ringoのつぶやき

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日銀マイナス金利導入の効果 広木 隆「ストラテジーレポート」

2016年02月01日 20時56分11秒 | 

結論:株式相場にとっては非常にポジティブ。但し、デフレ脱却を目的とした政策としての効果は薄い。金利は一段と低下する。長期国債もマイナス利回りになる可能性がある。

避けるべきセクター:生保、銀行
中立:輸出関連
選好するセクター:不動産、J-REIT

日銀のアグレッシブな姿勢を再評価

日銀にとっての難題は、いかに打ち止め感を出さずに追加緩和を発動するかであった。買い取る国債を増額するだけの従来型緩和では、第3弾を打っても、これで最後という印象を市場に与えてかえって円高株安を招きかねない。従来型のQQEの延長をやめ、その代わりにマイナス金利を導入したことは見事な解決策だった。金融緩和策の手詰まり感という悪印象を払拭したという意義は大きい。(現実的にはもちろん限界があるが)理論的には日銀は制限のない緩和手段を手にしたと言える。日銀の手詰まり感を見透かした投機は引っ込む。

スイスで開かれたダボス会議に旅立つ前に、黒田総裁は事務方に追加緩和の具体策を指示したとされる。すなわち日経平均が16000円割れ寸前まで下落した時である。これで日経平均16000円は、「黒田フロア(下限)」となった。「黒田プット」の行使価格が日経平均16000円だと言い換えてもいい。ここが底値、少なくとも当局の防衛ラインだという刷り込みが市場ではできただろう。底が見えれば相場は上がるだけである。

何よりも、「マイナス金利」という領域にまで踏み出してみせた日銀の意思の強固さ。これがいちばん大きな効果だ。これまで日銀は、デフレ脱却にかける気概というものが完全に退潮し、変心かと思わせるほど消極姿勢を示していた。それを打ち消すようなアグレッシブな姿勢を見せた。僕は最近のレポートで日銀批判をしていたが、今回は完全に脱帽である。評価を改める。


再び世界は金融緩和モードへ

年初からの株価下落の背景のひとつに、日米欧の中央銀行の金融緩和スタンスが後退したことが挙げられる。株価が崩れ始めたのは昨年12月からだが、その時点では「金融緩和度」という目盛りの針が下方に振れていた。

12/3のECB理事会は踏み込み不足で失望売りを浴びた。FRBは利上げに踏み出した。日銀は2015年を通じて追加緩和を見送り続け、12月にようやく補完措置。これもまた市場の不興を買った。これらはすべて金融緩和という観点からはマイナスのアクションである。それがようやくここにきて針が中立に戻ったイメージだ。ECBドラギ総裁は再び追加緩和を示唆、1月のFOMCは(解釈が分かれるものの)中立からややハト派的な声明を出し、そして日銀は追加緩和に踏み切った。しかも強烈なサプライズを演出して。


次は3月に、今度こそECBも市場の期待に応えるような追加緩和を打ち出し、そしてFRBが利上げを見送るなんていうことになったら、「金融緩和度」の目盛りの針は一気に上方に振り切れるだろう。その後、日銀も「プチ追加緩和」をしていくかもしれない。例の「賃上げETF」購入などだ。僕はさんざん批判したけど、相場的には、何もやらないよりは、やったほうがいいに決まっている。

前回のレポートでも述べたが、この際、健全か健全ではないかという議論はわきに置いて、リーマン以降、世界の株式市場が上昇基調を辿ってきたのは、端的に言って「カネ余り相場」だったからだ。世界的な低成長、低インフレのなか、行き場を失った緩和マネーによる過剰流動性がリスク資産の価格を押し上げた。良くも悪くも緩和マネーに支えられて株価は上昇してきたのである。

日銀のマイナス金利導入は、再び「緩和マネー劇場」の幕が開いたことを告げるものだ。第何幕か?はもう数えることもできないが。

実体経済への効果は限定的

株式市場にとっては、絶大な効果があるマイナス金利だが、実態経済に対してはその効果は限られる。殊、デフレ脱却という点については処方箋が間違っている。

マイナス金利導入は、これまでマネタリーベースを増やせばインフレになる、と主張して行ってきた量的金融緩和から、マネーサプライを増やすことに主眼を切り替えたものだ。マネタリーベースとは「銀行の中にあるおカネ」、マネーサプライとは「銀行の外にあるおカネ」である。市中の銀行から国債を買い取って銀行にマネーを供給しても、銀行がそのおカネを日銀の当座預金に預けたままにしていては世の中に出回るおカネは増えない。ともに銀行の資産勘定である「国債」と「日銀当座預金」を付け替えているに過ぎない。

