里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

マツムシソウの実生、初花(発芽約1年9か月後)

2012年07月30日 | 山野草の繁殖
マツムシソウは、秋に発芽して翌年の秋に開花後枯れる越年草と言われているが、
・環境の厳しい所では1年では花を咲かせるまで成長出来ないので、2年目でようやく
 開花して枯れるものがある(←つまり、2年草)。
・開花するまで相当長い年月を要する多年草
・開花した株にもロゼットを形成するので多年草
など、色々書かれていてよく分らないので、ヤフオクで種を買って確かめる事にした。
H22.9.27、播種。
H22.10.21、発芽。
H22.11.12、本葉。

本葉が出始め、徐々に生長しながらそのまま冬越し。
H23.4.6、植え替え。

播種後、約半年で混み合って来たので植え
替えた。
H23.7.24、播種10ヵ月後。

根生葉の長さは約15cmで、枚数は約10枚。
随分大きくなった!

根生葉の大部分は鋸歯があまり大きくないものだが、

一部には、大根の葉のように裂け目が深くなりかかっているものもある。

越年草なら今年の秋に開花する筈だが、どうも花が咲きそうな気配はないので、越年草ではないらしい!
H24.3.22、発芽1年5か月後。

結局昨年の秋には開花せず、そのまま越冬した。
越冬中の葉は根生葉のみで、大根の葉に良く似ている。
H24.7.10、蕾。

根生葉の中心から25cmの花茎を伸ばし、その先に硬い蕾が出てきた。
花茎には対生する2枚の葉が4段ついていて、その葉腋からも花茎を伸ばして先端に蕾をつけている。
H24.7.23、初花(発芽約1年9か月後)。

2年目の秋近くに花が咲いたので、どうやら2年草という事になるらしい。
しかし、中には花が咲かないものもあるので、それについては多年草になるのかも知れない。
なかなか複雑だ!

マツムシソウ、松虫草(マツムシソウ科、マツムシソウ属)
北海道~九州で日当たりの良い山地や草原に自生する。 草丈は50~90cm。
葉は対生し、羽状に裂けている。
花期は8~10月で、茎の上部で分枝した先端に、径が約4cmで淡青紫色の花を一つ
ずつつける。 花は、中心部の筒状花と周辺部の舌状花が集まった多数の小花からなる。
〔名前の由来〕
マツムシが鳴く頃に花が咲く事から“松虫草”と名付けられた。



スズカケソウの花

2012年07月24日 | 庭の山野草
ヤフオクで、「自家所有の山林に自生している」、「絶滅危惧種だが強健」と書かれていたので、試しに苗を購入してみた。
すると、茎の立ち上がった側の地面に近い方(画像の右側)から花を咲かせ始め、その先では茎が接地した所で発根している。

花は、濃い紫色で長く突き出た2本の雄しべが印象的だ。

スズカケソウ、鈴懸草(ゴマノハグサ科、クガイソウ属)
中国に自生している花で、江戸時代に園芸植物として知られていた。
その後、「岐阜県や徳島県で自生地が見つかった」と言われているが、園芸種が逃げ出したものかどうか定かではないらしい。
茎は長くて先端が垂れ下がり、地についた所で根を下ろしては繁殖していく。
葉は互生し、卵形で先は尖っていて、茎と葉には長い軟毛が密生している。
花期は7~8月頃で、葉腋に球形の花序をつける。 花は房状で、濃紫色で筒状の花弁は先端が浅く4裂する。
〔名前の由来〕
球状の花序が、山伏が衣装の上に羽織る衣(鈴懸け)に似ている事から、鈴懸草と名付けられた。


イワタバコの花

2012年07月23日 | 山野草の繁殖
太い根茎に萎縮した気味悪い葉をつけて越冬したイワタバコ。
(越冬芽、H24.3.8)

その後、葉を徐々に広げて、ようやく花を咲かせ始めた。
(花、H24.7.23)

可愛らしい花だ!
(花の拡大H24.7.23、)

