日本の社会はどうなっていくのか?
菅総理を支持しないという世論が出来あがっているにもかかわらず、政局に緊張感が見られません。一方で日本の雇用状況も過去にない厳しさが見られています。今回は日本の現状を「政治と雇用」から見てレポートします。
昨日、通常国会が始まりました。結局、行政改革はほとんど行わず、役人の既得権益は「環境税4500億円」で大幅に増加しています。
そして、これで行政改革は終わって次は税制改革ですが、法人税は減税に、相続税や消費税、所得税という国民向けの税金は増税になるという結果になりそうです。
しかし、今の日本は不思議です。菅総理の政治能力がないということで国民のコンセンサスがほぼ出来あがっているのに、そして地方選挙で民主党が全敗しているのに、菅総理の交代論は民主党から全く出て来ません。小沢派の議員も首脳の行為に対して文句は言っても、菅総理の交代論には余り言及していません。
そして、国民も菅総理は駄目だが、自民党に期待しているわけではなく、昨年の参議院選挙から「誰も責任を取らない政治」が始まり、その流れは日本の政界に根付きそうです。責任を取ると学校で教わり、政治家になれば責任を取らなくても良いとなれば、ますます学校教育は意味がなくなります。
小沢氏がもうすぐ起訴されますので、菅総理は民主党内にライバルがおらず、自民党や公明党、共産党やみんなの党、社民党にも「次の総理」という人材がおらず、「無風地帯」を行くような気持ちでいることも責任に対する認識が甘くなった理由だと思います。
昔から、革命は「個人が政治をあきらめ、政治に憤りを感じなくなったときに起こると云われているそうですが、今回の菅政権に対しては「何を行っても無駄だ」「代わりもいない」ことで、国民は怒るに怒れないという状況に追い込まれています。
そして、こういう無力感の時に「歴史を作る政治家が現れる」のが歴史ドラマですが、実際はどうなりますか。
現実社会を見れば、非正規労働者の2/3の人の月収が5万~15年円で、親元を離れて独立出来なくなっていますし、2009年に1年間働いた日本人4650万人で、25%の人が年収200万円以下になっているという事実は、今後の日本社会の未来を暗示していると思います。
「一に雇用、二に雇用、三に雇用」といった菅総理でしたが、失業者が全く減らず、最後はタクシーの運転手をすれば食えると云われたのに、運輸省の失策でタクシーの運転手でも食えない世の中になっています。
更に、老後に貰える年金も「今後は減少し続ける」でしょうし、何処かで停止になるかもしれません。以前、大手週刊誌でゆとりある老後を過ごすためには、預金1億円が必要と発表しましたが、この記事が既に10年前の記事のように感じられます。
また、合理化で人員は今後も削減されます。以前、ある大手企業の従業員100名の工場がロボットによる合理化として90人以上の人員整理を行いましたが、10人で100人の時と同じ売上と利益を出しているそうです。今後は色々な企業で成熟型経済になった日本に適合出来るような人員削減を行いますので、今後も一部の金持ち以外の生活はますます苦しくなると思います。
学生の就職が難航しています。この難航は経済的理由もありますが、根本原因は「ゆとり教育」にあると思います。ケンミレは昨年4月に15人の新卒を採用しました。現在残っているのは1名ですが、去年入社した新卒には「共通点」があります。
それは「無責任さ」であり、「失敗してもすみませんと言えばよい」と思っていることであり、「上司や社長の指示に従わなくても良い」と普通に思っていることです。
今年4月入社の新卒は結局1名でした。しかも日本人はゼロでベトナム人のシステムエンジニアが1人でした。大卒の内定率が悪いと言われていますが、企業も仕事をすることがマイナスになる学生は取りません。入社されたくない学生が多いことが原因であり、学生にも大いに責任があると思います。
株式市場は再び戻り始めています。この値幅調整なき上昇は、昨年11月4日のFOMCの金融緩和から始まっていますので、上昇期間は間もなく3ヶ月になります。
2005年の上昇は調整なき上昇でしたが、一回目は97営業日の上昇で、二回目は約54日の上昇でした。今回は今日で54日経過していますので、今後は「何時、調整に入るのか」を注目することになりますが、2005年は急騰して調整ではなく、普通に上昇して、あるとき、突然、調整に入るという相場でした。しかも値幅調整といっても10%以内の調整でした。
この辺を参考に、今からの株式市場の動きを見るというのが、現時点の森田のひとつの見方です。
レポート担当:ケンミレ株式情報 森田 謙一