20世紀ウラ・クラシック!<最新版>

このページは、19世紀末から20世紀の末流ロマン派クラシック音楽に焦点を当て、同時代の録音評を中心に紹介しています。

ドビュッシー:管弦楽のための夜想曲〜Ⅱ.祭

2018年11月18日 | Weblog
ストコフスキ指揮フィラデルフィア管弦楽団(columbia)1927/10/11

速い速い!SPらしいスピードだがこれでしっかりとちらず駆け抜けられるのはストコのフィラデルフィア管弦楽団ならでは。ソリストもびしっとつける。フランスオケならこうはいかないだろう。祭はドビュッシーでも一番盛り上がりやすい曲なだけに、これは盛り上がるから、さぞ売れたことだろう。
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ドビュッシー:牧神の午後のための前奏曲

2018年11月18日 | Weblog
キンケイド(cl)ストコフスキ指揮フィラデルフィア管弦楽団(columbia)1927/3/10

さすがに違和感がある(笑)。ほんとに厭らしい音楽に聞こえてしまう。揃ったポルタメントに埋め尽くされた伸縮する音線。1924/4/28のものに次ぐ古い録音(フルート独奏同じ)。しかし録音技術については世界最先端のストコフスキーチーム、ノイズは多いが楽しめてしまうのだ!
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ラヴェル:スペイン狂詩曲抜粋

2018年11月18日 | Weblog
ストコフスキ指揮フィラデルフィア管弦楽団(columbia他)1934/3/17

ねっとりとしたフレージングでロマンティックな解釈を展開していく。ただ野放図ではなく棒できっちり指示を重ねての計算で、巨視的には気にならないレベルの弄り方だと感じた。SP両面なので抜粋になるがわりと聴き続けられる録音。
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ヴォーン・ウィリアムズ:イギリス民謡による6つの習作

2018年11月18日 | Weblog
スコット(cl)ワーズワース指揮ロイヤルバレエシンフォニア(dutton)CD

新録音のみとなったduttonレーベル、英国音楽が多く秘曲好きは外せないだろうが如何せん日本で大手に出回ることは少なく、直接レーベルのサイトへ行っても既に廃盤が折り混ざる。日本のAmazonは品数は多いがこういう廃盤について法外なプレミアを載せた業者しか出してないので、あとはmp3配信もしくはアンリミテッドで聴くしかない。この曲の入った盤もレーベル在庫無しでデータも消えているが、RVWのこの曲はクラリネットのための協奏曲という珍しい作品なので他で聴けるといえば聴ける。たださすが新生duttonで演奏は素晴らしい。往年の指揮者のような癖もなく、雑味もなく、雰囲気は極めて平穏な民謡牧歌で(冒頭のみディーリアスを思わせる半音階が生臭く習作的)、ヴィオラのための組曲に似ているが、散文的にならず纏まって聴こえる。各章に題名もあるがそも短い曲なのでじっと聴く間がないし深くは触れない。クラリネット協奏曲というほどにはフューチャーされる部分がすくないし、とくに心に何かを訴えかけるのではなく、その場の空気に薄い色をつけて去る、そういう曲にうまく付けた演奏。
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ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲(カデンツァ断片)

