湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

ヴォーン・ウィリアムズ:グリーンスリーヴス幻想曲

2013年04月30日 | ヴォーン・ウィリアムズ
○ストコフスキ指揮NYP(columbia/sony)CD

手堅い。あえてモノラルで聴く意味は余り無いし、ソリストにも特筆すべきところは無い。僅かなポルタメントにSP時代のNYP弦楽の演奏スタイルが覗える。そんなところか。6番とのカップリング。
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ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第6番

2013年04月30日 | ヴォーン・ウィリアムズ
○ストコフスキ指揮NYP(columbia/sony)CD

とてもわかりやすい。ささくれだった曲を、叙情的な旋律と扇情的な律動を強調することにより、またこの強力なオケの、とくに弦楽の力感溢れるアンサンブルによって他の曲同様の感興を与えることに成功している。4楽章だけはさすがに叙情的というのは無理があるが、感情に訴えかける暗い幻想を提示して秀逸だ。分かりやすさを求めるがゆえいじっているような箇所も見受けられるが、ストコフスキー特有の拡散的でだらしない響きとかそういったものは微塵もなく、楽団の求心力の強さがストコの芸風を補い、多少バラけつつも佳演に仕上げているようにかんじた。グリーンスリーブス幻想曲とのカップリングでSP初出。
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シュタルケル死去

2013年04月28日 | Weblog
この人は伝説的なチェリストのイメージがあって、コダーイと強く結びついたイメージがあって、私の守備範囲からは外れていたのだが、このニュースの写真で背景に写り込んでいるのがこれも今や亡きロストロ先生であり、ロストロ先生が生ける伝説であったことを思うと、時代は確実に移り変わっている。

http://indianapublicmedia.org/news/world-renowned-cellist-janos-starker-dies-88-48050/
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ボロディン:弦楽四重奏曲第2番

2013年04月26日 | ボロディン
○リムスキー・コルサコフ四重奏団(ARS)CD

一楽章はこんなものかなという無難さ(けして激烈上手くはない)があったが二楽章は素晴らしかった。ジャズでも使われる魅力的なワルツ主題の表現が夢見心地、サンクトペテルブルグの弦楽の伝統を感じさせる細かいヴィブラートが耳を打つ。ちょっと硬い音ではあるが録音が余りよくないせいもあろう。三楽章もその流れで美しいが無難といえば無難。四楽章はそのまま盛り上がる。○。
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シベリウス:交響曲第4番

2013年04月24日 | 北欧・東欧
○ビーチャム指揮BBC交響楽団(somm)1951/10/4live・CD

最初ロンドン・フィルと間違えてて、やけにキレがよく引き締まってるな、とか、いやに分厚くて充実した響きがするじゃないか、いやうまい、と感嘆してたらBBCだった。短い音符のアクセントを強くつけ水際立った表現はシベリウスののっぺりしがちな弦楽合奏を引き締めて、最初別の曲かと思うくらいリズミカルでのりにのっている。だが、、、曲のせいか、、、飽きてくる。単調というか。。ビーチャムのもたらす緊張感は並ならぬものがあるが、シベリウスの精妙さを味わうには、、、録音が悪過ぎる!板起こしのノイズまみれ、これは非正規版並だ。マルにはしておくが、薦めない。
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グラズノフ:弦楽四重奏曲第5番~Ⅱ.

2013年04月24日 | グラズノフ
○グラズノフ四重奏団(MUStrust)1930年代?・SP

速い。かつこの演奏精度は素晴らしい。テンポが前のめりだがそれがグラズノフの畳み掛けるような書法とピタリとあっていて正統な演奏であると感じさせる。ワルツ主題はそれにも増して速くびっくりするが、音の切り方、アーティキュレーションの付け方が巧緻でなかなかに聴かせる。ワルツ主題が優雅に展開する場面で初めてオールドスタイルの甘い音が耳を安らがせる。ここは理想的な歌い方だった。ショスタコーヴィチ四重奏団も歌いまくるがそれとは違う、優雅で西欧的な洗練すら感じさせる。その後テンポが激しくコントラストを付けて変わり、慌ただしくもあるが、冒頭主題が戻るとかなり落ち着く。その後はうまくまとめている。これほど達者で洗練された団体だとはあのボロディン2番からは想像できなかった。○。新グラズノフ四重奏団とは違う団体です。
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グラズノフ:5つのノヴェレッテ~Ⅰ.スペイン風

2013年04月24日 | グラズノフ
○グラズノフ四重奏団(MUStrust)1930年代?・SP

どこがスペイン風なんじゃと百年以上にわたって言われてきたであろう曲だが、低弦のピチカートにのせてリズミカルな旋律を奏でればなんとなくスペイン風、でいいのだ。グラズノフはそんなノリで中世風とか色々おかしな題名を付けている。これはグラズノフの室内楽でも著名な組曲の一曲目で、若書きということを置いておけば至極凡庸な民族音楽である。伝説的なグラズノフ四重奏団の私のSPはロシアで輸出用に作られたもののようでレーベル名も不確かだ。回転数がやや遅めに設定されているようで、78だと非常に速くびっくりしてしまう。だがそこを考慮しても勢いがあることには変わりはない。オールドスタイルの奏法は目立たず、それより精度と覇気、この2点に目を見張る。現代でも通用するだろう。短いのに聴き応えがあった。録音も良い。○。
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グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲

