「キル・ビル Vol.1」
原題:KILL BILL: VOL. 1
2003年 米 113分
■監督:
クエンティン・タランティーノ
■出演:
ユマ・サーマン
デヴィッド・キャラダイン
ルーシー・リュー
千葉真一
栗山千明
ヴィヴィカ・A・フォックス
ジュリー・ドレフュス
劉家輝(リュウ・チアフィ)
大葉健二
マイケル・マドセン
ダリル・ハンナ
●あらすじ
ひとりの女が長い昏睡状態から奇跡的に目覚める。女の名は“ザ・ブライド”。
かつて、世界中を震撼させた暗殺集団の中にあって最強と謳われたエージェント。
5年前、彼女は自分の結婚式の真っ只中に、かつてのボス“ビル”の襲撃に遭い、
愛する夫とお腹の子どもを殺された上、自らも撃たれて死の淵をさまよった。
いま、目覚めた彼女の頭の中はビルに対する激しい怒りに満たされていた。
復讐の鬼と化したザ・ブライドは、自分の幸せを奪った者すべてを血祭りに上げるため、
たったひとりで闘いの旅へと向かうのだった…。
(TSUTAYA DISCASより)
★感想など
前から「キル・ビル Vol.2」をもう一度観たいと思ってたんだよね。
と言うのは「Vol.1」はマカロニ・ウエスタンを土台に、上に功夫映画が乗っかっている作り。
「Vol.2」はその逆との事だったが、昔「Vol.2」を観た時はまだ西部劇を全然観てなかった頃だった。
だからあんまり面白いと思えなかった「Vol.2」も、西部劇を観た後にもう一度観たら感想変わるのかなと思ってた。
そこで当時に比べれば沢山西部劇を観てきた今なら! と思って「Vol.1」から観返してみた。
まずこの「Vol.1」はすげー面白い。
いくつものオマージュを全くまぶす事なく、本当にそのままぶち込んでくるこのやり方!
恐らく当時のものを少しでも変えたらそれは冒涜にあたると、オタクな監督はそう思っているのだろう。
だから当時そのまま。だがこの辺が最高に楽しかった。
だが「Vol.2」はやっぱりつまらなかった!
30分で観るの止めちゃったから、西部劇どうこうとかちっともわかんなかった。
でもこれでいいや。
そう言えば今回久々に「Vol.1」を観直して気付いたのは、「Vol.1」って徹底的にブルース・リーへのオマージュだなと。
オーレン・イシイが青葉屋で投げた投げ矢は「燃えよ!ドラゴン」のあのパーティのシーンでメイ・リンが投げた矢のオマージュで
クレイジー88との闘い終盤戦でユマ・サーマンが二刀流になって敵の足元を切るのは、「ドラゴン怒りの鉄拳」で
ブルース・リーが冒頭で鈴木道場に殴り込みを掛けてヌンチャクを持った時のあの動きと同じだし、
そもそも「グリーン・ホーネット」の曲もそのままだしね。
タラもここまでブルース・リーが好きだったハズなのに、
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」ではヒドイ描写にしてリー・ファンを激怒させたんでしょう。
当然そんなもん観る気はしない。
と言うか私的にクエンティン・タランティーノの頂点は「キル・ビル Vol.1」と思っている。
オタク全開らしさと娯楽映画としてのバランスがちょうど良かった最後。
これから後はオタクの部分がどんどん肥大化していって、映画としては楽しめなくなっていったと感じている。
まあそこから観てないし、これからも観ようとは思っていないから別にイイんだけどね(笑)