マイナス金利の狙いは、日銀当座預金というおカネの「置き場所」を封じるものだが、そうなるとこれまで「国債」と「日銀当座預金」の「入れ替えプレー」をしていた銀行は、日銀の国債買取に応じなくなる可能性がある。おカネの置き場がないので、国債を手放さなくなるだろう。日銀は量的緩和をやめたわけではないので、これからも予定通り国債を購入するわけだが、予定通りに集まらない「札割れ」の状況が発生する。それでも国債を買い集めるには高い価格で買うしかない。例えば、満期保有すると損が出るような価格、すなわちマイナス利回りで買うということだ。

結論として、日銀に預けてもマイナス金利、国債の利回りもマイナスとなったら、銀行のおカネはそれ以外のところに向かわざるを得なくなる。それが日銀の狙いであり、市中に出回るおカネ=マネーサプライ増加を期待しての策である。しかし、ことはそう単純ではない。マネーサプライを増やすのは銀行が信用創造をすることによって、つまり貸出を増やすことによってであるが、貸出が増えないのはなにも銀行が貸し渋っているというよりは、資金需要が弱いからである。加えて、金利低下によるスプレッド縮小で貸出に対するインセンティブは一層低下するだろう。

そもそもマネーサプライが増えるとインフレになるのではなく、インフレになるような経済環境になるとマネーサプライが増える。順番が逆である。だからマイナス金利によってマネーサプライ増加を促進してデフレ脱却につなげようという政策は処方箋が間違っていると述べたのだ。

影響を受けやすいセクター

これまで見たように、マイナス金利導入の効果は不透明な部分が大きいが、ひとつだけ確かなことがある。それは、金利はさらに低下する、ということだ。日銀当座預金がマイナス金利なら銀行は国債を手放さない。それを「引き剥がす」には国債利回りが同じくマイナスになるまで買い進むしかない。別の言い方をすると、国債保有のインセンティブが増すことで国債価格は上昇(利回り低下)し、当座預金金利と同等(つまりマイナス0.1%)になるところで均衡する。

日銀当座預金にも置けないし、国債利回りもマイナスとなったら、銀行のおカネはどこに向かうか?まずはJ-REITのような準・確定利回り商品が選好されやすい。流動性の観点からは株式、ETF投資も積み増されるだろう。流動性には劣るものの、実物の不動産投資も進むだろう。

冒頭のセクター判断で、「選好するセクター」として不動産株を挙げたが、理由はまったく別の文脈である。日本株市場における不動産株の評価は、ファンダメンタルズからかけ離れて、日銀の緩和姿勢で決まる。このことは、日本株市場の稚拙さ、投機性の高さの代表例だと感じており、非常に悲しいことだと僕は思っているが仕方ない。それが日本株市場なのだから。地価、賃料、キャップレート、純資産価値、マンションの販売動向 - 不動産会社を評価するそうした要素は考慮されずに、日銀の緩和度合いが最大の株価材料となっている。であれば、不動産株ほどこの地合いに適したセクターはない。

外債も一層魅力的に映るかもしれない。但し、29日の米国市場で米国債の利回りが急低下したように、グローバルにリンクしている現在の市場では、円金利が下がれば金利を求めるマネーが残された利回りを食いつぶす。リスクに大差がなければ、早晩、日米独の国債利回りは収斂するだろう。

マイナス金利で一段の円安を確実視する声があるが、単純に金利差からという理由では円安進行も限度がある。よって輸出関連セクターは、年末年始のリスクオフ相場で売られ過ぎた修正という意味では妙味があるが、過度な円安期待だけで買うというのは注意したい。

マイナス金利でもっとも打撃を受けるのは銀行だというのは、ほとんど説明が要らないと思われる。調達サイド(一般の預金者からの預金等)はマイナスにできないので、利ザヤが圧縮されるからだ。苦境はメガバンクも地銀も同じだが、ポートフォリオの分散が図られているという点では、メガはまだましだろう。国債依存度もかなり低い。株価はここまで売り込まれて、配当利回り3%台、PBR0.5~0.6倍台というのは、目先の株価変動を気にせず、長期で投資できるなら買ってもいい水準だが、これだけの悪い投資環境のなか今すぐ拾う必要はないだろう。