イワタバコ、岩タバコ(イワタバコ科、イワタバコ属)
本州、四国、九州で山地の湿った崖や岩にコケ類と共に自生する多年草。
1株に1~2枚の垂れ下がった葉(長さは15cm程)を付け、8月頃に径が
1~1.5cmで紫紅色の花が咲く。
〔名前の由来〕
タバコに似た葉をつけ、岩に着生すると言う意味で“イワタバコ”と名付けられたそうだが、煙草の葉は長さが70cmにもなり形も似ているとは言い難い。
民間療法では苦味健胃薬として用い、若葉は山菜として食べられると言う。


クガイソウの実生、初花(発芽1年3か月後) 

2012年07月12日 | 山野草の繁殖

H22.10.15、実を購入。

真ん中に割れ目があり、ちょっと麦の種に似た感じがする。
H22.10.15、播種。

実の中には、まるでケシ粒のような小さな種がたくさん詰まっている。
こんな小さな種から草丈が1mを超えるほどに育つとは驚異的だ!
H23.4.14、発芽。

双葉が出たと思ったら、早くも本葉が出て来たものもある。
H23.6.4、発芽約2か月後。

本葉は6枚目が出ている途中で、大きな葉の両端までの長さは2.5cm。
草丈も2.5cmの毛むくじゃらだ。
H24.4.9、発芽1年後。

昨年中に草丈は約4cmまで伸びたが、年末までに株元から全部枯れてしまった。

今年、株元から改めて発芽し、葉数12枚・草丈3.5cmに伸びている。
H24.7.12、初花(発芽1年3か月後)。

植替えをしなかったので密植状態となり、草丈は約40cmしかないが、どうにか初花が咲いた。
葉は、2枚のものや3~4枚が輪生しているものがある。

花を良く見ると、茎の先端近くで分枝して花穂をつけ、下から順番に咲いている。
花弁は4~5枚に浅裂した筒状の淡紫色で、山で見かけるものより一寸色が薄い。

クガイソウ、九蓋草、九階草(ゴマノハグサ科、クガイソウ属)
本州以西の山地や高原で日当たりの良い草地に自生する多年草。 草丈は80-130cm。
直立した茎に、長楕円状披針形の葉が4~8枚輪生する。 葉はほぼ無柄で鋸歯がある。
花期は7~8月で、茎の先に長い穂状の花序に淡紫色の多くの花をつける。
〔名前の由来〕
 輪生する葉が幾つもの層になっている事から、九蓋草、九階草などと名づけられた。



ヌマトラノオの実生、初花(発芽1年2か月後)

2012年07月11日 | 山野草の繁殖
ヌマトラノオオカトラノオは共にサクラソウ科オカトラノオ属だそうだが、サクラソウ
艶やかさには程遠い。 しかし、よく見ると小さな花だが可愛い形をしている。
我が家の庭にもオカトラノオが繁殖しているが、私としてはヌマトラノオの方が好きなので、
実生で繁殖させる事にした。
ヌマトラノオオカトラノオ

H22.11.17、播種。

種の大きさは約1mmだ。
H23.5.6、発芽。

発芽率は高いようだ。
双葉の先端は尖っており、両端までの長さは5mmしかない。
H23.5.20、本葉2枚。

葉の両端までの長さは約1cmで、相変わらずチビだ。

その後、草丈は10~15cmまで伸びたが、年末には地上部が全部枯れてしまった。
H24.3.18、活動再開。

このところ少し暖かくなってきたので、株元から赤みを帯びた茎が何本か立ち上がり、その途中から白い根を下ろしている。
逞しい生命力だ。
H24.7.11、初花(発芽1年2か月後)。

草丈は60cmになり、その先端に花穂をつけた。
花は、5弁の合弁花で下から順番に咲いているが、径は約1cmしかなく地味だ。

ヌマトラノオ、沼虎尾(サクラソウ科、オカトラノオ属)
本州、四国、九州の湿地に生育する多年草。  草丈は、40~70cm。
地下茎をのばして群生し、茎の基部は赤みを帯びる。  
葉は互生し、倒披針状長楕円形で、先端は急に細くなって尖る。
花期は7~8月で、茎の先に総状花序が直立し、白い小さな5弁花を沢山つける。
〔名前の由来〕
草原に生育するオカトラノオに対して、湿地に生育する事から“ヌマトラノオ=沼虎の尾”と名付けられたもので、“トラノオ”は花序を虎の尾に見立てた。
オカトラノオに比べて小型で、葉柄が無く、花穂が余り傾いていない。



