里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

タヌキモ、越冬後

2012年03月30日 | 庭の山野草
H23.10.13、苗購入。

山地の沼などでタヌキモの花を見かけるが、なかなか画像を撮るのが難しい。
そこで、自宅で育てて花を咲かせ、画像を撮る事にした。

このタヌキモ、
根は無いが、葉には至る所へ透明感のある捕虫嚢がついていて、水中のプランクトン等を捕食するというから逞しい!

茎の先端には越冬芽が出来ている。
やがて、茎や葉は枯れて越冬芽だけが残って越冬した。
H24.3.29、越冬芽から成長。

球形の越冬芽が、何時の間にか捕虫嚢がたくさんついた成株に生長していた。

タヌキモ、狸藻(タヌキモ科、タヌキモ属)
全国の湖沼で自生する多年生の水生食虫植物。
根は無く水中に浮遊している。 葉は互生し先が小さく裂け、多数の捕虫嚢をつけていて
プランクトンなどを捕らえて食べる。
花期は7~9月で、花茎を立ち上げて先端に約1cmの黄色花を総状につける。
晩秋に越冬芽を作って水底に沈んで越冬後、翌年また葉を展開する。
〔名前の由来〕
茎の先に葉が房状についている様をタヌキの尾に見立てて、タヌキモと名づけられた。

津軽半島産のタヌキノモの仲間の特徴
4種類があるが、コタヌキモは小さくて繊細。
その他の3種類はコタヌキモよりやや大型で、3種類とも外見は良く似ているが花茎
の断面などに違いがある。
名  称
花    茎
オオタヌキモ中空で中心の穴が1.0mm前後
タヌキモ中空で中心の穴が0.3mm前後
イヌタヌキモ中まで詰まっている



ヤマユリの実生、発芽

2012年03月29日 | 山野草の繁殖

H22.11.12、播種。

園芸店主に聞くと、
「瀬戸内海地方でも育つ」
と言うので、実生を試みる事にした。
H24.3.29、発芽。

播種後1年4ヶ月でようやく発芽した。
未だ1枚葉で、葉の長さは約3cmだ。

開花するまでには、播種後約5年かかるらしいが、先は長い!

ヤマユリ(ユリ科、ユリ属)
近畿地方~東北地方で、日の当たる山野や疎林の中に自生する多年草。
草丈は1~1.5m。 葉は長さ10~15cmの長楕円形で互生している。
花期は7~8月で、茎の先端に径が23cm前後の漏斗状の花を横向きに1~20個つ
ける。 白色の花弁は6枚で先が反り返っていて、黄色の筋と赤褐色の斑点がある。
むせ返るような強い芳香があり、鱗茎は径が約10cmで古くから食用にされている。
欧米などで品種改良に使われ、有名なカサブランカはこのヤマユリとカノコユリを
交配して作られた。
〔名前の由来〕
山で良く見られるので“山百合”と名づけられた。


ルイヨウボタンの実生、丸2年で展葉

2012年03月24日 | 山野草の繁殖
H22.3.11、播種。

果肉を取り除いた種は、直径が6mmくらいでとても硬いが、そのまま播種した。

 ※画像は実
H23.05頃に、
発根したが、その後も、茎の先に種の殻を被ったままの状態が長く続いた。

H23.10頃に、
殻が外れたものの、展葉しないままで越年した。
H24.3.24、展葉。

ようやく葉が開いた。
1回3出複葉で、茎の高さは3.5cmしかない。
この分だと花は当分望めそうにない!

