里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

孫台風

2010年08月29日 | 家族・友人
東京の娘一家がやって来たので、リクエストに答えて蒜山へ連れて行った。

先ず最初に行ったのは“ひるぜんジャージーランド”。
上蒜山の山麓にある施設で、牧場にはジャージー牛が放牧され、乗馬などが楽しめる上に
ソフトクリームなどジャージー牛の乳製品はイチオシなのだそうだ。

早速ソフトクリームを買って裏の牧場へ回ってみると、上蒜山の山麓に茶色で小型のジャ
ージー牛が居たが、遠くに屯していて近くには寄って来ない。
孫は、牛とのふれあいを期待したのに少し残念だったらしいが、ソフトクリームは濃厚
で美味しかったようだ!

お泊りは“休暇村蒜山高原”。
直ぐ足元には牧場風の草原が広がり、遠くには全室から蒜山三座(画像右半分)が望め
る牧歌的な風情のある風景だ(写真は下手だが)。

翌日は、蒜山高原の東側にある“津黒いきものふれあいの里”。 広大な敷地に、森や川
の生き物とふれあえるように設ってあるのだが、

何故か誰も居ない貸切状態で、孫はこの場所が一番楽しかったようだ!

次は、ホテルの直ぐ傍の遊園地“ジョイフルパーク”に後戻りしたが、流石にこの暑さ
は爺婆には堪えるのでパスさせて貰った。

最後は、大山の南山麓の“ブルーベリー狩り”に向かった。
先ず、途中の“鬼女台展望休憩所”で、烏ヶ山(手前)と大山(遠方)の景色を楽しんだ

ブルーベリーファームは、北に大山と烏ヶ山が望める広さが10haもある広大なもので、
完熟したブルーベリーを存分に堪能させて貰った!

というわけで、あたふたと旅行を終え、翌日には帰ってしまった。 まるで台風が通り
過ぎたようで、爺婆は二重にガックリだ! 


猛暑の原因

2010年08月25日 | 地 学
先日の日経によれば、
『今年のロシアでは記録的な猛暑が続き、旱魃により穀物生産高は前年を3割超下回る
 見通しで、穀物の輸出禁止に踏み切った』
『猛暑の原因は、専門家の間では、北半球の上空を流れる気流や熱帯海域の海面水温
 の異変が引き金になっているとの見方が多く、秋以降も残暑が続く公算が大きい』
のだそうだ。

確かに今年の夏は異様に暑く、福山でも8月19日には日本一の38.3℃を記録し、その
後も猛暑日が続いているが、このまま行くと日本でも野菜・牛乳・肉などの生産が落ちて
値上がり必死だと言う。

困った事で自然を相手では打つ手がないのだが、この際せめて暑さの原因だけでも勉強
してみた。 

【以下、全て気象庁HPから引用した】
先ず、今年7月の平均気温を平年の気温と比べると、ロシアのモスクワとヤクーツクが顕
著な高温になっており、日本でも平年より1~2℃高温になっている。

〔2010年7月の世界の月平均気温平年差の分布〕

その原因は、北半球中緯度の対流圏全体の気温が非常に高く、又、偏西風の南北蛇行が
非常に大きくなった事が要因とみられる。

上空9,400m 付近の偏西風(青線)が北側に大きく蛇行している部分は暖かい高気圧に覆われ、南に蛇行しているところでは高緯度側から寒気が流れ込みやすい。
顕著に高温になった主要都市は以下の通り。
 ①モスクワ
 ②ヤクーツク
 ③北 京
 ④ニューヨーク

日本の場合も、日本の上空を通る偏西風が北側に大きく蛇行し、太平洋高気圧が日本上空に留まりやすくなっている事が猛暑の原因になっている。

又、7月にはラニーニャ現象が発生した事が認められるが、7月の日本の天候には、その
影響は明瞭には出ていない。 しかし、今後注目する必要がある。
ラニーニャ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米のペルー沿岸にかけての広い海域で海面水温が平年に比べて低くなり、その状態が1年程度続く現象。
逆に、同じ海域で海面水温が平年より高い状態が続く現象はエルニーニョ現象と呼ばれている。
ひとたびラニーニャ現象やエルニーニョ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられている。

