ニューヨーク(ダウ・ジョーンズ)米連邦準備制度理事会(FRB)が9月21日に発表した金利に関する政策判断の声明
は次の通り。
米連邦公開市場委員会(FOMC)が8月の会合以降に入手した情報は、経済成長が引き続き遅いことを示している。
最近の指標は労働市場の状況が全体に依然として弱いことを示唆しており、失業率は高止まりしている。供給網
の混乱が緩和したため自動車販売がある程度回復したにもかかわらず、家計支出はここ数カ月、緩やかな増加に
とどまっている。非居住用建設物に対する投資は依然として弱く、住宅部門は不振な状態が続いている。しかし
、企業の設備およびソフトウエアに対する投資は、引き続き拡大している。今年はじめ以降、エネルギーおよび
一部商品の価格が以前の天井から下落したため、インフレは緩やかになったようにみえる。長期的インフレ期待
は引き続き安定している。
法定の使命に沿い、委員会は最大限の雇用と物価の安定を促そうと努めている。委員会は引き続き今後数四半期
にわたり回復ペースがやや持ち直すと予想しているが、失業率は委員会が二つの使命に沿っていると判断する水
準に向けて、緩やかな低下にとどまるだろうと予測している。さらに、世界的な金融市場の緊張を含み、経済的
見通しに対する大幅な下振れリスクがある。また、今後数四半期にわたり、かつてのエネルギーとその他の商品
の価格上昇の影響がさらに消えるので、インフレは委員会の二つの使命に沿った水準か、それよりも低い水準に
落ち着くだろうと委員会は予測している。しかし、委員会は引き続き、インフレとインフレ期待の展開を注視す
ることになるだろう。
より強い経済的回復を支援し、徐々に、インフレをその使命に沿った水準に確保するために、委員会は本日、証
券の持ち高の平均年限を延長することを決めた。委員会は、2012年6月末までに、残存年限が6年から30年の米国
債を4,000億ドル買い入れ、残存年限3年以下の米国債を同額売却する意向だ。この措置は、長期金利に低下方向
の圧力をかけ、幅広い金融状況を一段と緩和的にする助けになるはずだ。委員会は、証券持ち高の規模と構成を
定期的に見直し、適切にそうした持ち高の調整に備える。
住宅ローン債権市場の状況を支援するために、委員会はこれより、エージェンシー債とエージェンシーが発行し
た住宅ローン担保証券の持ち高の償還元本を、エージェンシーが発行する住宅ローン担保証券に再投資する。加
えて、委員会は、償還する米国債を入札時に買い換える既存の政策を維持する。
委員会はまた、フェデラルファンド(FF)金利の目標水準をゼロ~0.25%に維持することを決め、経済資源の低い
利用率と中期的に安定したインフレ期待をはじめとする経済情勢が、FF金利の並外れて低い水準を、少なくとも
2013年半ばにかけて正当化するだろうと委員会は現在、予想している。
委員会は、物価の安定との関連でより強い経済的回復を促すために、さまざまな採り得る政策手段を協議した。
今後の情報を考慮して経済的な見通しの評価を続け、適切にこれらの手段を講じることに備える。
FOMCの金融政策行動に対し賛成票を投じた委員は以下のとおり。ベン・バーナンキ議長、ウィリアム・ダドリー
副議長、エリザベス・デューク、チャールズ・エバンズ、サラ・ブルーム・ラスキン、ダニエル・タルーロ、ジ
ャネット・イエレン。
リチャード・フィッシャー、ナラヤナ・コチャラコタ、チャールズ・プロッサーは、現時点での追加的緩和政策
を支持しないとして、反対した。
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