過去に何度も述べているように、生保の理論株価(EV)は金利が低下すると下がるので、このセクターは素直に避けたほうが得策である。


マイナス金利は「劇薬」というより「毒薬」だ

2016年02月01日 12時28分50秒 | 為替

日銀は市場との対話機能を失ってしまった

中原 圭介 :経営コンサルタント、経済アナリスト

日銀が銀行の当座預金にマイナス金利を導入することで、決して避けられない事態があります。それは、銀行の収益基盤が悪化するということです。銀行は量的・質的金融緩和の影響もあって、巨額の資金を日銀の当座預金に預けています。マイナス金利を導入したら、日本の銀行への打撃は欧州の銀行とは比べ物にならないといえるでしょう。

銀行にとって痛手となる融資の利ザヤ縮小

この連載の過去記事はこちら

実際のところ、超低金利が長期化する状況下で、これまでの銀行は日銀の当座預金にお金を預けて金利収入を稼いできました。それは、日銀の当座預金の金利が0.1%という高めの水準にあったからです。逆説的ながらも銀行にとっては、異次元緩和を進める日銀の当座預金がもっとも有望な運用先のひとつになってしまっていたのです。銀行から見れば、突然のマイナス金利の採用は、はしごを外されたといっても過言ではないでしょう。

さらに深刻に懸念されるのは、日銀が当座預金の金利をマイナスにする影響は、金融市場でのいっそうの金利の低下にもつながっていくということです。実は、当座預金にマイナス金利が採用されることよりも、金利の低下で融資の利ザヤが縮小することのほうが、銀行の収益基盤にとっては大きな痛手となってしまうのです。

日銀がマイナス金利の導入により意図しているのは、銀行が日銀にお金を預けても損をするようにして、そのお金を積極的に中小企業などへの融資に回すように仕向けるということです。その結果として、企業の設備投資や賃金が増えて、経済の好循環と物価の上昇が達成できるという効果を見込んでいるのです。

ところが、それは経済の本質や流れをまったく理解できていない愚策であるとしか言いようがありません。銀行が新たに日銀にお金を預けると目減りする仕組みができあがってしまったうえに、融資の金利までも引き下げざるを得ないとなれば、銀行の収益力が悪化するという事態は避けられないことであるからです。

結局のところ、銀行は収益悪化をきっかけにして、中小企業に対して融資を行うリスクが取りづらくなってしまうでしょう。初めから日銀が意図した効果など期待できるはずもなく、まったく逆の負の効果を生み出してしまう可能性のほうが高いというわけです。

マイナス金利の副作用は、これだけにとどまりません。

タンス預金を増やし資産バブルを助長

個人が現金志向をより強める動機付けにもなります。現に日本では、市中に出回るお札の量の増加ペースが加速しており、微々たる利息しか付かない預金をするよりも、タンス預金にしておいたほうがマシであると考える家計が増え始めています。

低金利に拍車がかかる環境が整っている中で、タンス預金が増えれば増えるほど、市中におカネが回りにくくなるという副作用が考えられるわけです(※なお、タンス預金の増加には、マイナンバー制度の普及という別の要因も加わっています)。

おまけに、マイナス金利に伴う低金利の進行は、株式や不動産などの資産バブルを助長することにもつながります。実体経済の状況を無視して、株式や不動産への投機熱が再燃することは、長期的に見れば決して喜ばしいものではありません。短期的には資産価値の向上に寄与したとしても、最終的には谷底をより深いものにしてしまうリスクを意識しなければならないでしょう。

そもそも、日銀の考えは根本的に誤っていて、企業は需要が見込めない限りは、融資を受けて設備投資などをしようとは思わないものです。むしろ融資を必要としているのは、資金調達に四苦八苦しているゾンビ企業がほとんどを占めているのです。ですから、日銀が採用したマイナス金利政策は、経済効率を高めるという金利本来の機能を麻痺させていることが否定できないわけです。

日銀はとうとうマイナス金利という「劇薬」、いや「毒薬」に手を出してしまったと言わざるをえません。そのことが、日本経済の将来にとって暗い影を落とすことになることは、容易に予想できるのではないでしょうか。

マイナス金利の好影響が唯一見られるのが、円安の進行と株価の上昇においてです。黒田総裁はマイナス金利の副作用は十分に認識したうえで、つい先日まではマイナス金利について「現在も考えていないし、将来も考えていない」と強く否定していたので、今回の市場のサプライズは非常に大きかったといえるでしょう。

とりわけ今年に入って円を買い進んでいた投機筋は、今回のサプライズによって大きな恐怖心を植え付けられたのではないでしょうか。マイナス金利をまったく予想できなかったのに加えて、1日であれだけの円相場の反応を見せつけられてしまっては、円高を見込む投機筋は今後、安易に下値を売り込みにくい状況に陥っているように思われます。