2018年11月17日 | Weblog
ヴィトゲンシュタイン(P)作曲家指揮?(配信)1933/1/17パリlive?・動画

ごく短い断片だがラヴェルを弾く兄ウィトゲンシュタインが見られる。元はサイト掲載のもの。ドイツ語放送が動画共有サイトに上がっているが、音は別との指摘もある(映像と僅かだがずれているが、別物認定するレベルではない)。1932初演リハの映像という話は不明、初演はラヴェル指揮ではないしパリでもない(ヘーガー)。作曲家指揮とウィトゲンシュタイン独奏による、和解した記念碑的演奏すなわち1933年1月17日のものという意見もあるが、舞台上はそれらしい感じだが、証拠がないし出来すぎている。同日のものという映像が別の映像として同じく動画共有サイトにあるが、これは冒頭部を室内で鍵盤だけ撮影しており(確かに走ったり揺れたりするのはウィトゲンシュタインぽい)録音状態とピアノのメーカーから1940年代とする説が妥当か。しかし興味深い。隻腕という言葉は最近使われないが、第一次世界大戦の惨禍を経て演奏活動を再開すべく、左手のための曲をプロコフィエフやブリテンなど名だたる作曲家に依頼した中、群を抜いた出来に大いに気に入り、、、作曲家はウィトゲンシュタインの改変に難色を示しのち息子のように可愛がったフェヴリエを真の初演者であるように仕立て上げたが、一方でその権限により愛奏し続けた。両者の腕の差はあったたろうが、この実況でも感じ取れるように、左手だけで演奏するというのは器械的に五本の指しかなくなることではない。身体のバランスが変化し、重量の掛け方も変わる。ましてここまで忙しい曲なら相当に大変。案外と看過される点だ。元から弾けなかったのだ、とする論調はあるが、これはフェヴリエがメリットあって当たり前。ラヴェルは器械的に書いたのであり、良い悪いではないが、勘案すべき点だ。この映像ではその身体で曲と格闘する真摯な態度が見て取れる(音も粒立って届く)。まあ、恐らく音を減らしたり表情を加えるのは時代を考えてもパーソナリティを考えても仕方ないと思う。大柄という面でメリットはあるが、あの高さから左手だけで打鍵してよれているようにも見えない。他のソロ曲演奏もあるので聞いてみるといいがこれはアマチュアでは決してない。ウィトゲンシュタインの全曲録音は著名なものが2つある。
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コダーイ:ハーリ・ヤーノシュ組曲

2018年11月16日 | Weblog
テンシュテット指揮LPO(EMI)1983/9・CD

響きはきれいに揃っていて(録音はそんなに良くもない)東欧の冷えた熱情あふれる音楽に向いている。ただ莫大な印象になってしまいがちな整えた演奏だが、コダーイの代表作たるいくつかの名旋律や、後半はツィンバロンの引き締め、民族リズムの正確な刻みによって迫力が出ている。ロシア国民楽派より向いている気がするのはコダーイがロマン派を脱した現代の民族楽派だから、バルトークほどではないが複雑な部分を指揮者のテクニックで整えることで、じゅうぶん演奏のメリットを出せるからだろうか。ただ、強奏部以外カロリーは低めだ。
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ムソルグスキー:禿山の一夜(リムスキー・コルサコフ編)

2018年11月16日 | Weblog
テンシュテット指揮LPO(EMI)1990/5/10・CD

大人しくて詰まらない。ドイツ流、というか情を排した構築的な音作りはいいが、カロリーが低い。中庸のオケ云々いう以前に、引いた態度で全般に落ち着いている。テンシュテットはいわゆる原典版の録音も残しているが、相手がベルリン・フィルだったとしてもこの解釈で気を煽られたいなら「大音量で聴くこと」だけだ。
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ダンディ:フランスの山人の歌による交響曲

2018年11月16日 | Weblog
トライオン(P)モントゥ指揮BBC交響楽団(ica)1961/10/16・CD

こういう曲はモントゥは得意だ。オケにも気合が漲り盛り上げる。しっとり、とか、激情的に、とは無縁であっても音作りがしっかりし立体的な響きを磨き作り上げていく点でメリットのある指揮者だと実感させる。向き不向きという意味で比較的単純だが現代的な音楽に近いこういう曲は、当時の後衛的な現代音楽をよくやっていたモントゥはやりやすかったのかもしれない。解釈してないといえばしてないが、ピアノ協奏曲ではなく、ソリストを交響曲に組み込んでいくような方法はモントゥらしいというか、そのような即物的な態度でオケに熱気をもたらす・・・フランスオケですらないのに・・・点は「説明の難しい良さ」、聴くしかない。録音がすこぶる悪く大きな砂ノイズが終始入る。モノラル。
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コダーイ:弦楽四重奏曲第2番

2018年11月15日 | Weblog
メロス四重奏団(DG)CD

短い曲だが面白い。素材はバルトーク同様のものを使っていても親しみやすさはまるでイギリス近代の民族楽派。響きの源流にフランスがあるのは言うまでもないが、終盤に民族を全面に出してくるまでは、野趣がバルトークのような独自路線でではなく上品で西欧化された世界に昇華される。それはネガティブな意味ではなく、着想は民族なのに、民族楽器をカルテットの構成楽器に落とし込んでいさえするのに、違和感なくカッコ良い。メロス四重奏団も適度に荒さを投入しており、野蛮さが漂白されて無くなっているわけでもないことがわかる。フィナーレ(二楽章だが)末尾の回転するような民族舞踏にきて初めてバルトークとの共通点を見出させる。最初甘くてピリリと辛い、短く楽しみたいならこの曲は良い。名曲ではないが。
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グラズノフ弦楽四重奏団(骨董時代の演奏家)