2013年04月22日 | グラズノフ
○ギンペル(Vn)アイシュヴァルト指揮シュツットガルト・プロ・ムジカ管弦楽団(HECTOR:CD-R他)1950s

確かにギラギラした演奏をするヴァイオリニストだ。デリカシーの欠片も無い前半部においては、バックオケのアンサンブル能力と表現力の豊かさに感心しつつ、ソリストはただバリ弾きしているだけ、のような印象を持つ。音色はこのようなロマン派音楽に向く赤黒い色で決して悪くは無いのだが。後半部になると一転してソリストにもニュアンス表現の豊かさが感じられるようになる。しかし技術的にダメダメ。前半部でもちょっといじってる個所が聞こえたが、後半部では装飾音をごまかしたり音程を取り損ねたりライヴ演奏のような粗暴さが気になる。とはいえまあ、この曲はでろでろやりすぎると聴いていられない甘ったるい匂いをはっするので、一面即物的なこのソリストのやり方はあっている。バックオケが構造をよく理解してアンサンブルしているのもよい。そんなところか。録音は悪い。板起こし。
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マキューアン:弦楽四重奏曲第2番

2013年04月20日 | イギリス
○チリンギリアン四重奏団(chandos)CD

伝統的な四楽章制の国民楽派弦楽四重奏曲で、中欧志向の強い作品だが、既に自然な旋律美と独特の調性変化が表れており、マキューアンを代表すると言っていい佳作になっている。緩徐楽章のワルツ主題の美しさはウィーン的で筆舌に尽くし難い。響きが浅く中欧ふうと言うには躊躇もある楽章だが、続くスケルツォ楽章からフィナーレの律動は重い響きに支えられ充実している。もっともこの後半楽章の雰囲気が同じような感じであるためにやや飽きもする。チリンギリアンは上手いが、もう少し艶のある表現が欲しかった。○。
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マキューアン:弦楽四重奏曲第8番

2013年04月19日 | イギリス
○チリンギリアン四重奏団(chandos)CD

ドビュッシー色の非常に強い和声感覚で仕上げられているがよりどぎつく力強い音楽になっている。わずか10分余りの三楽章制であるからあっさり聴けるし、この作曲家特有の旋律の美しさは響きのフランス的透明感をもってとてもいい。毒も灰汁も無いが毒や灰汁のある作曲家に匹敵する個性も発揮されており、それが演奏困難さを産んでチリンギリアンくらいしか録音しないことにつながっていようが、これはいい演奏であり、とくに他に必要性は感じない。
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ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシュカ」~ロシアの踊り、御者の踊り

2013年04月16日 | ストラヴィンスキー
○ドワイヤン(P)ガストン・プーレ指揮パリ・プーレ管弦楽団(decca)SP

色彩的で派手な演奏だが昔風のてんめんとした、少しルーズな感すらする部分もあるのが父プーレらしい。ロシアの踊りはリズミカルでスピードもあり聴き応えがあるが、ブツ切れで終わる御者の踊りはテンポが落ち着き過ぎていて歯がゆい。短いのでこんなところか。ドワイヤンがソリストを演じているのが意外なところ。
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コリン・デイヴィス死去

2013年04月16日 | Weblog
知らなかった。全然目立って報道されなかった。14日のことだそうです。。

BBC News - Conductor Sir Colin Davis dies http://bbc.in/XLBWmA
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ブルックナー:交響曲第9番

2013年04月08日 | ドイツ・オーストリア
○C.アドラー指揮VSO(CRV:CD-R/SPA)LP

かなりロマンティックなブルックナーだがVSOの個性とアドラーの少しアメリカナイズされたような明るい色調が独特の聴き心地だ。演奏精度的には問題ない。マーラーを思わせる一楽章、かなり達者な二楽章、ダイナミックな三楽章。二楽章の厳しい調子はなかなかかっこいい。三楽章は妙に高くうわずった音で浅く始まるが、これは録音の特徴なのだろう。楽器毎の音量バランスがおかしくて別の曲のように聴こえる。卑近な派手さ、といったらいいだろうか、耳の近くでかわるがわる弾き吹きされるような感じだ。全般テンポは鷹揚としているが緊張感があり、アメリカにおけるブルックナーの権威でもあったアドラーの真骨頂であろう、師匠マーラーの曲をやるよりうまいかもしれない。○。
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エルガー:弦楽四重奏曲(短縮版)

2013年04月08日 | イギリス
○ロンドン四重奏団(M&A他)1921・CD

同曲はサモンズらが初演しているがこの時期には既にロンドン四重奏団を抜けている。演奏はしかし達者なもので大正時代とは思えない覇気と精度を併せ持ったわりと現代的な演奏。発音はオールドスタイルで甘いがリズムはきっちりしている。三楽章すべてからの抜粋でほぼ全曲を聴いたような気になるからこれでもよい。曲はエルガー風の旋律美が中欧ロマン派の重厚さに載って、そのてのものが好きならおすすめできる。○。
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ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第2番

2013年04月04日 | ショスタコーヴィチ
○タネーエフ四重奏団(melodiya)CD

言われるほど暗く晦渋ではなく、前半楽章はプロコの2番のようだし三楽章で突然いつものショスタコ節でシニカルな舞曲、四楽章もいつものショスタコの簡素な書法で暗さもあるが、重厚なハーモニーによる進行にはどこか親しみやすさのある聴きやすいものを感じる。全般聴きやすいから先入観無しに聴いて欲しい。一楽章なんて民謡旋律が溌剌と透明感を持って演奏されるさま、ほんとプロコだ(もっと簡潔だが)。単純さを力と勢いで何とかするという意味ではタネーエフ四重奏団の民族的な野蛮さが役に立っているが、僅かにアバウトさも感じる。
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