画像は、典型的なラニーニャ現象が発生している時(1988年12月)のもので、太平洋赤道域の中部から東部では海面水温が平常時よりも低くなっている。
太平洋の熱帯域では貿易風と呼ばれる東風が常に吹いているが、ラニーニャ現象が発生している時には、東風が平常時よりも強くなり、西部に暖かい海水がより厚く蓄積する一方、東部では冷たい水の湧き上がりが平常時より強くなる。
又、インドネシア近海の海上では積乱雲が一層盛んに発生する。
ラニーニャ現象が発生した場合の日本の天候は、
夏季は太平洋高気圧が北に張り出しやすくなり、西日本・沖縄・奄美では南から暖かく湿った気流の影響を受けやすくなる。
この為に、北日本を中心に、気温が高く、日照時間の多い傾向があり、西日本の太平洋側を中心に、雨が多く、気温は低めとなる傾向がある。


冬季は西高東低の気圧配置が強まり、気温が低くなる傾向がある。



“IOU” という名の借用書

2010年08月22日 | 政 治
今日の日経に、面白い記事が載っていた。

内容は、
『カリフォルニア州のシュワルツェネッガー知事が“IOU”と呼ばれる借用書を昨年
 に続いて発行する可能性が高まった』
『190億ドル(1兆6000億円)の財政赤字を解消する為に支出の大幅削減を求める
 知事に対して与党が反対し、新年度入りして2ヶ月近く経つというのに予算成立
 のメドが立たず、このままでは10月までに現金が底をつくので業者への支払いや
 住民への還付等が出来なくなる』
『昨年にも、260億ドルのIOUを発行したが、金融機関が現金化に難色を示し、混乱
 した経緯がある』
というものだ。

IOUというのは、“I owe you=私はあなたに借りがあります”の略だそうだが、ネー
ミングが如何にもストレートで面白い!

どの国の行政も“IOU”だらけでの一方で、財政再建はなかなか出来ないものらしい。
我が国でも、借金は900兆円を超えると言われているのに、
・行政の無駄を無くしたり、公務員や議員の数を減らす事は遅々として進まない一方で、
・景気を回復させる為などと称して、相変わらずの財政出動が声高に叫ばれている。

このまま“IOU”を発行し続けると、国が破産して“IOU”が紙切れになるだけでなく、
大増税・公務員の削減・行政サービスの低下・景気悪化・雇用不安などが起き、国民は
悲惨な生活を強いられる事になってしまう。
猛暑なのに、先の事を考えると背筋が寒くなる思いがする!


日本一

2010年08月19日 | 地 学
今日の福山地方は、気温38.3℃。 日本で一番暑かったそうだ!
道理で、庭や畑にいくら水を撒いても焼け石に水で、直ぐに乾燥してしまう。

この分だと外へ出ると自然発火しそうなので、当分の間クーラーのお守をするしか無さ
そうだ!


ナタマメの花

2010年08月11日 | 野 菜
「道の駅」で買った苗を植えておいたところ、ようやく花が咲き始めた。
流石に大人の腕ほどもある実をつけるだけあって、花径は約4cmもあり大きい。

〔画像2枚〕
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白ナタマメは無毒で、若莢を食べたり豆をお茶にして飲む事が出来るというが、同属には
有毒なものがあるらしい。 味を試してみたいのだが、一寸踏みきれない!

〔ナタマメの実〕昨年の10月27日撮影

ナタマメ、鉈豆(マメ科ナタマメ属)別名:刀豆、帯刀
熱帯アジア原産のマメ科の多年草だが、日本では冬に枯れてしまうので1年草。日本へは
約400年前の江戸時代初期に清国から伝わった。
つる性で、葉は3小葉で互生する。 
花期は夏で、葉腋から花柄を伸ばし蝶の形をした白又は紅色花をつけ、やがて鞘の長さ
が30~50cmにもなる実をつける。 
種子は秋に稔るが紅色や白色の物があり、1粒の大きさは約3㎝で1鞘に8~16個詰
まっている。

ナタマメの内、白ナタマメは無毒だが、タカナタマメ、タチナタマメには毒が多いので、
それらについては加熱して毒を不活性化した後に食用や薬用として用いる。
若莢を煮たり、福神漬けや味噌漬けにして食べるほか、豆は健康茶や漢方薬として用いら
れ、免疫力の向上・化膿止め・蓄膿症や歯槽膿漏の改善に効能があるという。
(名前の由来)
莢の形が鉈や刀に似ている事から名付けられた。


