湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

ストラヴィンスキー:兵士の物語(上演全曲版)

2007年06月28日 | ストラヴィンスキー
○作曲家指揮コロンビア室内アンサンブル、アイアンズ(ナレーター)(sony)1967,61,2005・CD

作曲家の残したセッション記録(組曲相当部分は組曲版として出ていたものを流用し、お蔵入りとなっていた僅かな後補(間奏)録音をあてはめている)に当初想定されていた演者本人を加えて取りまとめたもので、組曲部分については長年親しんできたものと全く同じなのでとくに耳をひくところはなく、間奏にしても要素は組曲に全て現れているものなので、贔屓聴きするならば「生き生きしている」とでも言うべきところなのだろうが、どちらかといえば全曲版を継ぎはぐための素材価値しかないと言わざるを得ない。ストラヴィンスキーはかなりこなれているとはいえリズム要素を浮き立たせつつも正確無比な表現を要求している。だからたとえばタンゴはタンゴとして聞こえない。それがストラヴィンスキー芸術であったりもするのだが。

兵士は元々上演用の演目なのだ。筋的にも古い童話をリメイクした皮肉たっぷりのもので、喋りが入ると非常にわかりやすい。したがってこの曲を音楽としてではなく劇伴として捉えている向きには格好の材料たりうるだろう。ちなみにリマスターも綺麗で聴き易くなめされておりかつての音盤よりも音自体向上している気がする。
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びっくりトレーニング

2007年06月27日 | Weblog
ひさびさのアンサンブルゆえ、またトリオ編成では休符を数えてやるのも大変なので最終手段、CDを聴きながらやる。

音源はいちばん遅いホロヴッツスターンロストロライヴ。





た、高い!!今までピッチを低めでやっていたので、かなりの違和感、しかもスターン、更に高めにとっていてへたすると半度高い!

さらにかなり勘違いや休符数え違いも判明。スピードが気ままにゆれるから更にわけがわからない。



ピンチ!前日金曜に賭けよう。
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チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」

2007年06月27日 | チャイコフスキー
○バルビローリ指揮ハレ管弦楽団(Guild他)1957/6/13・CD

これは他にも出ていたものだがバルビの感傷的な旋律回しが聴けるなかなかの演奏で、ただ録音の弱さだけが際立っている。guildは残響がうざい。ドラマチックな音楽は残響がなくても十分伝わるものだ。貧弱な録音から無印にしてもいいのだが、余りにロマンスの主題が美しいので○。
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チャイコフスキー:バレエ音楽「白鳥の湖」抜粋

2007年06月27日 | チャイコフスキー
○バルビローリ指揮ハレ管弦楽団(Guild)1950/10/17・CD

かなり生硬で凡庸な、かつ余りよくない録音なのだが何故○かといえば終曲の盛り上がりだけのためにつけたのである。発掘音源というのはおうおうにして名演とは程遠いものでありこれもそのほかの曲に特に聴くべきところはないが、ワルツの浮き立つ雰囲気は壮年期バルビの骨頂だ。○。
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リャードフ:交響詩「魔法にかけられた湖」

2007年06月27日 | ロシア・ソヴィエト
○バルビローリ指揮ハレ管弦楽団(Guild)1953/12/23・CD

ロシア国民楽派の前衛を張った隠れた立役者であるリャードフの、とくに驚異的な曲で和声的にもディーリアスらの現代的なひびきを先取りしている。そしてバルビはなかなか巧くその音響とハーモニーの特有さを引き出していて、世紀末的なロマンチシズムとともに妖しくしかし感傷的に紡ぎあげている。
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リムスキー・コルサコフ:スペイン奇想曲

2007年06月27日 | リムスキー・コルサコフ
○バルビローリ指揮ハレ管弦楽団(Guild)1953/12/20・CD

録音が旧く残響付加も耳に付き鑑賞に適さないが、牧歌的な雰囲気と弦楽合奏部分の表現の深さはイギリス曲を聴くように楽しめる。色彩とリズムが持ち味のこの曲はそもそもバルビ向きではないが。
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メシアン:神の降臨のための三つの小典礼

2007年06月27日 | フランス
○ヴァント指揮バイエルン放送交響楽団&合唱団、ヴィルツ(P)カヴァイユス(オンド・マルトノ)(Profil、Hanssler、BR)1966/1/21・CD

旋法的な部分とオンド・マルトノを取り除けばユニゾンが多くリズムも結構単純で一時期のストラヴィンスキーやオルフに似た音楽になるメシアンの宗教曲だが、逆に言えば最初の二要素だけで十分メシアンたりうる個性をはなっている。ヴァントはメシアンの世俗性を昇華させるのにはうってつけだったのだなあと思った。ストラヴィンスキーにも適性を示す「ナイフを持った指揮者」なので宗教性や神秘性に逃げず音楽を中宇でしっかり描きあげている。感動的な終幕においては壮麗なロマンチシズムを歌い上げ、またマルトノの異様な電子音を吹奏楽器として音色処理しているのがしっくりくる。これはなかなか。○。

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フォルトナー:オーボエと管弦楽のためのアウロディー

2007年06月27日 | ドイツ・オーストリア
○ヴァント指揮バイエルン放送交響楽団、フェイバー(OB)(Profil、Hanssler、BR)1966/1/21・CD

やや鈍重に感じた。現代音楽に対しても鋭い耳を持っていたヴァントだが、こういった硬質な音楽はあるていど清澄であることが必須と思う。となると緩慢なテンポやリズム感の希薄化は余りよろしくない。ヴァントがそこまでとは言わないが、ちょっとのんびりやさんに聞こえた。まあ、夏にはこういう脂質のない音楽が涼しい。○。
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チャイコフスキー:スラブ行進曲

