「ささいなミスを何度も非難する」「緊急の仕事でないのに、休日や深夜に連絡する」--。兵庫県が、職場でのパワーハラスメント(地位を利用した嫌がらせ)防止のため具体例を示した指針を今月、全課に配った。県は「職員削減や給与カットなどが進む中、職場環境の改善を図るために作った。国や都道府県レベルでパワハラに特化した指針は珍しいのでは」としている。【川口裕之】
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3 入れる保育所がない…
◆入れる保育所がない。「働かないとやっていけないのに」
仕事を終え、保育室から長女と家路につく菅原明子さん=東京都世田谷区で、三浦博之撮影
■激戦続く都市部/過疎地では施設統廃合
「子どもが保育園に入れなかった理由を教えてください」
長女(1)が認可保育園の入所選考から漏れた通知を受け取った東京都世田谷区の会社員、菅原明子さん(30)は . . . 本文を読む
1 早期破水、救急搬送されたのは車で1時間先の…
◆早期破水、救急搬送されたのは車で1時間先の病院だった ◇減る産科医、診察制限し存続の病院も
分娩(ぶんべん)を扱う産科医が、少子化を上回る勢いで減っている。医師不足は公立病院など救急搬送を受ける拠点病院で著しい。それは同地域の産院や助産院の存続にも大きく影響し、「産科医療」の地域格差を生み出し始めている。第4部は、医療や子育て支援の地 . . . 本文を読む
広島市で05年、小学1年だった木下あいりちゃん(当時7歳)が殺害された事件で、最高裁は被告側が申し立てた上告を今月10日付で受理した。広島高裁が昨年12月、「公判前整理手続きで検察官調書の任意性を争わなかったのは不当」として1審・広島地裁判決(無期懲役)を破棄し、審理を差し戻した判決を取材し、私は裁判員制度について二つの疑問を抱いた。このまま制度が5月に導入されていいのかと思っている。「公判 . . . 本文を読む
【共和党、強く反発】
【ワシントン及川正也、大治朋子】オバマ米大統領の24日の初の議会向け演説は、経済危機に直面する米国の再生を目指す「国家再建シナリオ」を明確に示し、国民に自信と活力を吹き込む狙いがあった。エネルギー、医療、教育が3本柱だが、透けて見えるのは連邦政府主導の福祉重視国家だ。これに対する共和党の反発は強く、新たな党派的亀裂も広がるなど、オバマ流の国家像をめぐる . . . 本文を読む
米国には有罪、無罪の判断のほか、有罪の場合、死刑にするかどうかも陪審で決める州がある。人の命を奪う決定に一般市民がかかわる点では、5月から始まる日本の裁判員制度と同じだ。ニューオーリンズで96年、陪審(12人)の一人として死刑判断を出しその後、この被告が無罪となった経験を持つキャサリーン・ホークさん(54)に死刑と向き合う難しさを聞いた。【ニューオーリンズ(米南部ルイジアナ州 . . . 本文を読む
正義のかたち:死刑・日米家族の選択/5 死刑囚、文集作り遺族に償い ■購読料生かし奨学金
米ミズーリ州のポトシ刑務所に収監中のデニス・スキリコーン死刑囚(49)には、「死刑囚」とは別にもう一つの顔がある。死刑囚で作る隔月文集「コンパッション(同情)」の編集長だ。
01年創刊。同死刑囚は03年、2代目編集長になった。各地の死刑囚から届く原稿に目を通し、刑務所内のコンピューターで編集、外部 . . . 本文を読む
■年間10人前後、米国の1/100以下
臓器移植法(97年施行)に基づく国内初の脳死移植手術から10年。米国では年間数千人のドナー(臓器提供者)が臓器を提供しているが、81人の日本では年間10人前後で推移し広がりがない。背景には、脳死を人の死とみない死生観に加え、臓器提供に至るまでの負担が重い救急医療の脆弱(ぜいじゃく)性や課題、臓器提供・移植を支える体制の不備などがある . . . 本文を読む
香山リカのココロの万華鏡
この一カ月もいろいろなニュースや事件があったが、そのほとんどが中川昭一前財務・金融担当相の「もうろう会見」で吹き飛んでしまった感がある。
あれ以来、外来診療で「薬を出しておきます」と言うと、「アルコールを飲んだ後でこれを飲むとどうなりますか?」「花粉症の薬も飲んでいるのですが、いっしょに飲むともうろうとなったりしますか?」と尋ねられる場面が格段に増えた。
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人間の免疫を逃れるエイズウイルス(HIV)が広がっている原因を、熊本大などの国際研究チームが突き止め、英科学誌ネイチャー電子版に発表した。ワクチン開発の戦略見直しが迫られるという。
HIVに感染すると、人間の免疫細胞が白血球の型である「ヒト白血球抗原(HLA)」と結合したウイルスを攻撃する。その働きで感染した細胞は減少するが、完全に排除できない。
そこで、研究チームは . . . 本文を読む
政府・与党が、ソマリア沖などの海賊対策に関する新法で、自衛隊や海上保安庁の武器使用基準を緩和する方針を決めた。
武器使用基準の緩和は、新法の最大の論点である。政府の法案骨子は、正当防衛・緊急避難などで武器使用を認めた警察官職務執行法7条を基礎としつつ、新たに「船舶を停止させるための射撃」を盛り込んだ。具体的には、現行法で認められている警告・威嚇射撃にもかかわらず、これを無視して接近してく . . . 本文を読む
米ロサンゼルスで22日授賞式が行われた第81回アカデミー賞で、滝田洋二郎監督の「おくりびと」が外国語映画賞、加藤久仁生(くにお)監督の「つみきのいえ」が短編アニメ賞を受賞した。どちらも候補の中では異色作と思っていただけに、そろっての受賞には驚いた。米国の映画人が互選するアカデミー賞は、興行成績とは違った意味で時代の潮流を映し出す。日本の2作品受賞の背景にはハリウッドへの日本の浸透があり、救い . . . 本文を読む
東京都内に住む内田道子さん(76)の腰には、拳が入るほど深く大きな傷がある。背骨は曲がり、骨盤がずれ左右の足の長さも変わってしまった。東京大空襲から2カ月後の山手空襲(1945年5月25日)で、靖国神社近くにあった家が焼夷弾(しょういだん)の爆撃を受けたためだ。まだ12歳の活発な少女だった。
血を流しながら父に背負われ、火の海を逃げ病院に運ばれた。戦争末期で薬は底を突き、暑さで傷口はみる . . . 本文を読む
空気なんか読まないで=小林洋子
年始のあいさつ回りでは、どこの会社でも、「景気悪いですね」「ウチもひどいもんですよ」という会話がワンパターンで飛び交っているが、原材料の大幅値下げ、円高差益……どう考えてもその会社はもうかっているのに、というところもある。
あまりに全員で声をそろえて不況不況の大合唱ばかりしていると、「風評不況」まで巻き起こしてしまう。そうなると、ますます消費者の財布のヒ . . . 本文を読む
韓国の李明博(イミョンバク)政権が25日で発足1年を迎える。日韓関係はこの1年間、首脳間のシャトル外交が復活し、歴史問題でギクシャクする以前の状況まで修復した。年明けから麻生太郎首相、中曽根弘文外相が相次いでソウルを訪れ、李大統領と会談し、北朝鮮の核問題のみならずアフガニスタン復興など国際分野の協力にも合意した。日韓協調が世界に果たす役割を互いが認識し、実践する「新時代」に踏み出したといえる . . . 本文を読む