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スローライフ スローセックス:母なる子宮のビミョーな性感度とは… (2)

2007年10月01日 | スクラップ
◇科学的には 感じないはずなのに…  



 生殖としての子宮の役割に異論をはさむ人はいませんが、「子宮が感じる」との声が女性から寄せられるとなると、看過するわけにはいきません。

 渡辺淳一氏の小説を映画化した『愛の流刑地』の中で、入江冬香が花火を見ながら「(音が)子宮に響きます」と口走ったシーンを見ながら言い知れない感覚を覚えたのは僕だけではありますまい。子宮が存在しない男性だからこそ、その言葉に異常に興奮したのかもしれません。

 「ポルチオオーガズム」という言葉があります。ポルチオとは日本語では子宮腟部。子宮頸部の下の方にあって腟内に突出した部分。腟に顔を見せている子宮の一部分とでも言ったらわかりやすいかもしれませんね。神経分布などをみますと、腟の神経は外側3分の1くらいまでは密集していますが、奥に進むにしたがって粗くなっています。だから、ポルチオなんて場所はあまり感じないというのが定説です。仮にそんなに感じてしまったら、直径10センチの子どもの頭が出てくることに耐えられるはずもなく、お産どころではなくなってしまうからです。

 となると、ポルチオオーガズムというのはまやかしだということになります。

 しかし、このポルチオオーガズムについては、ポルチオを支点としてペニスによってお腹の中がかき回されている、子宮が突かれているという感覚が、興奮を高めているのではないかという説が有力です。「まやかし」ではなく「錯覚」と言った方が適当なのかもしれません。

 科学的には感じないはずの場所が感じるのは、“セックスは脳での営み”であることを、裏付けることになります。しかも、ピストン運動があろうがなかろうが、ペニスと腟との合体は恥骨と恥骨の接触によってクリトリスを刺激することにもなりますし、否応なく快感を高めることにつながっているわけです。



◇摘出手術を受けると 感じなくなる…は誤解  

 だからといって、激しく突かれれば突かれるほど快感が高まるわけではないことは、女性ならご存じのはずです。女性のカラダの構造や仕組みなどについて科学的に学ぶ機会の少ない男性たちにとって、唯一の情報源がアダルトビデオであったりするわけですから困ったものです。

 「そんなことあろうはずがない」といって一笑に付されてしまうかもしれませんが、激しいピストン運動の結果として腟壁が突き破られたという話を聞いたことがあります。出血を止めるために緊急手術をせざるを得なくなったのは当然です。相手の男性によれば、「女性が喜悦の声を挙げていた」と言いますが、それは「痛いからもうやめてよ」と叫んでいたのをひとりよがりで誤解していたに過ぎないのです。

 「そんな身勝手な思い込みは金輪際するんじゃないよ」と、『スローライフ スローセックス』の読者の女性の方々から、折にふれて男性諸君にお伝えいただかないと、とんでもない事件が続発することになりかねません。

 子宮といえば、子宮筋腫や子宮がんなど女性特有の病気の心配もありますが、ここで一言。  

 子宮の全摘出手術を受けた人は、手術を機に「感じられなくなる」というのは誤解です。喪失感が女性を悩ませる可能性があることを否定はしませんが、このような短絡的な発想をされてしまうことが、性の喜びの「語りべ」たらんとする僕には怖いのです。

 子宮があろうがなかろうが“セックスは脳での営み”であることを自らに言い聞かせ、科学的(理性的)かつ前向きな思考ができさえすれば、どのような事態に直面しようとも、セックスから遠ざかる理由にはならない??。

 それがドクターであり物書きでもある僕からのメッセージです。




「毎日らいふ」のHP
http://www.mainichi.co.jp/syuppan/life/

 2007年9月27日
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1 コメント

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Unknown (山茶花)
2021-04-18 17:34:23
ポルチオ性感を実際に経験したことのない男性に語られても全く説得力がない。女性器は男性器よりはるかに開発により変化してゆくものなので、性体験の積み重ねや年齢、自慰行為に対する抵抗感のあるなし、相手との相性などで快感の深さは大きく変わる。生まれ持った体質なども当然ながら関係するだろう。
男も女も性器で感じるのではなく、脳で快感を感じるというところは賛同するが。
膣性感を得るためにはそれなりの心身の訓練が必要だと思う。あとはパートナーの愛情や信頼関係なども。
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