湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

マーラー:交響曲第4番

2007年12月30日 | マーラー
○ベイヌム指揮ACO、リッチー(sp)(DA:CD-R)1952/5live

基本的に剛直・テンション高留まりの、50年代にありがちな演奏スタイルだがちょっと技術的に軋みを生じている部分もあり、終楽章冒頭にいたり独唱とオケのテンポ感のズレという形ではっきり露呈してしまっている。リッチーの歌唱は落ち着いていちいち思いなおすような生硬なもので、オケ側がえんえんとスピーディな演奏を繰り広げてきただけにそれにあわせることができず、指揮者もどちらかといえばオケにあわせたまま調整しようとしているような感じだ。これはリッチーがKYなのかもしれないが(この「流行語」いつまで通用するんだろ)、この終楽章はちょっといただけなかった。最後はなかなかの詠嘆ではあるが。いちおう○。
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マーラー:交響曲第9番

2007年12月26日 | マーラー
○セル指揮クリーヴランド管弦楽団(MEMORIES/ARKADIA他)1968/5/9live・CD

セルの9番ライヴはこの録音しか残っていないか。初出はモノラルだがほんらいはステレオのエアチェックもののようである(MEMORIESやCD-Rはステレオ)。重厚な語り口でしっかり表現していくもので、迫力がある。録音が撚れ気味で、音量にも録音起因の揺れがあり聴きづらいが、一応ステレオなりの立体感は保たれており、セルがけしてせせこましい音楽を指向していたのではないことがわかる。マーラーらしい聴感の佳演になっている。まあ、セルはあくまでクリアな録音でこそ活きてくる精度を持っていた人であり、正規ですら物足りない録音が多い中、この音質でも少々きついかもしれないが。○。
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ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ

2007年12月26日 | ラヴェル
○カンテルリ指揮NBC交響楽団(ASdisc)1951/12/1live・CD

あくまで醒めているが、弦楽器がテーマを接ぐところでデリケートな音がそっとルバートして入ってくるところなどなかなかの配慮である。録音がけしてよくないので細部はわからないが、詠嘆の表現なども「カンテルリ意外とやるなあ」と思わせる。○。
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ラヴェル:ボレロ

2007年12月26日 | ラヴェル
○カンテルリ指揮NYP(ASdisc)1954/3/19live・CD

打楽器的な演奏というか、とてもリズムが明瞭で切っ先が鋭い。録音はやや悪いがカンテルリの(色艶はなくとも)鋭敏な耳と確かな腕がオケを細部まで統制しきった演奏ぶりがうかがえ、演奏者も盛り上がれば聴衆も熱狂する。NYPにこういう演奏をさせるだけでも凄い。○。
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ラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第二組曲

2007年12月26日 | ラヴェル
○カンテルリ指揮NYP(ASdisc)1955/3/20live・CD

迫力たっぷりの演奏でカンテルリのライヴにしては音はいいほうではないか。若さゆえかオケのゆえかけして熱や艶を帯びることはないけれども突進するようでいて音量の非常なる変化や明瞭なアタックでドライヴしてゆくさまはこの指揮者がまさに脂ののりきった時期にさしかかっていることを示している。惜しい人材ということだ。客も盛り上がる。○。
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マーラー:交響曲第9番

2007年12月26日 | マーラー
○ベルティーニ指揮VSO(WEITBLICK)1985/2/3LIVE・CD

どんなに技術的瑕疵が多くても、歌謡的なマーラーにはウィーンのオケが最も似合う。ベルティーニは見通しよくかつかなり激しいアタックで切り裂くような硬質の表現をめざしているがオケは指揮者の構造に対する鋭い感覚を従順に受け入れつつも容赦なく歌うところは歌い、結果として、旋律とそれにからむ対旋律しかない単純さの目立つ、和声的に空疎な部分の多いこの曲の、本質的な不可思議さがそのまま浮き彫りにされ、効果的にマーラー晩年そのものの魅力が生きてきている。すばらしい記録であり、VSOにしては出来がよく、ベルティーニにしては激情的、聞いて損はあるまい。私は後年のものよりおおいに買う。
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バルトーク:管弦楽のための協奏曲

2007年12月25日 | 北欧・東欧
○アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団(Lanne:CD-R)1950年代live

ちょっと類をみない演奏である。押しの弱さ、一部演奏陣の技術的な弱さが感じられる反面、ロシアものでならしたアンセルメ特有のリズム表現の絶妙さが指揮者への信頼のもとに築かれた丁々発止のアンサンブルに反映され、透明感ある(土臭さのまったくない)音楽を感興的に描き出している。見通しがいいだけに違和感も感じさせるかもしれないし、バルトークにしては翳りがなさすぎるとも言えそうだが、フランス的演奏といってもいいこの表現がほぼ同時代になされていたことは注目に値する。海賊盤にしてはまあまあ音はいい。○。
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ヴォーン・ウィリアムズ:カンタータ「ドナ・ノビス・パセム」

2007年12月25日 | ヴォーン・ウィリアムズ
○作曲家指揮BBC交響楽団、合唱団、フライン(Sp)ヘンダーソン(B)(SOMM他)1936/11放送録音・CD