ツルムラサキ試食

2010年08月10日 | 野 菜
植えた覚えが無いのに昨年から生え始めたこの植物、つるが傍のハナミズキを覆い尽く
すほど絡みついてしまう。 
お隣さんから種が飛んで来たものらしいが、気になっていたので調べてみたら、どうやら
“ツルムラサキ”のようだ。 文字通り蔓が紫色なので名づけられたものだが、蔓が緑色
のものもあるそうだ。

このツルムラサキ、東南アジア原産の野菜で食べられると言うので、試しに“三杯酢”
にして食べてみた。


先ず若い茎葉を摘み取り、








茹でると薄いピンク色の煮汁が出て来る。
茹で上がったものも外観はグニャグニャした
感じがあってあまり印象が良くない。
どうやら、少し茹で過ぎたようだ?





今回は三杯酢を試したが、確かに粘り気が
あって糸を引く。
味は「ホウレンソウに似る」と書かれてい
たが、むしろ“ワカメ”の味に似ている。
見た目は悪いが結構いける味だった!




ツルムラサキ、蔓紫(ツルムラサキ科、ツルムラサキ属)
東南アジア原産の野菜でつる性の一年草。 日本では鑑賞用としても栽培されている。
つるは、紫紅色で艶があり、2m以上伸びる。 葉は、互生し、肉厚の広卵形で紫赤色
を帯びる。
花期は、7~9月で、葉腋から小花を短穂状につける。 花は、淡紅色を帯びた白色で
花弁は無く萼片も全部は開かない。
〔料理法〕
若い茎葉や花軸・花果などを、おひたし・和え物・味噌汁・天ぷら・油炒めなどにして食
べる。 味はホウレンソウに似ているが粘り気があり、ビタミンやミネラルを非常に多く
含む。


平和祈念式

2010年08月06日 | 政 治
今日は、広島で「原爆死没者慰霊式と平和祈念式」が行われた。

今年は初めて国連事務総長や米国大使と英仏代表が参加し、国連事務総長が
「核兵器の無い世界をつくろう」と力強く訴えた!
昨年4月に、オバマ大統領がプラハで行った「核兵器のない世界」に関する演説の中で
核兵器を使用した事がある唯一の核保有国として米国には行動する道義的責任がある
と述べた事を受けての参加で、平和に向けて一歩踏み出した事は大いに評価出来る。

何しろ65年前の今日、原爆ドーム近くの上空600mで炸裂した原爆はTNT火薬に換算し
て15,000t に相当する爆発を起こし、一瞬にして半径約2km内の建物を全壊・全焼させ、
半径約5km内の建物を半壊させたという。
そうでなくても暑いこの時期に、爆発の灼熱や火災の猛火に加え、その後も長く続く放射
線被害に苛まれ、死者は昭和20年末迄だけでも約14万人にも達したという。
被爆者にとっては正に地獄であったろうと思われるが、その苦しみは今もって後遺症とし
て続いている。

現在、世界の核保有国が持つ核兵器の威力は恐らく広島に落とされた原爆の比ではなく、
その数も諸説があるにしても、常軌を逸する膨大な量だろう。
核兵器全廃へ向けての道は遠いのだろうが、一日も速く達成される事を願わずにはおれ
ない!

〔各国が2009年時点で保有する核兵器の概数〕…Wikipediaから引用
国 名戦略核弾頭数核弾頭数合計
米 国  2,126  9,400
ロシア  2,668  13,000
イギリス   160   185
フランス   300   300
中 国   180   240
インド    60   60-80
パキスタン    60   70-90
北朝鮮    10以下    10以下
イスラエル    80    80



無縁社会 

2010年08月05日 | 世 相
先月来、足立区で111歳とされていた男性とみられる白骨遺体が発見されたのに続き、
杉並区では都内最高齢者とされる女性の所在が不明である事が判明した。

これをきっかけに、全国の自治体が100歳以上のお年寄りの安否確認を行ったところ、
今朝のTV朝日の報道では現在54人もの高齢者の行方がわからないというし、それ
ばかりか杉並区が対象者315人の安否確認をしたところ「答えたくない」として拒否が
相次いだともいう。