2018年11月14日 | Weblog
グラズノフ四重奏団を。ボロディン2番はLP化した位美しい響きと纏綿とした音で噛み合ったところをみせる。中低弦が強いこの楽団のno.1録音。グラズノフ5番はスケルツォのみと全曲版があるけど4楽章がSP用の大カットがあり台無し。演奏は名に恥じない。ショスタコ1番は初演したけど新しすぎるのか。

ほか手元にはグラズノフのノヴェレッテ2曲、グリーグからⅡ、チャイコ3番全曲。チャイコ系がやはり得意ですね(グラズノフもチャイコ系)。ショスタコーヴィチはひょっとすると晩期録音なのかもしれない。衰えたのかもしれない。

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ショーソン:交響曲

2018年11月14日 | Weblog
モントゥ指揮BBC交響楽団(ICA)1956/5/11live・CD

ショーソンは新しい録音で、明晰な解釈を行う指揮者でないとどうも私は聞いていられず、この演奏も正直ピンとこなかった。こじんまりとしてスケール感はないが引き締まっている、モントゥの特質は出ているが、ショーソン好き向けだろう。
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ドビュッシー:管弦楽のための映像

2018年11月14日 | ドビュッシー
モントゥ指揮BBC交響楽団(ICA)1956/5/11live・CD

録音は悪いモノラル。それでも瑞々しく躍動感に満ちた「ジーグ」は素晴らしい。バレエ指揮者としてのモントゥの特質があらわれている。響きの透明感と色彩感はBBC交響楽団の力も大きいだろう。3楽章「春のロンド」が先に演奏されるが違和感はこのほうがない。ただ、肝心の「イベリア」はほかにいくらでも名演のある曲であってモントゥには相対的にメリットと呼べるものは感じなかった。1楽章の前進性が一歩後退して、悪い録音によってこじんまりとした茫洋とした音像しか得られないこともあり、結構凡庸と思った。ミュンシュとの違いはここに歴然とする。モントゥのイベリアのライヴは他に1枚あるくらいか。
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ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第7番〜Ⅰ、Ⅱ.

2018年11月12日 | ショスタコーヴィチ
ベートーヴェン四重奏団(放送)live

2番とともにネットで聴ける音源だがデータが不明なのと、アレグレットとレントの乱暴な切り出し放送音源ということで宙ぶらりんな聞き心地。響きが濁るなあ、と思ったら録音がノイジーなのであった。ショスタコーヴィチはささくれだった心に寄り添う。緩徐楽章だけなら尚更。聴くタイミングによっては迫真味がある演奏。
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ショスタコーヴィチ:交響曲第9番

2018年11月12日 | ショスタコーヴィチ
チェリビダッケ指揮スウェーデン放送交響楽団(weitblick)1964/11/20live・CD

軽妙というよりクレンペラーみたいな斬り裂き方で始まる9番。ショスタコーヴィチはこのあとも一応6作交響曲を書いてはいるが、実質このときに自分流の総決算として極めて諧謔的な「第九」を書いたのだ、という気分を持たせてくれる奇怪さと深刻さの錯綜する音楽に、チェリビダッケのショスタコーヴィチに対する見識を伺い知ることができる。これは録音は良くないが悪くもない。ショス9に食い足りなさを感じる向きにもおすすめだ。五楽章の歪な構成の末尾が、これはクレンペラーとは違いしっかり解釈し音にした、チェリビダッケの響きへのこだわりにより明確にフィナーレとして感じ取ることができる。断ち切れ感も、何を言いたいのかわからない謎めきもあまりなく、逆に終演後の戸惑う客席反応こそ、何故だと思う。何かしら過去の交響曲作家と違う総決算を提示したかのようで感慨すらある。
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プロコフィエフ:交響曲第4番

2018年11月12日 | プロコフィエフ
マルティノン指揮ORTF(vox)CD

交響曲全集より。オケの音の美麗さとマルティノンの快活な捌きにより効果的な演奏となっている。映画音楽的な分かりやすさの再現に走っているように感じなくもないが、その大袈裟な表情ひっくるめて5番7番加え古典の単純志向とは違い多彩な内容を凝縮してまとめているだけに、わけがわからなくなることがなく、最初に聴くのには向いている。マルティノンも良い盤悪い盤ある人だと思うが、これは客観性に走らずバランスがよい。もう少し聴いていたくなる演奏。
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