里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

禁断の花、その後

2006年05月31日 | 庭の山野草
畑仕事をしていてふと気がつくと、全部抜いた筈のケシが又生えて来ている。
この前、保健所が置いて行ったビラを見ると、どうもセティゲルム種らしい。

自然界では天候の急変などで種が絶滅しないように、ある時期に一気に発芽する
様な事はせず、種によってはその年には発芽せず翌年発芽するものもあると言う
が、このケシも長年生き続けて来たからには相当な生命力があるのだろう。

まあいずれにしても、もうひとつの種類(ソムニフェルム種)より果実が小さく、
麻薬成分の含有量が少ないとは言え、違法である事にはかわりが無いので根気良
く引っこ抜いて行くとしよう。


ナス科の野菜

2006年05月31日 | 野 菜
たまには多少仕事をしている話題も紹介します。

今、畑ではナス科のジャガイモ、トマト、ナス等の野菜が花を着けているが、いず
れもナス科だけに良く似た花を着け、間近で観ると結構可愛い。
(ナス属)ジャガイモ(トマト属)トマト
(ナス属)ナス

しかし、このナス科の野菜達は個性的でかなりの曲者ぞろいだ。

先ず第一に、
何も処置をしないと、これらの野菜を植えた後は5~7年間空けてやらなければ連作障
害が起きるのだそうで、特にジャガイモは春と秋の2回作付けをするので、どこへ、いつ、
何を作付けしたか記録を残しておかなければならず、非常に厄介だ。

次は、ヨーロッパでデビューした時の扱い。
気の毒なのは、ジャガイモトマトで、どちらも16世紀に南米からヨーロッパに持
ち帰ったものの長い間毒があると信じられ、その間専ら観賞用として扱われていた
そうだ。
言われてみると、トマトはともかく、確かにジャガイモはてっぺんに可愛い花がま
とまって咲くので、観賞用として利用されていた事が分からなくも無い。

その次はナス
13世紀に原産地のインドからヨーロッパに持ち帰られたが、当初は薬用として利用さ
れ、イギリスでは観賞用として利用されていたらしい。
観賞用には今一の感があるが、少なくとも毒とは考えられていなかった分だけジャガイ
モ等よりましである。

野鳥、コルリ

2006年05月30日 | 動 物

昨日、ヤマツツジを見に行った帰りに隣町の龍頭の滝へ寄っ
てみた。落差60メートルほどで余り大きな滝ではないが、
何しろ付近の環境が良い。
山野草は豊富だし、野鳥も数多く居て美しい鳴き声を聞かせ
てくれる。
その日も、誰も居ない静かな渓谷をさかのぼって行く途中で
珍しい鳥を発見した。 スズメより少し小型で、腹は白色、
背中は瑠璃色のコルリ(ツグミ科)だ。
オオルリは木の梢で鳴いているのを良く見かけるが、コルリ
は昔小鳥屋さんで見た事があるだけで、自然界で見るのは始
めてであった。
残念ながら巣が傍へあったせいか警戒して鳴きたてるだけ
で、その美しい囀りを聞く事が出来なかったが、その番の
姿を見る事が出来ただけで十分 “感動した”。

所が、帰宅してTVニュースを見てガッカリさせられてしまった。
愛知県の「日本伝統引仮名口銘鶯保存会」と言うややこしい名前の野鳥愛好会が
ウグイスやホオジロの「鳴き合わせ会」開催中に摘発されたと言うのだ。
密猟した野鳥を違法に飼育していた疑いがあるとの事で、ウグイス、ホオジロ、
ノジコなど70羽ほどが押収されたそうだ。

やはり、いくら伝統があるとは言え、小鳥は自然界で「探鳥会」のような形式で
あるがままに楽しむべきで、良い囀りをする鳥を求めて捕獲し続けるのは褒めら
れた事ではない。 山野草にしても然りである。

近隣で咲くツツジ達

2006年05月30日 | 花 木
昨日はヤマツツジを見に行った。

広島県東部から岡山県西部にかけて生育するツツジ達は、
先ず、最初にゲンカイツツジが咲き、次に、コバノミツバツツジ、キシツツジ、
シロバナウンゼンツツジ、モチツツジが咲き、最後にレンゲツツジ、ヤマツツジ
が咲くが、ようやく最後のヤマツツジが満開となり、取りをつとめるだけあって
綺麗な花を見せてくれた。
このヤマツツジとレンゲツツジは、生育場所によってはかなり花色に差があるの
で、山歩きをしていてもどんな花に出会えるか楽しみだ。
ゲンカイツツジコバノミツバツツジ
キシツツジシロバナウンゼンツツジ
モチツツジ
レンゲツツジヤマツツジ