12月30日の記事では、「円高が進む局面では、ドルの買い場を1回は探ってもいい。追加緩和の内容にもよるが、5円~10円の幅で利益を得られる可能性は十分にある」と述べましたが、その買い場は早くも終了してしまったようです。これからは非常に読みにくい相場になっただけでなく、値幅を取るのも難しくなってきているので、しばらくはドル投資を控えたほうが無難であると思っております。

黒田総裁の発言に対して疑心暗鬼に

時期的に2月中旬から3月末までは、日本企業による円買い需要が高まるものと予想されますが、しばらくは115円台が岩盤のように下支えラインとして機能するものと考えております。黒田総裁は「必要な場合はさらに金利を引き下げる」と、金融市場の投機筋を強く牽制しているからです。私はこの牽制が中期的には成功するものと見ています。

ただし今回の一件によって、日銀が金融市場との対話機能を失いかねない状況に陥っていることには、留意する必要があります。日銀がマイナス金利を採用する1週間前には、黒田総裁はマイナス金利導入を考えていないと明言していたのです。確かに、やらないと言ってやったからこそサプライズになったわけですが、だからこそ、日銀にとってこれからの金融市場との対話が非常に難しくなっていくだろうと思われます。

というのも、黒田総裁が金融政策について何かを発言するたびに、金融市場は「総裁はウソを言っているのではないか」と疑心暗鬼になるからです。日銀と金融市場の対話が上手く機能しなくなるというのは、とりわけ出口戦略を考えなければならない段階に入った時に、相場の大きな攪乱要因になりえるのです。



1月31日(日)のつぶやき

2016年02月01日 05時15分18秒 | その他

黒田の崖っぷち政策、欧米はブーイングみたいですね。

1 件 リツイートされました

【花田紀凱の週刊誌ウォッチング】「甘利明大臣」を落とし穴にハメた「怪しすぎる情報源」の正体とは?
sankei.com/premium/news/1… pic.twitter.com/zkACN2GaPL

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今日の日曜討論は、非常な重要なテーマ。TPPは秘密交渉で行われた。それだけに、何を得るために何をトレードオフとしてるかを、国会で石原氏がどう説明できるかが批准のポイントだろし、こりゃ審議が遅れないと思うほうが不思議かもしれない。。

ringoさんがリツイート | 9 RT

おはようございます?いばらきスカイガイドです(*´ `*)
今日は、第64回勝田全国マラソンにて茨城空港のPRをしております!ブースでは茨城空港のパンフレットやノベルティをお配りしております。是非遊びに来て下さいね? pic.twitter.com/VDzYSrDrkf

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それにしてもモルスタのこの空売り量ハンパない。
逆に買い戻し入った時の上昇エネルギーも想像を絶するだろうな。 twitter.com/karaurinet/sta…

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昨日の池上お父さんのサウジとイランを取り囲む中東小国との関係、よくわかった。日本はどの国とも仲良しで敵対心持ってないけど、サウジ=中国・朝鮮ですね。歴史を引きずる自意識過剰反応。


サッカー南朝鮮に勝って良かったわ。


銀行、日銀からもらった新規マネー、ぶた貯金箱に入れると罰金とられるそうですから、零細投資家の私に1億円かしてください、金利0で。期限10年間。10年後1割上乗せして返済してあげます。


銀行はどうして零細個人投資家に貸さないのかしら?不動産投資するより安全だと思うけど?


姉は認知症が始まってると思う。こちらの言うことが理解できないもの。


浜田宏一参与かく語る 金融緩和効果の障害は企業に 編集委員・田村秀男 goo.gl/v8xzIw


民主党ではなく財務省が黒幕という噂話も届いています。消費増税を抑える安倍政権のキーマンは麻生財務大臣より甘利経産大臣だと。 twitter.com/utukushinihon/…

ringoさんがリツイート | 153 RT

よく分からんが日銀ちゃんシリーズ。日銀ちゃんの憤りを漫画にしてみた。 pic.twitter.com/UygB4ecoc4

ringoさんがリツイート | 1052 RT

Goodだわ 私も欲しい~?でも日本では瓶の飲み物ってビールぐらいだから、年数回も使わないのよね。20年前に発明してほしかったわーー。

#なにこれ欲しい】片手で「握る」動作のみで開栓…栓ぬきは次のステージへ
news.livedoor.com/article/detail…


コラム:マイナス金利が招く円売りの賞味期限=佐々木融氏 goo.gl/Rltmps