オオガハスの開花

2012年07月09日 | 山野草の繁殖
私がオオガハスの実生を手がけているのを見かねた先輩ブロガーの Rohman さんから、H23年4月に、
『例え、大賀ハスの種でも他の種と交配している可能性があるので、私は出来た種は全て
 除去している』
『何だったら、私が公式の培養先から入手したレンコンを分けてあげようか?』
と、親切な助言と申し入れがあったので、厚かましく頂いてしまった。

さて、このレンコンだが、花径が24~28cmにもなるというのに、実に小さいのにはビックリ
した! Rohman さんの話では『大人の中指ほどの太さ』だそうだが、折角頂いたのに
少し心配になってきた!
レンコンの植付け(H23.4)2年目の様子(H24.9)

ところがダッ!  3年目にして蕾が膨らんできたと思いきや、翌日には開花した!
一重の花で、良い香りを放っている。
葉の大きさは15~16cm蕾の大きさは3.5×7cm(H24.7.7)

花弁の数は12枚で、花の径は16cmしかなく少し小振りだ。
多分、未だレンコンが大きくなっていないせいだと思うが、来年にはもっと豪華な花が咲いてくれる事を大いに期待している。
Rohman さん有難う御座いました!

市の花天然記念物に指定されているオオガハス〕
大賀蓮(千葉市のHPから引用)行田蓮(行田市のHPから引用)



キレンゲショウマの実生、蕾(発芽1年3か月後)

2012年07月08日 | 山野草の繁殖
H22.10.21、実付き苗購入。
我が家では夏場が暑すぎるので花が満足に咲いてくれず、特に、H22年の夏は暑くて葉が全部落ちてしまった。
そこで、
種から育てるとある程度その地方の気候に馴染んで育つ
と言うので、ヤフオクで実付き苗を買って試してみる事にした。
H22.11.17、播種。

まるでユリの種が干からびて皺くちゃになった
感じで、到底発芽するとは思えず先行き心許
ない!
H23.4.14、発芽。

ところが、意外にも発芽した!
葉の先に未だ種の殻がくっついているので間違いない。
双葉の両端までの長さは未だ1cmしかないが、
このさき生長が楽しみだ!
H23.4.27、本葉。

本葉が出てきた。
本葉の両端までの長さは3~4cmだ。
H23.7.30

対生葉が次々に伸び、6段重ねになった。
その葉腋には脇芽も覗いていて賑やかだ。
H24.4.19、発芽1年後。

昨年末までに地上部は枯れてしまったが、今年の4月に入って地表面に露出したこぶ状の根茎(1.5×2cm)から芽が出始めた。
今は3本の茎が立ち上がって約5cmまで伸びている。
H24.7.9、蕾(発芽1年3か月後)。
草丈は約40cm。
茎には2枚の対生する葉が5~6段ついていて、先端と先端近くの葉腋に蕾をつけている。
さてここからが問題だ。
花が咲くのは秋になるが、それまでに暑い夏を乗り越えなければならない。
当地の気候に馴染んで咲いてくれれば良いのだが…。

キレンゲショウマ、黄蓮華升麻(ユキノシタ科、キレンゲショウマ属)
紀伊半島、四国、九州の深山で林下に自生する多年草。 草丈は80~120cm。
葉は円心形で掌状に浅裂し、長さ幅ともに10~20cm。裂片は三角状で鋸歯がある。
花期は7~9月で、対生する苞のわきから柄をだし、集散状に3個ずつ花を開く。



ハナショウブの育て方

2012年07月01日 | 山野草の繁殖
友人から、株分けしたハナショウブ(桜奴友鶴みちのく黄金乱雲烈風)を貰った。
序に栽培法を聞いたところ、
 1.13.5cmのポリポットへ底網を入れ、苗を赤玉土単用で植えつけ。
 2.これを5個ずつ、底穴を閉じたプランターへ入れ、
 3.後は、このプランターを水を切らさぬようにして、庭先へ置いておくだけ。
という、至って簡単なものだった。

友人は、この方法で 約300鉢も栽培しているが、毎年この時期は大変らしい。
花を観賞するのも楽ではない!