20世紀ウラ・クラシック!<最新版>

このページは、19世紀末から20世紀の末流ロマン派クラシック音楽に焦点を当て、同時代の録音評を中心に紹介しています。

オネゲル:オラトリオ「ダビデ王」

2007年11月30日 | フランス
J.ジットン指揮セント・ソリ管弦楽団、パリ大合唱団、ガイヤール(CA)(musidisc)作曲家監修

終始軽い!明るくてこじんまりとした演奏。ドロドロや爆発的な開放感とは無縁で、起伏に欠ける。自作自演とは全く違う印象(オケの差、スタジオ録音ということもあるだろうが)。流れはいいが、聞き流すには長すぎるし、それでも耐えて有名なアレルヤ大合唱のカタルシスを得ようと思ったら大したパワーもなく終了・・・監修はオネゲルのことだからしっかりやっているとは思うけど、一つには編成が小さいこと、もう一つには「スタジオで理想どおりに音を整えるとこうなってしまう」ということか。綺麗だが無印。
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手が出ない

2007年11月29日 | Weblog
アメリカものはアメリカの店に頼むと高くつくんですよね。。
アイヴズのサインが3年ぶりに出たんですが、$2,000て・・・契約書もので名前しか書いていない・・・それってうちのマーラーより高いっす・・・円高とはいえ一般人には手が出ないです。ちなみにサンサンの書簡は7万円くらい。あんだけたくさん出てるのに下がらないガーシュインよりは安いけど、こりゃ高すぎる。アイヴズはRVWと並んで私の精神的支柱になっている作曲家ですが、気長に待ちましょう、もっと安いのが別の国から出ることを・・・まあ、ないでしょうけど。
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サン・サーンス:交響曲第3番「オルガン付」

2007年11月27日 | フランス
○ミュンシュ指揮ボストン交響楽団(DA:CD-R)1963?/2/2live

サンサンは古めかしいけど男らしい旋律や意表を衝いた転調が素晴らしくカッコよかったりする。ワグナーだろうなあ、フランクよりもワグナーに近い。ベートーヴェンやブラームスの世界の延長上という意味ではロシア折衷派の交響曲にも近い。録音は無茶いい。オルガンの響きもよくとらえられている。よすぎるがゆえに偽演な気もしてしまうのは最後のフラブラのわざとらしい重なりかたからきている感想だが途中環境雑音をかんがみると良好なエアチェックと考えるべきか、そもそもマスターものか。パイプオルガンの導入は賛否あるが、古風な響きに重なるさまは奇妙にマッチして面白い。サンサンはけっこうこういう冒険をする職人作曲家だ。コテコテのロマン派音楽に古典派の教会向けオルガン曲をかぶせたよう。ピアノの導入もまたあざといくらいに効果的である。このへんが後代の先鋭な職業作曲家にも一目置かれていたゆえんだろう。じっさい交響曲でピアノの走句を効果的に導入するという実験はいろんな20世紀作曲家、特にロシア人たちに受け継がれてゆく。ミュンシュは殆ど音楽と同化し、内部からひたすらドライヴし締め上げていく感じ。ブラームス的に緊密な2楽章第一部ではきほんアグレッシブで、緩徐部の「半音階旋律」でも余り感傷的な表現がみられないが、これがミュンシュだろう。爆笑問題のCMでお馴染み、まさに教会音楽的な古風な壮大さを煽る2部でのオルガンはやはり圧倒的で、その後ミュンシュの手をもってしても「竜頭蛇尾」的なすぼまり感は否めないが、そこそこ盛り上がり暖かいフラ拍手で終わる。○。
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マーラー:交響曲第2番「復活」

2007年11月27日 | マーラー
○ハーパー(Sp)ソッフェル(A)テンシュテット指揮ロンドン・フィル(VIBRATO:CD-R)1981/5/10live

凄まじいライヴ記録だがそれ以上に録音状態が凄まじい。細かく継ぎ接ぎしてあるらしく概ね物凄く聞きづらい。終盤のノイズも耳やかましい。一楽章は良好なステレオ部分と物凄いノイズまみれ左右バランス偏りまくりのステレオ部分が入り混じり、一部欠落もしている。これらだけでもう、販路に載る音盤としてはアウトだろう。テンシュテットマニアだけが聴けばいい。演奏自体はテンシュテットなりの熱のこもったネットリしたフレージングと重く盛大な響きの支配する、かなり「やりまくった」ほうの演奏だと思うが、基本的にテンシュテのマーラーは「空疎」である。マーラーの書法自体がそうとも言えるのだが、テンシュテは余りに一音一音を厳しく整え過ぎる。音と音の間に風を通しすぎて、いくらロマンティックな解釈を施しても、何かしら「軽さ」を感じてしまう。群小指揮者にはないマーラー指揮者としての力があることは確かだが、方法論は寧ろブルックナー向きだと思う。クライマックスの物凄いスケールはまさに後期ブルックナーのさばき方であり、チェリのブル8を彷彿とさせるそのスケールには「そりゃライヴで見てる奴らはブラヴォ叫ぶわな」という感じ。このブラヴォはとりわけ凄まじい。そこを買って全般としては○としておく。
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ラヴェル:序奏とアレグロ

