日銀は大規模な金融緩和に伴う長期国債の買い入れ方式を見直す。市場参加者からの「より頻繁に、より小さな額で買い入れを進めてほしい」との要請に対応し、金利が急上昇したときに柔軟に対応できるようにする。ただ日銀は買い入れ手法の見直しを繰り返しており、相場の乱高下に手を焼いているのが実情だ。
日銀は29日、長期国債の買い入れをめぐり市場参加者との意見交換会を開いた。銀行や証券会社などで債券の取引をしている実務家56人が参加。日銀からは国債の買い入れ実務を担当する金融市場局の局長、金融政策を担当する企画局の局長らが意見を聴いた。30日に6月以降の実施計画を公表する。 日銀は月8回実施している買い入れを6月以降、10回以上に増やす考えを示した。長期国債の買い入れが頻繁にできるようになれば、金利が急騰しても、すぐに日銀は大量の資金で債券を買い、金利上昇を抑えやすくなる。毎月の買い入れ回数が多いほど、月末に向けて市場調節の手法が手詰まりになる可能性も低くなる。 市場参加者の間では「機動的な買い入れは相場を落ち着かせる」(大手証券)と評価する声がある。一方で「株や海外市況も乱高下するなか、回数を増やすだけでは市場安定につながるか不透明」(別の証券会社)との指摘もある。 日銀は国債の入札がある日には、同じ年限の国債は買い入れをしないルールを定めている。市場参加者からは「国債入札と日銀の買い入れが重なると実務上煩雑になる」との声が出て、いまのルールは続けるべきだとの意見が多かった。 |
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