2007年06月27日 | チャイコフスキー
○バルビローリ指揮ハレ管弦楽団(Guild他)1959/4・CD

guildはたまに初出音源が混ざる困ったレーベルだがこれは既出。比較的聴きやすい音に整えられている。牧歌的な雰囲気が支配的な行進曲になっていていかにもバルビというか「イギリスらしいスラヴ」だ。エルガーの曲と言っても通るのではないかというくらいに響きが整いテンポは客観的ですらあるが拍節感はそれほど損なわれない。爆発的威力はハレなので土台求めるのが無理であるが、比較的まとまって出来ているほうの演奏だと思う。ヴァイオリンにはもうちと謳う気持ちが欲しいが。曲の素直な面白さが出ている。guildはプレイヤーによっては外周(終わりのほう)が読み取れないことがある。CDはこれだからあかん。

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シベリウス:交響曲第3番

2007年06月27日 | シベリウス
◎アンソニー・コリンズ指揮ロンドン交響楽団(DECCA)1954/5/5-6・CD

モノラル録音の特性を生かしたダイナミックなアンソニー・コリンズのシベリウスが聞ける。凝縮された響きに男らしいロマンあふれる猛進、それが格調高くつづられる。かねて名盤と知られたこの全集は、長らく市場から姿を消していたが最近何度目かのCD復刻がされた。アナログで聴けばもっと迫力を楽しめるだろう。僅かな隙もない音楽の綴れ織を固唾を呑んで聞きとおす、そういったたぐいの演奏。名演!

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ドビュッシー:管弦楽のための夜想曲~雲、祭

2007年06月27日 | ドビュッシー
○オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団(SCORA)1958/5/30モスクワlive・CD

これはちょっとリアルに過ぎる。音が完全に「楽器の音」として分離して聞き取れてしまい、録音媒体にしては音色の混合具合を見ると言う「幻想的な楽しみ方」ができないぶん評価は余りできないかもしれない。即物的でまるでトスカニーニだ。しかしトスカニーニのレベルの精度、力強さは十分に獲得しているという意味も含めている。だから無印にはしない。
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ドビュッシー:三つの交響的エスキース「海」

2007年06月27日 | ドビュッシー
○オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団(SCORA)1958/5/29モスクワlive・CD

もちろん古い録音のしかも「CD復刻」のため最高評価にはしづらいのだが、音の密度・ボリュームと音量変化のすさまじさは並ではない(波だけに)。それもいつものフィラ管の少し砂糖の入った味の濃さではなく、ひたすらストイックな強さなのだ。パワーも技量も確実にロシアオケに対抗意識を燃やしているさまが聞いて取れて、いや、オケというのはつくづくこういうものなんだなあ、と思った。かなり凄まじい終演後のそれほどでもない客席の拍手は、政治的理由か?西欧なら文句なしにブラヴォの渦だろう(少しブラヴォも聞こえる気がするが)。○。

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ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシュカ」

2007年06月26日 | ストラヴィンスキー
スヴェトラーノフ指揮フランス放送フィル?(warner)1999/3/20パリ、サラ・プレイエルLIVE・CD

以前CLASSICALRECORDSから出ていたロシア国立SO名義のものと同じ。こちらのほうが生々しくリアルで補正もないが、なおさら白スヴェトラ全開な感じがあからさまで、余りに引いて落ち着きすぎ、音も透明すぎる。このへんはCR盤のほうに書いた印象とまったく同じ。ただ清澄な空気感と透徹したまなざしは晩年の指揮者の悟り切った心境をうかがわせ、ペトルーシュカのグロテスクな雰囲気をなくして聞きやすくしている。きわめて繊細な響きは弱音の鬼と化した客演指揮者時代を象徴するものだ。だぶって持つ必要はまったくないが、迷っているならCRよりこちらのほうがいい。春祭は既出メロディア録音の流用。つまりどちらも既に出ているものだったわけで(そのためか一部店舗は入荷を見合わせたようだ)、前情報にまどわされることのあほらしさを感じさせる(笑)実在するならブームのときにとっくに出てるって、秘蔵録音。この時期ならフランスもロシアもソリストほかいずれ個性がなくなっているのでオケにかんする確定的なことは言えないが、奏法はともかく楽器の音と表現からフランスオケというこちらの表記が正しいだろう。

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モーツァルト:交響曲第39番

2007年06月26日 | ドイツ・オーストリア
テンシュテット指揮ボストン交響楽団(WME:CD-R)1977/7/30live

さすがに終楽章こそ盛り上がるものの、そこまでの間が余りに緩くスカスカにきこえる。これはテンシュテットの特徴でもある「ドイツ的な構築性」を重んじたフォルムへのこだわりが、オケの内在する前進力と巧く噛みあわないところからきていると思われる。莫大で人工的、かつ録音も悪い。無印。

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ドビュッシー:交響的断章「聖セバスティアンの殉教」(キャプレ管弦楽編)

2007年06月26日 | ドビュッシー
○マデルナ指揮ケルン放送交響楽団(ARKADIA)1963/1/11live・CD

重くロマンティックな演奏になっており、しかしドビュッシーのこのころの作風を思うとそれはそれで正しいように思える。すっきりした初期ドビュッシー的な響きがスクリアビン的な妖しさとして演出される。マデルナの真骨頂とも言える。ドイツオケのひびきはその前時代性を更に引き立てるが、とりたてて違和感を感じさせるというまでにはいかない。聞き流せるたぐいの演奏ではないが、イマイチ茫洋とした録音の中にまま感動できる要素は秘められている、くらいか。○。

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