの小葉を7~11枚つける。
花期は5~6月で、通常は紅紫色の花をつけるが、まれに白花も咲く。

〔参考〕藤に似た花をつける自生種の例
 マメ科、フジ属
  ・シラフジ       …白色の花
  ・フジ  (ノダフジ) …紫色の花
  ・ヤマフジ       …  〃

 マメ科、ナツフジ属
  ・ナツフジ(ドヨウフジ)…淡黄白色の花

 マメ科、コマツナギ属
  ・コマツナギ      …淡紅紫色の花
  ・チョウセンニワフジ  …紅紫色の花
  ・ニワフジ(イワフジ) …紅紫色の花(まれに白花)


カザグルマ

2010年05月27日 | 庭の山野草
1ヶ月ほど前に、“道の駅”で買って来たカザグルマが咲いた(→)。
場所によって花の大きさや色の変異が大きいというが、この花は白に近い淡紫色だ。

このカザグルマや、中国のテッセンを元にしてクレマチスをつくり出したそうだが、
今では自生しているものは少ないそうだ!
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カザグルマ、風車(キンポウゲ科、センニンソウ属)
本州以西で、低山の日当たりの良い場所に自生するツル性の多年草。
茎は木質。 葉は3枚の小葉からなる複葉で、その葉柄を周囲の物に巻きつけて伸びる。
花期は5~6月で、前年の葉腋から伸びた枝の先に、径が7~15cmの白又は淡紫色の
花をつけるが、花弁に見えるのは実はガク片で8枚ある。
〔名前の由来〕
花が子供の玩具の“風車”に似ている事から名づけられた。


ワニグチソウ

2010年05月26日 | 山野草
上下町へ、自生している“ワニグチソウ”を見に行って来た。
花を包んでいる苞が、神社やお寺にある平べったい鈴(鰐口)に似ている事から名づけ
られたというが、そんな感じがしなくもない。

未だ蕾だったが、開花と言っても先端が僅かに開く程度らしい。
ネットで見ると「広島県では非常に珍しい」と書かれていたが、一見すると茎が枝分か
れしていないホウチャクソウに似ているので、例え生えていても“鰐口”が無かったら
見逃してしまっただろう!

ワニグチソウ、鰐口草(ユリ科、アマドコロ属)
沖縄以外で、林内や林縁に自生する多年草。 草丈は、20~40cm。
葉は、長さ5~10cmの卵状楕円形で、裏面は粉白色。
花期は5~6月で、葉腋から伸びた花柄の先に、通常2個の苞に抱かれるように、淡緑
色の筒型の花が2個、先端だけ僅かに開く。
〔名前の由来〕
苞の形が、神社やお寺にある鰐口(平べったい鈴)に似ている事から名づけられた。


イチヨウラン

2010年05月25日 | 庭の山野草
ヤフオクで買ったイチヨウラン、23日に岐阜県から鉢植えで送られて来た蕾が、瀬戸
内海の暖かい気候にビックリしたのか一気に咲いてしまった(→)。

草丈15cm足らずの小型のランで、一寸見にはシュンランに似た地味な感じの花をつ
けるが、東京山草会の“ふやして楽しむ野生ラン”という本を見ると、
「湿度不足と暑さを嫌い、性質も弱く、寒冷地でも長期栽培は出来ない」
と書かれている。
素朴で好きなタイプの花なので、何とか来年も花を見られるように挑戦してみたい!
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イチヨウラン、一葉蘭(ラン科、イチヨウラン属)
全国の亜高山帯で、林内の苔の中に生える小型の地生ラン。
葉は1枚で、長さ3~5cmの卵状円形。 
花期は5~7月で、根元から10~20cmの花茎を伸ばし、その先へシュンランに似た淡緑
色の花を横向きに1個つける。 
〔名前の由来〕
葉が一枚である事から“一葉蘭”と名づけられた。


水草の繁殖力

2010年05月24日 | 庭の山野草
先ず、けたたましいのがアサザ(ミツガシワ科、アサザ属)。
茎の途中から根を伸ばしてそこから新たな株を作るだけではなく、種を落としてはそれ
からも発芽しているらしい。 
そのせいで、1年も経たないうちに鉢の中はジャングルになってしまう!