ルイヨウボタン、類葉牡丹(メギ科、ルイヨウボタン属)
北海道から九州で、広葉樹林下に自生する多年草。 草丈は40~70cm。
葉は、茎の上部に2枚互生し、2、3回三出複葉でボタンに似ている。
花期は4月~6月で、花の直径は約1cmで淡黄緑色。
外側にある6枚はガク片。 その内側にある小さな耳かき状の6枚が花弁で、雄しべが
重なるようにくっついている。  秋になると、径が約8mmで藍色の実をつける。
〔名前の由来〕
葉の形がボタンに似ている事から“類葉牡丹”と名づけられた。


トモエソウの実生、発芽約1年後

2012年03月21日 | 山野草の繁殖
登山をしていても、トモエソウは少し湿った所へ生えている事が多く、撮影するのが難しい。
と言う訳で、実生で花を咲かせて見る事にした。
H22.10.15、播種。

ヤフオクで種を買って播種した。
H23.5.6、本葉2枚。

余りにも小さいので双葉が出た時には気がつかなかった。
発芽率は極めて低いが、5月末頃になっても発芽しているようだ?
本葉2枚の両端までの長さは5mm位しかない。
H23.5.20、本葉6枚。

対生している葉の両端までの長さは約1cmで、草丈は約2cmしかない。

自然界でこんなチビが生長するのは大変だが、我が家のチビ達は年末に地上部が枯れるまでの間に、草丈は15~40cmに伸びた。
H24.3.18、活動再開。

枯れた茎の株元から何本も新芽が出てきて、いよいよ成長を始めた。
今年は花が咲くかも…?

トモエソウ、巴草(オトギリソウ科、オトギリソウ属)
北海道~九州で山地の日当たりのよい草地に自生する多年草。 草丈は50~130cm。
葉は細長い楕円形で、茎を抱いて対生する。
花期は7~9月で、茎や枝の先に径が5cmくらいの5弁で黄色の1日花をつける。
〔名前の由来〕
花の形が巴形をしている事から“巴草”と名づけられた。


コバイモの花

2012年03月20日 | 庭の山野草
私の住んでいる地方にはホソバナコバイモがたくさん自生しているが、我が家でも今
花盛りだ。 昨年購入した素心花も開花したが、自生しているのは未だ見た事がない。
ホソバナコバイモホソバナコバイモ(素心花)

その他には、アワコバイモが咲いている。
コバイモの仲間には産地の地名を冠したものが多いが、どうやら広範囲に拡散され
ずに、限られた地域だけで育つ植物らしい?
ミノコバイモミノコバイモ
イズモコバイモイズモコバイモ
ホソバナコバイモホソバナコバイモ
アワコバイモアワコバイモ

〔コバイモの種類と特徴〕
名  称
自生地
花の形
花 被 片
葯の色
コシノコバイモ主に北陸地方広い釣鐘形暗紫色の斑紋があり、縁にギザギザあり白 色
カイコバイモ主に富士山周辺椀  形淡紫色の網目状の斑紋がある白 色
ミノコバイモ東海地方広い釣鐘形紫褐色の網目状の斑紋がある白 色
イズモコバイモ島根県椀  形赤紫色の条線がある白 色
ホソバナコバイモ中国・九州地方細い釣鐘形淡い暗紫色の条線がある白 色
アワコバイモ四国地方広い釣鐘形暗紫色の網目模様があり、色が濃い黒紫色
トサコバイモ四国地方・熊本細い釣鐘形暗紫色の網目模様がある黒紫色
 ※椀形:花被片の肩の部分がなで肩。 広い釣鐘型:花被片の肩の部分が尖っている。
 ※花被:萼と花びらが同じように見える場合、ひとまとめにして花被と呼ぶ。


