秋の読書週間。
読書ネタで。
2011年、日本人、ちょっと気合が入っています。
音楽界も、文芸も、作品に気合いが入ってる。
『「国家の品格」から6年。
渾身の書き下ろし。
日本人の覚醒と奮起を期待したい』
気合十分です。
藤原先生の「日本人の誇り」。
心から日本を愛し、真剣に日本の将来を憂えるからこそ、
未曾有の大震災に打ちのめされた人々の心を支え、
日本が抱える諸困難を解決し、復興への力を与えるのは誇りと自信であると信じ、
日本人に、叱咤とともに激励と勇気を与える本。
目からうろこでした。
日本人って、一般的に「だから日本人は・・・なんだよ。」と卑下しがちですよね。
その日本人の自己懐疑は果たして知的態度なのか、
というテーゼが様々な例が列挙されつつ、藤原流に反証されていきます。
日本人を骨抜きにしたひとつのファクターを過去の戦争認識と捉え、
その呪縛を解かんと、「真実に基づいていない」日本人の歴史認識への指摘に
かなりのページを割いていて、そこはちょっと読み込むのにしんどかったけど、
日本人がいかにステキで優れた民族である(あった)か、歴史の先生が教えてくれなかった、
優れた日本文明のすばらしさ(世界7大文明の1つと定義する学者もいるという)や、
5世紀から15世紀までの10世紀間に日本で生まれた文学作品が、
全ヨーロッパと比較しても、質および量で圧倒するという事実、
などなど、自信を失ってしまった日本人にエールを送るエピソード満載です。
こう言うと、ヒットラーのアーリア人優越主義みたいに聞こえるかもしれないけど、
決してそうではありません。
とにかく、元気出ます。
日本人でよかったな、みたいなね。
今春、日本を旅立つ同僚へのギフトはこれにしてみようかな。
日本人の誇り (文春新書)
藤原正彦/文藝春秋