◎ハイフェッツ(Vn)ウォレンシュタイン指揮ロス・フィル(RCA)1953/1/10・CD
ハイフェッツの美音が抜群に冴え渡っている!!即物主義的な演奏も行うハイフェッツの、これは非常に共感の篭ったロマンティックな演奏である。この音の艶、音色の多彩さ、ボウイングの巧さ、すべてにおいて完璧である。コルンゴルドは19世紀末のウィーンに生まれ、11歳で早くも作曲を開始、シェーンベルクの師匠で知られるツェムリンスキー他に学び、早熟の天才として名をあげたものの後年ナチの台頭でヨーロッパをはなれアメリカに移住。ハリウッドに居をかまえ多くの映画音楽を手がけた。この作品は1947年に初演されたアメリカ時代のもので、世紀末ウィーンの情緒(マーラーやリヒャルトの世界)を基軸とはしながらも、アメリカ的な軽いモダニズムを盛り込んだ、さながらウォルトンのコンチェルトを彷彿とさせるシャープな透明感も持ち合わせるようになってきている。冒頭の生ぬるい(でもカッコイイ)旋律ひとつをとってみても映画音楽的(いや、リヒャルト的)であることは歴然。その点バーバーのコンチェルトに似た感じも受ける。それでも個性的であり、コルンゴルドにしか描けない「色」がある。独特の技巧を盛り込んだソロはけっこう難度が高い。近年とみにヴァイオリニストの注目を受けている。この人の旋律は同じ音の間を半音階的に行ったり来たりするような、ちょっと聞き耳に残りづらいところがあるが、慣れればハマることうけあい。今、旬の作曲家!?,
ハイフェッツの美音が抜群に冴え渡っている!!即物主義的な演奏も行うハイフェッツの、これは非常に共感の篭ったロマンティックな演奏である。この音の艶、音色の多彩さ、ボウイングの巧さ、すべてにおいて完璧である。コルンゴルドは19世紀末のウィーンに生まれ、11歳で早くも作曲を開始、シェーンベルクの師匠で知られるツェムリンスキー他に学び、早熟の天才として名をあげたものの後年ナチの台頭でヨーロッパをはなれアメリカに移住。ハリウッドに居をかまえ多くの映画音楽を手がけた。この作品は1947年に初演されたアメリカ時代のもので、世紀末ウィーンの情緒(マーラーやリヒャルトの世界)を基軸とはしながらも、アメリカ的な軽いモダニズムを盛り込んだ、さながらウォルトンのコンチェルトを彷彿とさせるシャープな透明感も持ち合わせるようになってきている。冒頭の生ぬるい(でもカッコイイ)旋律ひとつをとってみても映画音楽的(いや、リヒャルト的)であることは歴然。その点バーバーのコンチェルトに似た感じも受ける。それでも個性的であり、コルンゴルドにしか描けない「色」がある。独特の技巧を盛り込んだソロはけっこう難度が高い。近年とみにヴァイオリニストの注目を受けている。この人の旋律は同じ音の間を半音階的に行ったり来たりするような、ちょっと聞き耳に残りづらいところがあるが、慣れればハマることうけあい。今、旬の作曲家!?,