障害者虐待防止法が超党派による議員立法を目指してようやく動き出した。自民、公明両党の与党プロジェクトチーム(PT、座長・馳浩自民党衆院議員)が法案の骨子をつくり、初会合では他党へ協力を呼びかけることを確認した。90年代後半以降、報道などで次々と発覚した虐待問題を受け、何度か浮上しては消えていった法案の成立に関係者は大きな期待を寄せる一方、課題も指摘されている。【野倉恵、芳賀竜也】
■事件 . . . 本文を読む
世界不況下の09年春闘は、業績悪化で聖域なきリストラに突き進む経営側に、労組が押し切られる形で決着した。自動車・電機の主要労組は前年を大幅に上回るベースアップを求めたが、経営側は軒並み「ベアゼロ」を回答。電機大手はさらに「定期昇給の凍結=実質賃下げ」にまで踏み込んだ。非正規も含めた雇用の確保でも具体的な成果は乏しく、景気回復の兆しが見えない中、賃金・雇用の両面で働く人々の不安 . . . 本文を読む
■スクールソーシャルワーカー、学校配置の成果
小中学生の不登校が06、07年度と2年連続で増加し、暴力行為も深刻さを増す中、社会福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーの活動が注目されている。一部の学校で効果を上げているが、認知度や人材の不足が課題になっている。【三木陽介】
◆「ケース」会議で助言
大阪府寝屋川市立和光小(丸山涼子校長、児童数639人)では、毎 . . . 本文を読む
知らないのは愚か 緊急避妊法
厚生労働科学研究班の調査(2008年、筆者が実施)では、「性交後避妊、モーニングアフターピル、緊急避妊法のいずれかの言葉を聞いたことがありますか」の問いに28.5%(男性26.4%、女性30.2%)が「ある」と答えています。しかも、「使ったことがある」女性もそのうちの5.6%、推計46万人に。
不思議な話と言わずにはおれません。というのは、わが国には緊急避 . . . 本文を読む
カジュアル衣料販売の「ファッションセンターしまむら」(本社・さいたま市)が10代後半から20代前半の若者に人気だ。全身をしまむらで購入した服でコーディネートした「しまラー」までいるという。不況で百貨店やスーパーが軒並み不振にあえぐ中、専門店売り上げでユニクロに次ぎ業界第2位(08年2月期実績)を誇るしまむらの快進撃の訳を探った。【小松やしほ】
■「かぶり」ナシ、多品種少量、トレンド、安い . . . 本文を読む
「高齢者医療制度に関する検討会」がまとめた報告書には失望した。
舛添要一厚生労働相が設置した有識者検討会の報告書は、総論として「すべての世代の納得と共感がより得られるものとなるよう必要な見直しを着実に進めていく必要がある」と常識的な指摘をしたうえで、肝心の具体案については各委員のさまざまな意見を列挙しただけに終わった。
焦点だった、75歳以上で線引きして独立の制度を創設した点について . . . 本文を読む
教育委員会はどこを向き、何のために存在しているのか。性教育をめぐり、都議らの一方的な教員非難を教育への「不当な支配」とし、損害賠償を認めた東京地裁の判決は、こう問いかけているようだ。
判決によると、03年、都立七生(ななお)養護学校(現特別支援学校)で、教員たちが実践している性教育の内容が不適切だとして都議3人が学校を訪ね、「感覚がマヒしている」などと教員の資質を否定するような批判をした . . . 本文を読む
一昨年8月、インターネットの闇サイトを通じて集まった男3人が、名古屋市の女性派遣社員を拉致、殺害した事件で、名古屋地裁が被告2人に死刑を、犯行後自首した1人に無期懲役刑を言い渡した。
判決が「楽をして金をもうけようとした利欲目的」と指摘したように、金品を強奪するために徒党を組み、通りすがりの女性を襲って情け容赦なく命まで奪った残忍、非情な犯行である。急速に普及したインターネットの悪用の極 . . . 本文を読む
08年に死刑を執行された15人全員の死刑執行命令書の開示請求に法務省が応じ、全面開示していたことがわかった。全文が明らかになるのは初めて。ホームページ(HP)「回答する記者団」を運営する佐藤裕一さん(33)が開示請求し、13日にHP上で、公開されたことを明らかにした。
刑事訴訟法は確定から6カ月以内の執行を定めており、いずれも6カ月以内に検察庁が法相に「死刑執行上申書」を . . . 本文を読む
■「陪審は検察に疑問抱かず」 裁判員制度を機に自問を
2年前にニューヨークに赴任して以来、継続的に死刑問題を取材しているが、国家が人命を奪うことをどう考えるべきか自問する毎日だ。日本では5月に裁判員制度がスタートし、市民が死刑と向き合うことになるが、死刑を自分たちの問題として考え直すチャンスだと思う。しかし、日本では、その前提となる情報が決定的に不足している。死刑は法務省だけがかかわる問題 . . . 本文を読む
犯罪や事故の加害者は、罪をどう償うべきなのか。加害者が懲役を終えた後も償いが見えない状況に不信感を募らせる被害者の思いと、受刑者を向き合わせる矯正教育が、一部の刑務所で始まっている。被害者の遺品展「生命のメッセージ展」を通じて受刑者に命の重さを伝える現場を取材してきて、この新しい試みが全国の刑務所で広がってほしいと願っている。
交通事故や犯罪で命を落とした被害者約130人の等身大のオブジ . . . 本文を読む
隅田川が流れる東京・下町の住宅兼商業地に、国の有形文化財に登録された浅草聖ヨハネ教会がある。東京大空襲で焼夷弾(しょういだん)の直撃を受けたが、誰もが貧しい時代にもかかわらず信者や地域の人々の浄財が集まり、戦後10年で再建にこぎつけた。
職にあぶれ腹をすかせた人たちが来るようになったのは、およそ10年前の平成不況のさなかだった。当時の牧師は炊飯器に残った米を握っては差し出し、次第に人数が . . . 本文を読む
■地道な手入れ続け
全国で森の荒廃が進んでいる。林業の衰退で間伐などの手入れがされなくなったためで、防災や地球温暖化防止の面からも対策が急務だ。そんな中、森林組合に頼らず森を守ってきた個人林家の存在が見直されている。「森は手入れするほど応えてくれる」。高知県北部の個人林家はそう言って胸を張る。森林率全国一(84%)の同県の山に入り、国土の7割を占め、水や生物をはぐくむ資源と . . . 本文を読む
女・上司の本音:女で得することもある=小林洋子
優秀なSE(システムエンジニア)に来てもらいたいというユーザーからの要望があり、一番スキルの高いS子さんが出向くことになった。情報システムの更改をしたいのだが、前の業者に任せ切りだったので、現在何を使っているかもわからない、まずは見てほしいのだと。
当日、S子さんが訪問するが、相手方の総務部長は本題に入らない。やがて、「SEさんまだ来ない . . . 本文を読む
東日本で2008年夏、消化管内の大量出血で重体となった1歳男児への輸血を拒んだ両親について、親権を一時的に停止するよう求めた児童相談所(児相)の保全処分請求を家庭裁判所がわずか半日で認め、男児が救命されていたことが14日、分かった。 子供の治療には通常、親の同意が必要で、主治医は緊急輸血が必要だと両親を再三説得したが「宗教上の理由」として拒否された。病院から通報を受けた児相は、児 . . . 本文を読む