クレンペラー指揮LAフィル(DG)1945/12live・CD
録音はえらくパチパチ塗れだがスピーディーで意外と聴ける演奏。クレンペラーなので揺らしたり当意即妙な演出は一切しないが、カラフルが持ち味のオケは映画音楽で培った腕なのかウィーン風の生ぬるい響きも持ち込んで一味加えている。常時よりも引き締まり精度の上がった演奏ぶりはクレンペラーとの相性か。まだ古いクレンペラーのスタイルを楽しみたいなら。ロス・フィル百周年ボックスのおまけ収録。
![]() | ヒンデミット | バルトーク | ベルリオーズ / ユージン・オーマンディ | フィラデルフィア管弦楽団 (Hin... |
ユージン・オーマンディ,フィラデルフィア管弦楽団,ヒンデミット,バルトーク,ベルリオーズ |
ゴラン(Va)作曲家指揮スイスロマンド管弦楽団(forgottenrecords)1959/11/18放送live
ヒンデミットにしては著名なのは近代にヴィオラ協奏曲が少ないこととこの題名のせいだろう。三楽章変奏曲に使われるドイツ古謡が「白鳥を火の上で回し焼く人ではないですね」だから。この曲は1935年作品で、部分的に耳に痛い現代的な音を使ってはいるが、独自の語法のような部分はさほど目立たず、旋律は追いやすく、おおむね民謡主題に沿ったわかりやすい表現をとっており、同時代の世界的な民族主義音楽の傾向に歩調を合わせた作品と言えるかもしれない。ヒンデミットの指揮は達者だが、作曲家指揮者にありがちな固さが出て、柔軟な音楽のドライヴはできない印象があるが、これはソリスト主導のうえ割とこなれたところを聴かせてくる。三楽章は終盤まとまりなく前に向かわず、という感もあるが、変奏曲ってそんなものか。モノラルだが音撚れもなく、聴きやすい。ソリストはヴァイオリン的な音で精度高く聴かせるタイプ(わりと音域が高い曲ゆえキツい音も聞こえてくる)。