名    称花  期花の大きさ生 育 場 所
ゲンカイツツジ3/中~4/上3~4cm沿岸部の花崗岩の岩場
コバノミツバツツジ4/中~5/中3  cm赤松などの明るい2次林
キシツツジ4/下~5/上3~4cm県北の川岸
シロバナウンゼンツツジ4/下~5/上2  cm県北の花崗岩地域の谷や急傾斜地
モチツツジ4/下~5/下4~6cm赤松などの明るい2次林
レンゲツツジ5/下~6/中5~6cm県北の湿原や草地、明るい2次林
ヤマツツジ5/下~6/中3~4cm赤松などの明るい2次林


房状に咲くウツギ達の見分け方

2006年05月28日 | 花 木
ヒメウツギ、ミツバウツギに続いてようやくウツギが咲き始めた。

このウツギ達はいずれも房状の花を着け、一寸見ただけでは分かり難い様に見え
るが、意外に簡単に見分けられる。
一番分かりやすいのはミツバウツギ。名前の通りに小枝の先に3枚の葉をつける。
ヒメウツギとウツギは少しだけ難しいが、ウツギの方が茎や葉に毛が多く触った
時にカサカサした感じがする事と、葉の鋸歯(葉の縁の鋸の歯に見える部分)の
大きさが小さい事から見分ける。
(ユキノシタ科)ヒメウツギ(ミツバウツギ科)ミツバウツギ
(ユキノシタ科)ウツギ

所で、このウツギ、
名前の由来は、茎の中心が空洞である事から“うつろな木”の意味で、ウツギ
(空木)と名付けられたそうだが、意外にも材は硬く昔は木釘として使用されて
いたと言うから、結構 “芯(?)が強い” らしい。
又、別名を「卯の花の…」と歌われるように“卯の花”とも呼ばれるが、これは
旧暦の卯月(新暦の5/上~6/上)に花が咲くからだそうだ。
しかし、「におう垣根に…」については?だ。 ヒメウツギは良い香りがするが
ウツギは余り香りがしない。

イズイ

2006年05月27日 | 山野草
昨日家内が“イズイ”を貰って来た。 所がどう見ても外見は姫イズイ。
家内が貰う時に確認したら、「姫イズイではなくて“イズイ”」なのだそうだ。
確かに家にある物より少し形が大きいが、勿論アマドコロ等よりは遥かに小形であった。

早速ネットで調べてみたら姫イズイは載っているものの、
 ・イズイは、アマドコロの根茎を乾燥した漢方薬。
 ・イズイは、アマドコロ類の総称。      
と分かっただけで、肝心な“イズイ”の手掛かりは無し。

しかし、中には面白い情報もあり、山形県の山菜通販「山の幸市場」では、
 「イズイは、アマドコロの別名で他にもアマコユリ、カラスウリ、ヤマドロ、ヘビス
  ズラン等と呼ばれる」との書き出しで、発芽したてのアマドコロの多彩な料理法が
  書かれており、非常に興味をそそられた。
もう一つ面白かったのは仙台の方言で、“イズイ”と言うのは、「しっくり来ない」、
「やり辛い」と言う意味だそうで、今回の“イズイ”調査も正しくイズイ事になり、
思わず一人で笑ってしまった。

全く“イズイ”の正体が分からず終いになり、私としてもイズイ事になってしまった。
もしご存知の方があれば是非教えて下さい。
      

ウツギの仲間達

2006年05月26日 | 花 木
名前にウツギ(空木)と付く花木は種類が多く、
中には近畿以東に自生するドクウツギ(別名:市郎兵衛殺し)と言う物騒な物も有り、
その甘い実を食べると死ぬ事もあるそうだ。
名前の由来は、幹や枝が中空である事からつけられたそうだが、中には中空でない種類も
あるのでややこしい。
今日は、私の地方で5月に咲くウツギの仲間の一部を紹介します。
コガクウツギバイカウツギ
ヒメウツギミツバウツギ
タニウツギコツクバネウツギ

(上記のウツギ達の分類)

花の型主 な 種 類
アジサイ型ユキノシタアジサイガクウツギ、コガクウツギ
梅花型ユキノシタバイカウツギバイカウツギ
房 型ユキノシタ ウツギウツギ、ヒメウツギ
房 型ミツバウツギミツバウツギミツバウツギ
筒 型スイカズラタニウツギタニウツギ
筒 型スイカズラツクバネウツギツクバネウツギ、コツクバネウツギ


