私の図書館

主に読んだ本の感想。日常のできごと。

東野圭吾の夜明けの街で

2008年06月16日 12時24分56秒 | ミステリー
久しぶりに東野圭吾の本を読んだ。去年出版されたばかりなので、まだまだ新作なのだろうけど、いかんせんこの人気作家よく書くのでまたたく間に他の新作に追いやられた感がある.近著の流星の絆など評判がなかなかいいらしいけど、残念ながらこの"夜明けの街で"はあまりパッとした評書をみた記憶がない。ま-なにはともあれ図書館にあったのでかりてみた。


一応殺人事件をからませたミステリーなのだけど、テーマは不倫だったともう。ミステリーを期待して読んだらがっかりだと思う、動機的にもなんかイマイチだったし。細かいところで納得いかないところもあったし。しかし、不倫とくに男性の心理描写は実にリアルでおもわず作者の個人のことかと勘繰りたくなるほどであった。

普通のサラリーマンが"本気"の恋を不倫相手としていると思い、前半はかなりそんなドラマな自分に陶酔しているのだけれど、後半その相手に"結婚"や"将来"を約束しはじめてからこの関係が変わってくる。この相手が同僚の前で"結婚宣言"したりし始めてこのサラリーマン当惑する。不倫を本物にしようとしていたそんな自かっこいい自分などあっという間いなくなり、ただの小心な普通のサラリーマンに戻っていく。それでも"後悔しない"などとほざいているけど、内心びくびくしている自分。あーなるほどこういう風に"本気"の不倫が終わるのだなと妙に納得した本だった。渡X淳一などの不倫よりはおもしろいと思う。でも、買うほどのものでもないので図書館でどうぞ。