アズマレイジンソウの実生、発芽

2012年03月18日 | 山野草の繁殖
H23.11.24、播種。

ヤフオクで種を買って採り播きした。
順調に行けば、来年の春に発芽し、4年目に開花するらしい。

葉焼けを起こしやすいので、鉢植えの場合は1年中半日影に置くのが良いそうだ。
H24.1.7、発芽。

いつの間にか双葉が発芽していた。
どうやら昨年末近くに発芽したらしいが、今は双葉の両端までの長さが約1cmくらいになっている。
H24.3.18、本葉2枚。

双葉の先端までの長さは約3cmになった。
本葉も2枚出てきて対生しているが、葉は5裂している。

アズマレイジンソウ(キンポウゲ科、トリカブト属)
関東~中部地方の主として日本海側で、山地の林内や林縁に自生する多年草。 
直立又は蔓性で草丈は80~100cm。  
根元から出ている葉には長い柄があり、一見してゲンノショウコに似ているが、茎に付く葉は小さく葉柄は短い。
花期は8月~10月で、トリカブトに似た形で長さが2.5~3cmの淡紅紫色の花が総状につき、下から順に咲く。
〔名前の由来〕
花の形が雅楽を奏でる伶人の冠に似ていて、関東地方に多い事から
アズマレイジンソウ=東伶人草”と名づけられた。
アズマレイジンソウの花アズマレイジンソウの花、アップ
アズマレイジンソウ(根生葉)タンナトリカブトの花



東日本大地震における災害廃棄物の広域処理

2012年03月10日 | その他
3月6日の朝日新聞に、環境省が2ページにわたる災害廃棄物広域処理の全面広告
を載せた所、早速、長野県知事が『国が情緒的な広告を載せるのはいかがなものか
と批判したそうだ。                       ※画像は朝日新聞から引用

ネットで見ると、この他にも、
 ・廃棄物発生県で処理すべき、そうすると雇用確保にもつながる。 
 ・従来の、放射性廃棄物に含まれる放射性セシウム合計の基準は、
  「焼却前後共に、100Bq/kg以下とし、年間の被曝量を10μSv/年に抑える」
  としていたのに、
  「償却前の対象を240-480Bq/kg以下とすると、焼却後の濃度は8,000Bq/kg以下
   となり、これを地中に埋設・覆土すると年間の被曝量を10μSv/年に抑えられる」
  として基準を緩めているが、これでは汚染が全国に広がる恐れがあるのでは?
 ・風評被害や健康に対する懸念から、住民の反対があり受け入れられない。
 ・引き受けようにも余力がない。
などと否定的な考えが多く、現在引き受けているのは東京都山形県だけらしい。

環境省が広域処理を呼びかけているのは、こういった反対意見に対して協力を呼び
かけているもので、その内容をHPで覗いてみると、福島県を除く岩手県宮城県
の放射性セシウム含有量の低いものを各地で処理して欲しいらしい。

夫々の反対意見には、もっともな点もあるが、どうかと思われるものもある。
私としては、平常時ならともかく、事が非常時だけに日本全体で何とか早く相談して
解決すべきだと考える。
このまま災害廃棄物を野積みしているようでは、被災地の復興もままならず、そんな
風景が何時までも全世界に報道されるようでは日本に対する信頼も低下してしまう。
後ろ向きの考えばかり主張せずに、何とか世界を納得させるような前向きの議論を
して欲しいものだ!

〔岩手県と宮城県の災害廃棄物の量とセシウム濃度(Bq/kg)〕…環境省HPから引用
県 名
廃棄物量
広域処理希望量
岩手県
約 476万t(11年分)
57万t
宮城県
約1,569万t(19年分)
344万t
県 名
久慈市
野田村
宮古市
陸前高田市
気仙沼市
石巻市
名取市
岩手県
ND
ND
69
104
宮城県
107
101
170



総領町のセツブンソウ見学

2012年03月08日 | 山野草
今日は、総領町のセツブンソウを見に行って来た。
先ず“光のドーム”で、ボランティアガイドに色々なセツブンソウの花芸を教えて貰った。
青軸白色花桃色花
桃色のボカシ花赤色に近いボカシ花

ガイドの話では「売店でセツブンソウを販売している」との事なので、早速行ってみたと
ころ、普通花と桃色花を売っていたので、桃色花2鉢とベニバナヤマシャクヤク(石鎚産)
1鉢をゲットした。
桃色花は、画像で見ると普通花(白色花)と同じように見えるが、実際には淡桃色だ。
セツブンソウ(桃色花)ベニバナヤマシャクヤク(石鎚産)

帰りに自生地-1に寄ってみたが、こちらには桃色や赤色のボカシ花が沢山咲いていた。
本当は、こんな濃色系の花が欲しかったのだが残念…!