2016年1月22日のブログ記事一覧-ringoのつぶやき

シャープ再建、大筋合意、革新機構主導、銀行支援は最大３５００億円、液晶、Ｊディスプレイ統合。

2016年01月22日 08時05分26秒 | 気になる株

シャープが官民ファンドの産業革新機構主導で再建を目指すことが固まった。みずほ銀行、三菱東京ＵＦＪ銀行の主要取引２行は革新機構が示した再建案を受け入れる方針だ。２行は実質的な債権放棄などで最大３５００億円の金融支援を実施。革新機構はシャープ本体に３０００億円超を出資した上で液晶事業を分社、２０１８年をメドに同業大手のジャパンディスプレイ（ＪＤＩ）と統合する。機構はシャープの事業再編を進め、国内電機産業の競争力を高める。（解説５面に）
　革新機構は今月末に、意思決定機関である産業革新委員会を開き、シャープの再建案の詳細を固める。みずほ、三菱東京ＵＦＪの２行は再建案を踏まえ、２月中にも金融支援を決める。シャープは今春にも出資と金融支援を受け革新機構傘下で経営立て直しを進める。
　具体的には、革新機構が第三者割当増資を引き受けるなどの手法で、シャープ株の過半数を取得する。出資後に役員を派遣するなどして、経営体制を刷新。まず競争力の高い液晶事業を分社し、３０００億円超の出資金の一部を投じる。
　革新機構はＪＤＩの筆頭株主でもあり、分社したシャープの液晶新会社とＪＤＩを統合する方針。規模拡大によって、活発な設備投資を進める韓国、中国メーカーに対抗する。各国の競争当局の審査を経た上で、１８年までの統合を目指す。
　革新機構はシャープの家電事業を東芝の白物家電事業と統合することも検討する。インターネットで遠隔制御できる「スマート家電」分野は世界的に市場が拡大する見通し。日本勢の技術力が生かせる成長産業と位置づけ、再生を目指す。
　一方、成長性に乏しい事業や生産設備は売却などリストラを進め、収益改善を急ぐ。
　革新機構は三菱東京ＵＦＪ、みずほの２行に対し、保有するシャープの優先株２千億円分の無償譲渡を求めている。優先株は１５年６月に債務から振り替えたばかりで、実質的な債権放棄となる。
　そのうえで新たに１５００億円分の有利子負債を優先株に振り替え、債務圧縮をする計画だ。２行はシャープの経営再建を確実にするためには、財務負担が不可欠と判断し、追加の金融支援を受け入れる。
　シャープを巡っては、台湾の鴻海（ホンハイ）精密工業も総額で７０００億円規模の買収提案をしている。みずほと三菱東京ＵＦＪは革新機構と鴻海の両案を検討してきたが、２１日までに革新機構案の方が再建の確実性が高いと判断した。表面的な金額では鴻海の方が上回っているが、鴻海案は工場買収などの金額も含んでいる。事業別の再建を迅速に進める革新機構案の方が、再建のスピードや収益改善効果が高いとみているもようだ。
　革新機構は個別企業の救済では国民の理解を得られないとみて、昨年春以降、慎重にシャープ支援の具体策を詰めてきた。その結果、液晶技術などは競争力が高く、今後も日本の基幹産業として成長を支援する価値があると判断した。シャープをテコに、主要事業の再編を進め、日本の電機産業全体の底上げにつなげる。