【ブリュッセル】(ダウ・ジョーンズ)欧州連合(EU)の高官は30日、ユーロ圏財務相はギリシャ債務削減に
関し27日に合意したばかりだが、ギリシャ国債買い戻し計画が目標に届かなかった場合、直ちに最初から作業を
やり直す必要に迫られるとの見方を示した。
この高官によると、12月3日のユーロ圏財務相会合(ユーログループ)では同計画についての詳細説明が行わ
れる予定だ。国債買い戻し計画が期待外れに終わった場合に国際通貨基金(IMF)がギリシャ救済策への協調融資
を中止するのではないかとの懸念を、高官は一蹴(いっしゅう)した。
ただ、同計画に具体的にどのような期待が持たれているかには触れず、ギリシャ債務の持続性に関する評価作
業が進行中だと述べるにとどめた。
「(買い戻し計画に対する期待を)大幅に下回ることがあれば、ギリシャ向けプログラムの基盤が完全に有効
ではなくなる」と高官は指摘。そうなれば、27日に成立した同国債務削減に関する合意の構成要素を「全面的に
評価し直す」必要性が出てくると語った。
「そうは言っても、個人的には国債買い戻し計画が期待通りに機能すると確信している」と述べた。
3日の会合に先立ち記者団の取材に応じたこの高官は、財務相らはキプロスの金融支援策についても議論する
と語った。ただし、債券運用大手の米パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)が
同国銀行部門の資本増強ニーズについての独立監査を実施しており、この結果が発表されるまで最終決断は下さ
れない、と明かした。銀行部門への資本増強は同国向け支援策の大部分を占めると見込まれている。監査結果の
詳細は「来週末か再来週初め」に明らかになる見通しだと、高官は述べた。
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