里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

黄花ヤマシャクヤクの花

2011年04月30日 | 庭の山野草
山野草栽培の師匠から貰った“黄花ヤマシャクヤク”の初花が咲いた。
開花直後だけクリーム色で、その後は白くなってしまうのだが、それでもヤマシャクヤク
の世界では“黄花”と呼ぶらしい?

開花直後の花は1・2枚目の右側と3枚目で、開花後白くなってしまった花は1・2枚目の
左側だが、写真に撮ると黄色が飛んでしまって白く見えてしまう。  微妙な“黄花”だ!





ミチノクフクジュソウの実生

2011年04月28日 | 山野草の繁殖
昨年3月に、青森から“ミチノクフクジュソウ”を入手したが、以前に神石高原町(油木町)
で入手した“ミチノクフクジュソウ”と少し様子が違うようだ。
共に茎の断面は中空でミチノクフクジュソウの特徴を示しているが、油木町で求めたもの
の方がやや小型で花弁の数も半分以下だ。 産地の差なのかどうかよく分らない?  
葉と花の比較(左:油木町、右:青森)
油木町青 森

それは兎も角、その青森産の種がボロボロ落ち始めたので実生を試みた。
H22.4.26、稔り。
実が重くなって花茎が垂れ下がり、
H22.4.26、播種。
種が落下し始めたので、植土にバラマキ約1週間放置。
フクジュソウの種は未熟な状態で落下するが、直ぐに覆土すると黴が生えて駄目になるので、湿った地面の上である程度成熟させて覆土し、その後も乾燥させないようにして管理するのだそうだ。
H23.3.27、発芽。
発芽率は低いが、双葉の両端まで3cm近くもあり大きい。
開花は播種後4年目だというが、油木町で入手したものは丸5年で開花した。
山野草はいずれも息が長い!

〔フクジュソウの種類と特徴〕
3種の相違点キタミフクジュソウフクジュソウミチノクフクジュソウ
分   布北海道日本全国東北・中部・九州
花弁(外)の色紫~黒紫色を帯びる紫~黒紫色を帯びる先端が赤褐色を帯びる
ガク片の数6~12枚5~10枚殆どが5枚
ガク片の長さガク片≧花弁ガク片≦花弁ガク片=花弁×1/2~2/3
ガク片(外)の色紫~黒紫色を帯びる紫~黒紫色を帯びる緑~黒緑色を帯びる
茎の断面中まで詰まっている中まで詰まっている中  空



ミミカキグサの実生

2011年04月27日 | 山野草の繁殖
ヤフオクで、ミミカキグサムラサキミミカキグサの種を買い、実生に挑戦した。
H23.4.22、種を購入。

種はムラサキミミカキグサより若干大きいようだが、非常に小さくて微塵である事にはかわりがない。
H23.4.22、播種。

ムラサキミミカキグサと同様に、
6号鉢へミズゴケを入れ、鉢ごと腰水にした状態で種を振りかけた。
種が小さい為に、如雨露で水をかけると流れてしまうので、以後も腰水で管理するのだそうだ。
 ※画像は、ムラサキミミカキグサのもの

ミミカキグサ、耳掻き草(タヌキモ科、タヌキモ属)
本州以西の湿原に自生する多年草で、地下茎についた捕虫嚢でプランクトンを捕食する。
泥中に細い地下茎があり、その節から根と5~8mmのヘラ形の葉が伸びる。
花期は8~9月で、高さ10cm程度の花茎を伸ばし、その先に径が4mm位の黄色の花を数個つける。
〔名前の由来〕
花後に残った果実の形が耳かきに似ている事から“ミミカキグサ”と名づけられた。


オサバグサ

2011年04月26日 | 庭の山野草
ヤフーのオークションでオサバグサを出品していたが、画像でみるとどう見てもシダにしか
見えないのに小さな可愛い花をつけている。

面白そうなので買ってみたが、実物を見て改めて驚いた。 どう見てもシダだ!
残念ながら花は散りかけで少ししか残っていなかったが、シダの葉に凡そ不釣合いな可愛
い花をつけている。  世の中には珍しい植物があるものだ!