禁断の花

2006年05月25日 | 庭の山野草
チャイムが鳴り、「保健所の者です」と言う。
エイズの検査を頼んだ訳でもないのに変だなと思い用件を尋ねると、
「表の畑のケシを処分させて頂きます」 との返事が返って来た。
表に出てみると、若い女性一人と男性二人が来ており、既にケシは引っこ抜いて車の中
におさまっていた。

話を聞いてみると、
「広島県内ではアヘンを採れる種類のケシが今もって残っており、抜き取って処分して
 いるのだが、種が飛んで行っては生えるので毎年処分し続けている」との事であった。
私が冗談で、
「へぇー、植えた覚えはないのに、これからアヘンが採れるの?」
「私は化学をやっていたので抽出してみようか?」 と言った所、すかさず、
「止めて下さい!」                   と返事が返って来た。

置いて行ったビラを見ると、ひなげしは栽培しても良いが、
ソムニフェルム種とセティゲルム種は栽培してはいけないのだそうだ。

(両種の特徴)
 ・茎が太く、殆ど毛が生えていない。
 ・葉は無柄で、付け根が茎を抱きこんでいる。
 ・葉は大きい長楕円形で、縁の切れ込みが浅い。

自然に飛んで来て生える事もあるらしいので、見つけたら早く処分しておかなければ
おまわりさんに捕まるかもしれませんョ!

ナルコユリの親戚達(ユリ科)

2006年05月25日 | 庭の山野草
昨日山でミヤマナルコユリを見つけたが、この仲間達はどれも姿や花の形が良く似てい
て分かり難いので、我が家の仲間達と一緒に比較して見た。
斑入りアマドコロヒメイズイ
ナルコユリミヤマナルコユリ(蕾)

斑入りアマドコロ
斑入りの物にアマドコロとナルコユリがあると記載してあるが、我が家の物は根茎が甘
い事と花柄が2ヶに分かれる事から斑入りアマドコロと判断した。
斑入りアマドコロは意外にも自生種で、別名を“ナルコラン”と言うそうだが“アマド
コロラン”とでも呼べば良いのにややこしい事だ。
アマドコロ(甘野老)の名前の由来は、太い地下茎がトコロ(ヤマノイモ科)に似てい
て、味が甘い事から名付けられ、強壮剤として用いられるそうだ。

ヒメイズイ
小形のアマドコロと言う意味で、アマドコロの漢名(イズイ、玉竹)に姫をつけ、ヒメ
イズイ(姫玉竹)と名付けられたそうで、我が家のはもう花が終わったが、他の仲間と
同じような花を着ける。

ナルコユリ
田畑で鳥を追い立てる鳴子に見立てて名付けられ、滋養強壮剤として用いられるそうだ。
ナルコユリは花柄が3~5ヶに分かれ、いかにも賑やかな音を立てそうな感じがする。

ミヤマナルコユリ
山中に育つナルコユリと言う意味で名付けられたそうだ。
今は未だ蕾だが、開花すれば他の仲間と同じ様な花になる。

(主な相違点)

名 称草 丈茎の立ち方、断面花柄の分かれ方
斑入りアマドコロ30~60cm弓形、稜角がある1~2ヶに分かれる
ヒメイズイ15~40cm直立、稜角がある1~2ヶに分かれる
ナルコユリ30~60cm弓形、円 形3~5ヶに分かれる
ミヤマナルコユリ30~60cm弓形、円 形3~5ヶに分かれる

ヤマルリソウ、ホタルカズラ(ムラサキ科)

2006年05月24日 | 山野草
イチヤクソウとウメガサソウが開花しているかどうか見に行ったが、どちらも未
だ開花していなくて空振り。
しかし、その代わりにヤマルリソウとホタルカズラを見つけた。
両方ともムラサキ科の植物で瑠璃色の花が咲き、周囲の緑の中で一際鮮やかに浮
き上がって綺麗に見えた。
ヤマルリソウホタルカズラ

ヤマルリソウ
名前の由来は、山地に咲く瑠璃色の草と言う事から“山瑠璃草”と名付けられた
そうだ。
花は4~5月に咲き、径は1cm。
最初は赤紫色だがやがて美しい瑠璃色に変化する。

ホタルカズラ
名前の由来は、茎が蔓のように地面を這う事と、青紫色の美しい花が緑の間に
点々と咲いている様子をホタルの光に見立てて名付けられ、別名の“ホタルソウ”、
“ルリソウ”も同様の発想で名付けられたそうだ。
花は4~5月に咲き、径は1.5cmでムラサキ科(ワスレナグサ等も含まれる)
の中では最大級との事。