拒否した人の中には、
「家庭の内紛を話したくない」人や、「親がどこへ住んでいるか知らない」人や、中には
「死んだのだけれど年金を貰い続けたい」人など様々だと思われるが、昨今の行き詰
った世相が窺える感じがする。

自分が遊びたい為に育児放棄して2人の子を死なせた23歳の母親、1760万人(H20年)
ともいわれる若年の非正規雇用者、熟年離婚や生涯未婚の増加による毎年3万人を超
える孤独死、親がどこへ住んでいるか知らない子、親が死んだのを隠して年金を貰い続け
る子、プライバシーの関係もあって隣に誰が住んでいるか知らない隣人…挙げればきりが
無い。 豊かさを求めて一生懸命働き続けてきたというのに、正に末法の世だ!

7月31日の朝日新聞に、フランスの経済哲学者セルジュ・ラトゥーシュさんの次のような
言葉が載っていた。
『私が成長に反対するのは、いくら経済が成長しても人々を幸せにしないからだ。』
『成長のための成長が目的化し、無駄な消費が強いられている』
『つましくも幸福な社会を目指すべきだ』

今の日本には、豊かさとは何か、どのような豊かさを求めるのか、問題を突きつけられて
いるような気がしてならない!


比婆山ブナ純林の下で育つ山野草

2010年08月04日 | 山野草
比婆山ブナ純林の植生の違いによる分類では、
「ブナ・クロモジ群集のマルバフユイチゴ亜群集」という難しい名前の範疇に入るそうだ。
何て事は無い分りやすく言えば、
『比婆山のブナの木の下には、クロモジマルバフユイチゴが生えているのが特徴』
というだけの事だが、この他にもミヤマカタバミオオカニコウモリも生えているのが
特徴だそうで、確かにこの4種類はたくさん生えていた。
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クロモジ→花(4/12 撮影)マルバフユイチゴ
ミヤマカタバミ(3/30 撮影)オオカニコウモリ

その他に、比婆山周辺に於ける植物の地方名や利用法についても、興味ある話を幾つか
教えて貰った。
クロモジ

良い香りがするので高級な楊子として使われるが、むかし比婆山地方では田植えを終わった頃に刈り取り、香油を採って大阪へ出荷していた。
ミヤマカンスゲ

比婆山地方では、蓑やハバキ(脛巾※)作りに利用していた。
 
 ※脚絆
ミヤマカンスゲで作った蓑

その後、蒜山を訪れた際“津黒いきものふれあいの里”に展示してあったのが、どうやらミヤマカンスゲで作った蓑らしい。
クサソテツ(別名:ガンソク)
イヌガンソク・サカゲイノデ・ヤマソテツのように株元から葉を束にしたように立ち上げるシダ類を総称して、その陰に山鳥が隠れるという意味で比婆山地方では“ヤマドリカクシ”と呼ぶ。
この内、クサソテツの若芽はお馴染みのコゴミで、生のまま天ぷらにしたり、茹でて鰹節や醤油をかけたり、マヨネーズなどで和えたりして食べると美味しい。
(その他の食べられる山野草)
ウワバミソウ
比婆山地方では、タキミズナと呼ぶ。
一般的には、ミズ・ミズナ・コブトロロ等と呼ぶ。
5月初~初冬に、葉をとった茎だけをさっと茹で、汁の実・おひたし・和え物・煮つけ・油炒めにして食べる。
根茎は、叩き潰してトロロにして食べると美味。
モミジガサ

比婆山地方では、(クロナ・ソブナ)? と呼ぶ。
一般的には、シドケ、キノシタ等と呼ばれ、
若芽を生のままで天ぷらにしたり、茹でておひたし・和え物にして食べる。
オオバギボウシ

比婆山地方では、グチビナ? と呼ぶ。
若芽の名前はお馴染みのウルイ。
生のまま汁の実・天ぷら・油炒めにしたり、茹でておひたし・和え物・サラダにして食べる。

途中で、下りて来た2人組の小父さん達からも、珍しい鳥の巣を見せて貰った。
講師の知り合いで、絶滅危惧種の調査に来たそうだ。

鳥の名前:クロジ(ホオジロの仲間)

中部地方以北に生息する漂鳥で中国地方では珍しい。
雄は灰色で「フィーチョイチョイ」と良い声で鳴く。
巣の素材と作り方だけで鳥の種類が判るそうだ。 さすが!