キレイゴトで人は救えない。
監視しているだけでも自殺は止められない。
死にたい人の気持ちはなんとなく分かる。でも、どうしても分からないのは死を選んでしまう最期の心境だ。何故、自殺者は「最期の一歩」を軽々と踏み越えて死を選べるのだろうか? 死が怖くないのだろうか?
「死にたい奴は死ね! 死にたい奴はみんな死ねばいいと思う!」
「死神ダメだよ! 口が裂けてもそんな事を言っちゃダメだ!」
「うるせぇ。死にたい奴はみんな死ねばいいんだ!」
「信じさせて。死神なら得意のへ理屈で全ての自殺者を救えると」
「へ理屈で人が救えるかっ! 死ぬ奴は死ぬんだ!」
「ダメだよっ。なんの為のへ理屈なんだよ! その程度のへ理屈で『愛』を破壊できるものかっ!」
「そ、そうだった。
あくまで俺の最終目標は『愛の完膚なきまでの破壊』。
たかが自殺志願者の1人や1万人くらい言いくるめられなくて野望の達成はない!」
そうだ死神!
この物語の作者はまるでアテにならないぞ!
私達が頑張んなきゃ未来はない!
ふとみると、protozoa はズボンの中に両手を突っ込んで安眠していた。