SOMMは正規盤としての初リリースとのことだが既出盤と音質的にはそれほど変化はないようだ。ダイナミックな演奏で覇気があり(そういう曲なのだが)、歌唱・合唱のドライヴの仕方が非常にプロフェッショナルに感じる。比較的有名な録音であり、曲自体も合唱曲好きには知られているもので、私は余り合唱曲は得意ではないけれども、人によっては楽しめるだろう。○。
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オスカー・ピーターソン氏死去

2007年12月25日 | Weblog
やはりあれが最後だったかー。。聞きにいけばよかった。。
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なつかしきヴィトゲンシュタイン

2007年12月21日 | Weblog
マーラーの「夜の歌」がたまたま録画されていたので終楽章だけ見る。スヴェトラーノフのN響ライヴである。ずいぶんとメンバーチェンジもしているのだなあ。スヴェトラの音楽もまさかこんなにすぐ聞けなくなるとは思っていなかったし、N響客演にかなり力を入れていたことが改めてわかる。特有の音響感覚にいわゆる爆演型の解釈を(大人しめではあるが)くわえた、こんな人はもういないなやはり。フェドも大人しくなってしまった。晩年とはいえテンポはそれほど落ちず(あのテンポダウンは振れるオケが技術的に困難をかかえたところ(ロシア響含む)ばかりになってしまったせいもあるのだろうな)、ずいぶんと熱した演奏でもあり、フリークの大ブラヴォに対しロシア楽団との来日公演では余り見せなかった暖かな身振りと満足げな所作をしてみせている。けっこう録画や録音に失敗して、この次の諏訪内さんとのグラズノフのコンチェルトは撮れてないのだが、一連のスヴェトラ客演記録はいつかまとめてほしいもんだ。数的にも限られているだろうし、一流以外のオケに対するスヴェトラがいかに懇切丁寧な指揮をこころがけていたかビジュアル的にわからしめるうえでも、また、この人を忘れないためにも~音盤だけだと30年前の「ロシアもの専門ソヴィエト指揮者」イメージに世評が戻ってしまう。年末とか、ベト9あたりやってもおかしくないのにな。ちょっとテープが劣化している。うーん、旧いテープのたぐいはいつかどうにかしておかないとなあ。

スヴェトラはやはりストコに似ている。コーダを聴いて思った。
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ブラームス:交響曲第3番~Ⅰのリハーサル部分抜粋

2007年12月21日 | ドイツ・オーストリア
クレンペラー指揮ニュー・フィル(archiphon:CD-R)1971live

ごく短い。晩年にしては意外と力のある表現。クレンペラーの伝記映画に収録した、その音だけを採録したもので評価外として無印。
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マーラー:交響曲第2番「復活」~Ⅰ、Ⅱリハーサル部分抜粋

2007年12月21日 | マーラー
クレンペラー指揮ニュー・フィル(archiphon:CD-R)1971live

ごく短い、自由な雰囲気の切り取られた情景。晩年らしい遅いテンポと重く確信に満ちたリズムのみが伝わる。ドイツ臭い英語ははっきりしており、老年の衰えは指示にはあらわれない。一楽章の冒頭を含む二箇所ならびに2楽章一部のリハ抜粋をクレンペラーの伝記映画に収録した、その音だけを採録したもので評価外として無印。
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ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第8番

2007年12月21日 | ヴォーン・ウィリアムズ
○ストコフスキ指揮BBC交響楽団(IMP/BBC/M&A他)1964/9/15プロムスlive・CD

有名な熱演で私も大好きだったが改めて冷静に聴いてみるとどうも演奏精度に問題がある。ブラスが特に乱れがちで、ブラスだけによる2楽章スケルツォは書法あるいはスピードの問題でもあるが冒頭からガチャガチャずれてしまい、つんのめったまま終わる。反して1、3楽章は深情篭り素晴らしく、特に弦楽器のフレージングやアーティキュレーション付けが美しいのはストコの技でもある。4楽章の壮麗なお祭り騒ぎも含め全楽章通して速いテンポで一直線に突き進むこの演奏は、ライヴとしては盛り上がるものであり、精度に耳を塞ぐことができればとても楽しめるが、RVWの精妙な書法を味わいたい向きには向かない。○。
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ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ

2007年12月20日 | ラヴェル
○C.ボナルディ(Vn)ノエル・リー(P)(ACCORD)1987・CD

やはりボナルディが弱いか。ノエル・リーは主張しないピアニストだが粒だった音で余りペダリングせずにとつとつと音を並べていくさまが素朴で繊細で素晴らしい。女性的な演奏。残響がやっぱり多すぎるなあ。
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フォーレ:弦楽四重奏曲

2007年12月20日 | フランス
○プロ・アルテ四重奏団(HMV/biddulph)1935/11/19・CD

押し付けがましくない、抽象的で仄かな思いのみ宿る率直な芸風は曲によくあっている。このフォーレ晩年の素直な感傷が語られる作品で、思いっきり歌ってしまうのもまたアリかもしれないが、このくらいに留めて置かれると却ってフォーレ的に感じられ、印象的だ。クレットリをはじめこの絶筆に同時代の奏者はかなり食いついており録音も比較的多い。この演奏は音色以外は主観的でないぶん、染み入るような抒情をかみ締めることができる。○。
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