初見参のトチカガミ(鼈鏡、トチカガミ科トチカガミ属)もアサザ同様に繁殖し、小さな
小川などは水面が見えなくなるほどだそうだ。 
そもそも名前からして鼈(スッポンの事)の鏡というほどだから、如何にも精力があり
そうだ。
長い根を伸ばして浮かぶ葉冬  芽

次は、ジュンサイ(スイレン科、ジュンサイ属)。
花を見たい為に、昨年先輩から長さ10cm位の冬芽(?)を貰って植えたのだが、花が
咲いているのを見た覚えは無いのに水底から沢山発芽し、そこから葉柄を伸ばしている。
長い葉柄の先に浮かぶ葉上:滑りのある若葉、下:冬芽(?)

ヒツジグサ(スイレン科、スイレン属)も逞しい。
一昨年購入したのだが、水底を見ると小さな芽が沢山出ている。引っこ抜いてみると、
未だ根元に種をくっつけている子供だ。
大きさが数cmの花ヒツジグサの子供

その他にもスイレン属の花が咲いているが、これも別の意味で逞しい。
6号鉢に植えっ放しにしていてもそこから根茎を伸ばして鉢の外へ脱出し、そこで沢山
の根や葉をを出して花を咲かせる。



変な花 “ジガバチソウ”

2010年05月23日 | 庭の山野草
ヤフオクで買ったジガバチソウが咲いた。
クモキリソウの仲間だけあって葉の形は良く似ているが、大きさはかなり小さい。

肝心な花だが、名前の由来となった“ジガバチ”の姿にはあまり似ているとは思えない
が、先入観からか雰囲気は何となく似ているような気がする。
それにしてもこのクモキリソウ属、クモキリソウ・ジガバチソウ・スズムシソウなどの
虫の姿に似た花をつけるものが多い。 その理由が不思議でならない!

〔ジガバチソウ→拡大〕
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ジガバチソウ、似我蜂草(ラン科、クモキリソウ属)
全国で林内に自生する多年草。 草丈は10~20cmで、地下に球形のバルブがある。
葉は2枚で根生し、長さは3~8cmほどの卵形で縁は細かく波を打つ。
花期は5~7月で、長さ3~8cmほどの花序に10~20個の花を付けるが、花の色
は緑色から黒褐色のものまで変異がある。
〔名前の由来〕
黒色の花がジガバチに似ているとして“ジガバチソウ”と名づけられたが、姿はあまり
似ていない。


超地味なラン “ヒトツボクロ”

2010年05月22日 | 庭の山野草
昨年の7月に、クロカンパークの植物観察会で花後に実をつけているのを初めて見て、
どんな花が咲くのか興味が湧いてきたので、3月にヤフオクで買ったみた。
偽球茎と伸び始めている花茎葉裏

そして、ようやく花が咲き揃ったが、何と噂に違わず“超小型”で、“超地味”な花
(→)だった。 
しかも、大きさが数mmしかない花なのに、生意気にもランの特徴を全て備えていた!
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ヒトツボクロ、一黒子(ラン科、ヒトツボクロ属)
本州以西のやや乾いた林内に生える多年草。 偽球茎から1枚の葉と花茎を出す。
葉は長卵形で長さ4~7cm。 表面の中央には白い線が入り、裏面は紫褐色。
花期は5~6月で、15~25cmの花茎に数mm位の大きさの黄褐色の花を5~15個
まばらにつける。


地味なラン “キンセイラン”

2010年05月21日 | 庭の山野草
今年の2月にヤフオクで買った“キンセイラン”の花が咲いた。

昨年の6月20日に庄原市のKさんの山で見せて貰って以来、気に入って購入したのだ
が、期待した通りの地味な花だった! こういった素朴な花の方が、長く栽培していて
も飽きが来ないので好きだ。

キンセイラン、金精蘭(ラン科、エビネ属)
北海道・本州・九州で、深山の林内に自生する多年草。 草丈は15~50cm。
葉は幅3cm×長さ15~20cmの披針形で数枚つく。 
花期は7月。 花序は10~20cmの穂状で花はまばらに十数個つく。
がく片は緑色で披針形に広がり先が尖っている。 側弁も緑色の細い披針形で、
中央の唇弁がまっすぐ立ち先が三つに分かれ、基部には茶色の筋がある。
(名前の由来)
花の形と色合いから“金精蘭”と名づけられた。