2007年11月27日 | ラヴェル
○ミラノ・スカラ座四重奏団、アッピアーニ、ペローソ、ピストーア(mercury)LP

雰囲気は満点であるものの、少し技術的瑕疵が認められる。それはロマンティックな崩しからくるものではないか。ラヴェルは少しでもルバートして崩すと全体のパズルめいたフォルムが狂い崩れてくる。その点だけ気にはなったが、往年の演奏スタイルでこの曲を楽しめるという意味では価値はある。音色もハープをはじめよい。○。
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ラヴェル:ソナチネ

2007年11月27日 | ラヴェル
○ジェルメーヌ・ルルー(P)(mercury)LP

トンデモという言葉を極端に嫌う私だがこれはまさにトンデモ演奏。1楽章の極端なテンポルバートは奇妙なペダリングによってほとんどパウゼに聴こえるし(これが旋律線を完全に分断するので音楽が不規則に途切れるのだ)、3楽章では主音が装飾音の残響に埋没してしまい、リスト的なグランドソナタっぽい表現が一切そう聴こえない、多分この二つの楽章に関しては曲を知らない人が聴くと「わけがわからない」という感想しか残らないと思う。しかしバリ弾きタイプのピアニストであることは確かで、後期ドビュッシー的なこの簡素な曲では確かにほんとにバリ弾きなのかどうかわからないが、少なくとも3楽章で指のもつれる心配は一切いらないレベルではある(この時代ではそういうプロ奏者もありえた)。すれっからしが面白がって聴くたぐいでは十分にある。前時代的なロマンティックな激情の表現を、このような小曲でよくもあけすけにやったもんだという一種感服もあり、無下に扱えないと思うのはタッチの繊細さにも起因していて、フランス派的な音は素晴らしく透明で粒立ち綺麗だ。録音が2楽章だけ何故か悪い。全般モノラルのそれほどよくない音なだけに最大評価はできないが、今やったらきっと先生に怒られる解釈。いや昔でさえ、ラヴェルが聴いたらグランドピアノをひっくり返すくらいの解釈。こんなソナチネ初めて聴いた。びっくりした。療養中の私にはちょっときつかったけど。ミラノ・スカラ座四重奏団ほかの「序奏とアレグロ」とのカップリングの小盤。こういうものほど単独ではCD復刻されにくいのでけっこうプレミアがつくのであるが、それがいいことなのかどうか、私は首をひねる。ほんまもんのコレクターはそれでいいと頷くのだろうなあ。いや小編成の曲はアナログの音に限るとマニアな一言を添えて○。
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マーラー:交響曲第6番「悲劇的」

2007年11月25日 | マーラー
○ゴルトシュミット指揮BBC交響楽団(WME:CD-R)1962live

ゴルトシュミットというとデリック・クックとともにマーラー研究で有名な人だが指揮記録というのは珍しい。オケが現代的な機能性をもったオケだけにゴルトシュミットの見通しいい解釈をただ音にするだけではなく伸びのある表現で増強している。分析的な表現といえばそれまででホーレンシュタインのものに似ている。がっしりした枠組みの中に独自の変更(というか恐らく根拠はあるのだろうが)を加えたものでアナライズ好きにはアピールするだろう。普通に聴いてもまあまあ面白く聴けるし、しろうとではないことは確かだ。ただひたすら録音が茫洋としていて迫力も音量も無い。だからどうも、インパクトがない。解釈自体が熱情的でないだけに昔のブーレーズの演奏に似ていなくもなく、マデルナとまではいかないが、作曲家兼指揮者の解釈に近い不思議な表現を持っているところも賛否わかれるだろう。1楽章の提示部繰り返しあり、2楽章はアンダンテだ。○にはしておくが、音が悪いことと終演後ぷつりと切れてしまうところ(どこか欠落があるようだが気がつかなった)など盤としての瑕疵もあり、無印寸前か。
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バルトーク:アレグロ・バルバロ

2007年11月24日 | 北欧・東欧
作曲家(P)(HUNGAROTON)1935/1/31ヒルバーサム・CD

シリンダ録音らしく極端に音が悪い。だが貴重な記録としては聞ける。無印。
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バルトーク:ヴァイオリンのための第一ラプソディ

2007年11月24日 | 北欧・東欧
◎シゲティ(Vn)作曲家(P)(COLUMBIA/HUNGAROTON)1940/5/2NY・CD

ワシントン図書館のライヴと録音状態が違うだけだがこちらのほうが聞きやすいか。詳しくはあちらの寸評を。シゲティは凄い。◎。
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バルトーク:ヴァイオリンのための第一ラプソディ