オサバグサ、筬葉草(ケシ科、オサバグサ属)
中部地方と東北地方の高山帯の森の中に自生する多年草。 草丈はさ20~30cm。
葉は、長さ10-20cmで根元から何枚も出ていて、シダの葉に似ている。
花期は5~8月で、長さ20~30cm花茎の先に、小さな4弁の白い花を総状につける。
〔名前の由来〕
葉を縦に切った形が、機織の筬(おさ)に似ている事から“筬葉草”と名づけられた。


小堀の賀茂神社

2011年04月23日 | 神 仏
河井のカタクリを見終わって福塩線の上下駅へ向かったが、その途中に面白い標識が
あった。
一つは“塞峠”という標識だ。 何と読むのか、何故そのような名前を付けたのかは分ら
ないが、「開通している峠が塞がっている」とは、まるで謎々みたいだ。


もう一つは、この峠が“分水嶺”である事を示す標識で、上下町では至る所に立っている。
上下町のキャッチコピーは“日本の背骨”と言うそうだが、町内の各地に降った雨は瀬戸
内海に流れたり或いは日本海へ流れたりするので、言い得て妙なキャッチコピーだ。


更に進むと“賀茂神社”というのがあった。

神社の由来や祭神の説明などはなかったが、徳川家の葵の家紋が逆になった形の神紋
は、帰って調べて見ると“丸に尻合せ三つ葵”と言うのだそうだ。
多分、京都の賀茂神社から分祀したのだと思うのだが、それにしては賀茂神社の神紋は
双葉葵”だし、私にとっては謎の神社だった! 



“河井わくわく共和国”の白花カタクリ

2011年04月22日 | 山野草
昨日は、府中市上下町小堀の河井地区へ白花カタクリを見に行って来た。

自生地に到着。 案内図を見ると、一帯は“河井わくわく共和国”と言うらしい。



気もそぞろに右手の山の斜面へ登って行くと、山は北向きの斜面らしく日当たりの悪い所
は未だ殆ど蕾だったが、日当たりの良い所へは沢山のカタクリが咲いていた!




さて、いよいよ谷の奥まった所に自生している“白花カタクリ”に御対面だ。
何と、有刺鉄線に囲まれていた! 何しろ、私が改良園で買った物でも1球が13,800 円
もしたのだから、それも止むを得ないのかもしれない!


ところがダッ、中を覗き込んで見ると普通のカタクリが咲いているだけで、白花カタクリは
見当たらない。 どうやら、この1株がそれらしいが、残念!


平地に下りて駐車場の方へ帰ってくる途中には、こんなでかいウサギがいた。
白花カタクリには出会えなかったが、共和国の皆さんとウサギに1日楽しませて貰った!



ハラン(ユリ科、ハラン属)の開花

2011年04月19日 | 山野草の繁殖
Rohman さんのブログで初めて花を見たが、今年こそは実物を見たいと思って気をつけていた。
H23.4.11、蕾。
ついに、蕾をつけているのを見つけた!
約1.5cmの大きさで殆ど地面に埋まっていた為に、今まで見つからなかったのだ。
Wikipedia によれば、今までカタツムリやナメクジにより授粉されるとの仮説を提唱した植物学者がいたが、1995年に日本の研究者がヨコエビがこの種の花粉を媒介する事を示したそうだ。
H23.4.19、開花。
遂に開花したが実に気持ちが悪い花で、まるでエイリアンが口を開けて喰いつこうとしているように見える!



福泉坊のシダレザクラ見物

2011年04月10日 | 花 木
昨日は、新聞記事に釣られて、福泉坊のシダレザクラ見物に出かけた。
一帯は“平家谷”と呼ばれ、今も平家の末裔達が住んでいるらしい。
狭い谷の入口には赤幡神社があり、その境内には平家谷の由来が書かれていた。

暫く進み福泉坊への分岐で細い坂道を登って行くと、

福泉坊裏手の駐車場に到着。
お目当てのシダレザクラは福泉坊の裏にあり、福山市の保護樹木に指定されているよう
だが、幹周り1.7m、樹高12mのエドヒガンは樹齢が250年とは思えないほど樹勢があり、
若木と言ってもよいほど痛みのない木だった!

