妊婦死亡が問うもの/上 少なすぎる医師数
■開業医と連携なく
昨年11月21日夜。東京都立墨東病院(墨田区)5階の大会議室に病院と都、地元開業医の代表計18人が集まった。産科救急の「最後のとりで」である総合周産期母子医療センターに指定されている同病院産科の常勤医が、定員(9人)の半数以下の4人となったことへの対応を話し合う初めての会合だった。
病院は「(開業医は)患者を救急搬送した . . . 本文を読む
8: 72歳母と難病患う35歳娘
■2人で選んだ「死に方」 遺品整理、納骨代行を依頼
「あたしが先にあの世へ行くけど」。母(72)がふともらした言葉を、娘(35)は聞き逃さなかった。「年の順とは限りません」。2人は顔を見合わせて笑ったが、娘の目には大粒の涙が浮かんでいた。母は続けた。「病気のあんたに迷惑はかけないからね」
千葉県木更津市に独居する母は昨年暮れ、東京都内に住む一人娘を . . . 本文を読む
■「自分だけじゃない」自殺遺児の手記読み気付く
06年9月、蒸し暑さの残る京都駅。元ホテルマンの男性(34)は北陸へ向かう特急列車に乗った。平日の午前で乗客はまばら。ひっそりとした車内に、レールをこする車輪の音が響く。座席で文庫本を開いた。自死遺児たちの手記集「自殺って言えなかった。」。前日に立ち寄った中古書店で、タイトルにひかれて手に取った。
親を突然失い、周囲に隠し続けるつらさ . . . 本文を読む
■「社会滅びろ」ポケットにナイフ 救ってくれるのは母
6月の週末。その数日前、東京・秋葉原では無差別殺傷事件が起きていた。男性(36)は都内の自室で迷彩服の内ポケットにアーミーナイフを忍ばせ「渋谷に乗り込んでやる」と息を荒らげた。「こんなに苦しんでるのに、チャラチャラしやがって」。楽しそうに街を歩く若者への強い嫉妬(しっと)を以前から口にしていた。6年前からつき合っている支援者が、異変を察 . . . 本文を読む
全学校に「荒れ」の芽
住民からの苦情電話は土曜も日曜もかかってきた。
「おたくの生徒がたばこ吸いよう」
花火をしている、と通報してくる人もいた。自分で注意せず、なぜ学校だけに頼るのか……。教頭(56)は腹立たしくなる。
福岡県内の中学。07年春、他校で問題を起こした3年生男子が転校してきた後、数人が同調して問題行動をとり始めた。
遅刻して廊下を徘徊(はいかい)。壁をけ飛 . . . 本文を読む