2007年11月24日 | 北欧・東欧
ザスレッキ(Vn)作曲家(P)(HUNGAROTON)1939/11/4live・CD

非常に状態が悪い。シリンダ録音らしく何度も途切れ独特のノイズが耳を打つ。ザスレッキはかなり前時代的な大見得を切るかっこうの演奏振りで、ちょっと違和感を覚えるが技術的にはまあまあちゃんとしているようだ。ピアノはよく聞こえない。前説や拍手がつき、ほんとのライヴのようだ。無印。
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マーラー:交響曲第6番「悲劇的」

2007年11月24日 | マーラー
○ノイマン指揮チェコ・フィル(SUPRAPHON)1979/4/24-28・CD

牧歌的と思うなかれ。トスカニーニを彷彿とさせる突進するテンポの上に、粗野さもあるものの起伏の大きなダイナミックな音楽を、チェコ・フィルの未だ独特の表現をもつ技術力の高さが支えているさまはなかなかによい。弦楽器の東欧的な艶やオーボエをはじめとする美しい響きの木管、強靭なブラスがロシア的とも言うべき雑味の中にもバイエルン放送管のようなライヴ性溢れる魅力をはなっている。悲劇的が「劇性」を交響曲の峻厳な枠組みの中で表現したマーラーの型式音楽における極地とすると、ノイマンはその劇の部分をとても大事に表現している。若々しさすら感じるものゆえ円熟味は無いが、6番がとりわけ好きな人は好きな類の演奏だと思う。浅薄な部分もあるかもしれないが、録音のせいとも思える。名演とは言わないが楽しめる演奏。スケルツォの表現の面白さはノイマンとチェコ・フィルの丁々発止のやり取りに尽きるし、3楽章の美麗さも深い感傷性に裏付けられている。終楽章のハンマーの金属質の打音に戦慄せよ。○。1楽章提示部の繰り返しをやっている。

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ワイエンベルク

2007年11月23日 | Weblog
ドライなピアニストが好きです。しかしだからといって繊細な音に何か意味が感じられないと厭だ。ミケランジェリはドライなだけってかんじがする。ワイエンベルクを好きな人は多いと思いますが、私も好きですねー。フランセとかシャンドールとかヴィニェス系のメイエルとかファルナディとか好きだなあ。
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オテスコ:歌劇「デ・ラ・マタイ・シタイア」序曲

2007年11月23日 | ?よくわからない?
○エネスコ指揮NYP(DA/Lanne:CD-R)1937/1/31live

エネスコの指揮は非常に俊敏で一時的にフォルムか崩れる(ここでは縦線がずれる)のも厭わず強引に推し進めることで全体の流れを巧く作る特徴がある。弦楽器の音色への拘りは自身の演奏で聞けるようななんとも前時代の芳香漂うものとしてここでも提示されている。それはやわで繊細なものではなくむしろ積極的にグラマラスなことをアピールしてくるようなものだ。曲は詳細不明である。二曲が抜粋されているが、同時代の比較的わかりやすい音楽からの影響を受けたリズミカルなもので、端緒や背景に前衛的な響きやポリリズム的な進行を配置してはいるものの、旋律性が強く否応なく愉しませる。ヘブライ風の音律は作曲家の背景を示しているのだろうか。そのせいか2曲目がプロコのヘブライの主題による序曲をもろに髣髴とさせるものとなっており特徴的である。管弦楽にピアノを入れるのはプロコもストラヴィンスキーもショスタコもやっているがちょっとあざとくずるい感じもする。一曲めに戻るとそこにはドビュッシーの影響の強い、印象派風の音響ともっとロマンティックな時代の旋律音楽の残響が聞かれる。色彩的な音はなかなかに面白い。録音はきわめて悪質。○。
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喪中の範疇ではありませんが・・・

2007年11月22日 | Weblog
年頭の挨拶をご遠慮させていただきます。

本年中に賜りましたご厚情に深く感謝いたします。

来年も変わりなくおつきあいのほどよろしくお願い申し上げます。

平成十九年十一月

岡林

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ジョリヴェ:弦楽のためのアンダンテ

2007年11月20日 | フランス
ブール指揮シャンゼリゼ歌劇場管弦楽団(EMI)CD

前半はひたすら分厚い不協和な和声のうねりで非常に聞き辛い。無調やセリー慣れした人のほうが聞くに堪えないと思う。非構造的なジョリヴェの書法はどんどんドツボにハマっていくようで、はっきり言って弦楽合奏でやる意味すらわからない、室内楽で十分だ。無駄な規模の拡大はジョリヴェの持ち味とも言えるけれども。中盤より音が整理され音域が上がっていくと、おそらく狙いどおりに清新な響きが支配するようになり、依然非構造的ではあるが動きも若干出てきてあざといくらいに美が発揮されるようになる、だがこれもブールの腕により「聞ける音楽」に仕立てられているだけなのかもしれない。本来の意図は無秩序な音の押し付けがましい暑苦しさか、ウェーベルンはおろかベルクすら舌を巻くような鬱進行に、演奏以前に無印。
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