駐車場の脇では“梟の石絵”なるものが展示してあり、どうやら販売もしているらしい。

福泉坊の横手には、“小宰相の局(平通盛の妻)”の墓があった。
この福泉坊の由来は、
『平通盛の遺子・平秀盛から15代目に当る平秀裔が、京都本派本願寺・顕如上人の時
 に仏門に入って名を秀円と改め、天正10年(1583年)に平家歴代の菩提を弔う為に
 “月高山福泉坊”を建立した。
 現在の住職は、秀円から15代目に当る』 のだそうだ。
本来なら、我々のような備後の水呑み百姓の立ち入れるような場所ではなさそうだ!


次に、通盛神社に向かった。
先ほどの分岐まで戻って右折して“ツバキ谷”に向かうと、正面の丘の上にあった。
由来を読むと、
『平通盛(教経の兄で清盛の甥)と妻・小宰相局の木造が祀られ、平家谷の氏神である。
 旧暦8月13日の祭礼には、海戦で命を落とした平氏の魂が宿る“平家蟹”が能登原の
 海岸から山をよじ登って参拝に来たと語り継がれている。
 嘗ては、藁で編んだ笠を被り、顔を隠して踊る“すぼかずき”という素朴な踊りが奉納さ
  れていた。
  社殿の脇にある自然石が苔むす小さな墓は、通盛主従のものと伝えられている』
と言う。

何だか、全てが“負け組”を象徴しているようで、社殿にぶら下がった赤い紙垂(しで)や
墓の前に立てられた赤い御幣が物悲しく感じられた!





ウスバサイシンの実生

2011年04月09日 | 山野草の繁殖
昨年5月に油木百彩館でウスバサイシンを購入した。
全国のやや湿った林内に自生する多年草で、葉が薄く、根が細くて味が辛い事から
薄葉細辛”と名づけられ、根茎を細辛という生薬(解熱、鎮痛)に用いるという。 
ウスバサイシン(全容)ウスバサイシン(花の横顔)
ウスバサイシン(花の正面)カンアオイ(花の正面)

カンアオイ属、ウスバサイシン属などと書かれているが、いずれにしてもカンアオイに良く
似ていて、ナメクジやカタツムリが花粉を媒介する事から“カタツムリ媒”という用語もある
と言い、面白そうなので実生に挑戦した。
H23年4月開花。
昨年5月に買ったものだが、今年も元気に育っている。
ところが未だ花が成熟していないのに、ナメクジが這って粘液をくっつけている。
よほどナメクジの好物らしい。
昨年(H22年)6月にも、ナメクジが群がって、ウスバサイシンの花を跡形も無く食べてしまった!
その後に転がっていた種を、今度は蟻がやって来てこの種を巣に持ち帰り表面に付着している成分だけを食べ、やがてその場所で種から芽が出て来るという寸法らしい。 自然は複雑だ!

蟻に代わってH22年6月に播種。
H23年4月発芽。
短い茎からV字型に葉柄が立ち、2枚の葉の両端まで約3cmもある。



ウラシマソウのグレムリン?

2011年04月07日 | 庭の山野草
H19年に買って植えっぱなしにしておいたウラシマソウが、毎年親株を取り巻くように
子株が殖えて随分賑やかになってしまったので、植え替える事にした。
ところが掘り出してみると、大きいのから小さいものまで沢山の小芋が出て来た!

よく見ると大きな芋にコブのような小芋がくっついて、これが毎年親芋から離れて周囲を
取り囲んでいたらしい。

これを見て、映画の「グレムリン」を思い出した。
「息子のクリスマスプレゼントに、モグワイという小動物を買って帰り、ギズモという名前を
 つけて可愛がっていたが、息子が飼う為の三つのルールを破ったので、ギズモの背中
 から幾つものグレムリンという分身が現れて悪質な悪戯をする」
というストーリーだ。
さて、我が家のグレムリン、どんな悪戯をしでかすのだろう?