「やくざと抗争」
1972年 日本 93分
■監督:
佐藤純弥
■出演:
安藤昇
菅原文太
渡瀬恒彦
藤浩子
室田日出男
●あらすじ
昭和初期、帝国陸軍が満州平野へ侵入した頃、東京の新宿には
通称爆弾マッチと舎弟分のオートンの勝、フーテンの政、小光らの愚連隊が羽振りをきかせていた。
ある日、過激左派党員の坂野・吉川・坂本は、Mと呼ばれる政界の黒幕・高橋にそそのかされて銀行を襲う。
これは過激左派党をつぶすために特別高等警察と高橋のしくんだ罠であった。
(Amazon Prime Videoより)
★感想など
安藤昇の原作小説を基に制作された、実録路線の走りとなった映画らしい。
と言っても昭和初期が舞台だったり、着物にドスと、いわゆる任侠映画路線なのかな?
そう考えると、安藤昇のキャラクターも菅原文太のキャラクターも、ふくみがある訳ではなく
一つの個性で描かれている感じは、任侠路線ってそういう感じなのかなと妄想してみる。
これは後の「仁義なき戦い」のような、現代やくざ実録路線のキャラクター達との比較で
現代を舞台にしたやくざたちは、沢山の顔や喜怒哀楽を見せてくれて、人間くささ満開なところが最高だったんだが
本作もそうだけど、いくつかしか観ていない任侠映画のキャラクターって、様式美のような美しさを持ち
実録路線のキャラクターのような泥臭さとは対極だなあと、勝手に思ってたりします。
まあそうは言っても、安藤昇、菅原文太の二人は素晴らしい演技で観ていて楽しいが
一番やくざらしい演技だった、室田日出男が一番活躍していた印象が残るな。
と言っても彼だけは「仁義なき戦い」の時と、まんま同じ演技だったように映ったけどね(笑)