私の図書館

主に読んだ本の感想。日常のできごと。

横山秀夫のクラいマーズハイ

2008年06月03日 11時34分35秒 | ミステリー
この前、JALの話をしたので今回もまたまたJAL関係の本。
横山秀夫のクラいマーズハイ。 その名のとうり、山に挑戦するとその恐怖からハイな状態になることをいうらしい。
これは御巣鷹山を記事にした地方新聞とその記者たちそして新聞社に勤める人々の話。御巣鷹山は大惨事であるにもかかわらず、スクープとしてそれを見てしまう記者たち。直後、どこの記者が御巣鷹山にいち早く上るかを競い合い、飛行機の破片を'おみやげ"として拾っていったりと人間としての歪みを実によくかいている。
少し前に週刊朝日で御巣鷹山の記事を読んだのだけれど、生き残ったあの少女があの当時、たくさんの人たちが事故直後生きていたと証言している。この女の子の家族も含めて。みんなヘリコプターで助けがすぐにくると思っていたらしい。この女の子自身も、父親とヘリコプターの話をしたのを覚えている。来なかったけれど。うめき声が一晩中聞こえたけれど、翌日の朝までには聞こえなくなったらしい。
私もこの事故はよく覚えている。あのコックピットの中のやりとりが今でも生なましくのこる。

この作者、じつは自身も群馬の上毛新聞社の記者として御巣高山を取材している。