絶版プラモデルやじ馬考古学・ボックスアート美術館(なつかしき50~60年代アメリカプラモの世界)

古き良き時代の絶版プラモを発掘する、インターネット考古学。現在、・ボックスアート美術館にてエレール特別展を開催中!

ロケット/ミサイルプラモ・アットランダム美術館・YouTubeのミサイル映像付

2011年12月15日 | プラモデル

ドイツ軍によるボックスアート輸送大作戦


「一気に叩きつぶせ
 退く者は射殺せよ!」


Vow!Vow!Vow!


Bako!Bako!Bako!Bakom!












「ダメだ、敵が多すぎる
 後退しろ」




「指揮官は誰か!
 貴様らの部隊は独断で退却しているゾ」


「30分ほどで敵がやってくる
 君たちも逃げた方がいい」

「奴らに捕らえられたSS隊員が
 どんな運命をたどったか、ご存じかね」


「……」

つづく



ロケット/ミサイルプラモ
アットランダム美術館

Everything is Go!

Wikipedia

1950年代末から60年代前半にかけて、アメリカの
プラモ業界では宇宙開発関連商品がけっこう幅をきかせていた。
背景には米ソの宇宙開発競争があった。

マスコミは、ソ連に追いつき追い越せとばかりに
連日テレビや新聞でロケット打上を大々的に
報道しており、国民的関心も高まっていた。
こんな状況にメーカーが飛びつくのは当然であり、
優れたキットが多く発売されることとなった。

レッドストーン

新聞記事をイメージさせる
パッケージが素晴らしい。
見ているだけで、打ち上げ成功の
興奮が伝わってくる。
これをデザインした人物の
センスが、メチャ光る。

マーキュリー・レッドストーン打ち上げ映像
http://www.youtube.com/watch?v=zsw-gTBqwyA&feature=related

マーキュリー・レッドストーン発射テスト失敗映像(音声なし)
http://www.youtube.com/watch?v=7O4V7JfeTSU&feature=related

こちらは軍用タイプ





ひょうきんな肥満体人形が、付属
している。アメリカ人のユーモアが
感じられてオモシロい。


レッドストーン付属の人形。
中央が肥満タイプのもの。
スケールは1/110と小さいが
そのモールドの繊細さは驚くばかりだ。
う~ん、でも画像がピンぼけで
そのリアルさがまったく伝えきれていない(;^ω^)。


レッドストーン、ジュピター、ジュピターC打ち上げ映像
http://www.youtube.com/watch?v=bEwjnDuyw8c&NR=1

アトラス

レベル・ロケット/ミサイルプラモの最高傑作
これはアメリカの歴史そのものである!




ジョン・グレンのネーム入りエンブレムが
付属している。なお私の世代なら、ワッペンと
いった方がわかりやすいかも?

Wikipedia
マーキュリー・アトラスのなかでは、一番有名な写真のひとつだろう。
1962年2月20日、ジョン・グレンが搭乗したマーキュリーカプセル
「フレンドシップ7」を打ち上げ、アメリカ初の地球周回飛行を成功させた。
ソ連に遅れをとっていたアメリカが、ようやく追いついた瞬間でもある。
レベルのプラモも、この歴史的偉業を達成した「フレンドシップ7」と
アトラスを早速モデル化して発売した。
‥‥といっても、それまで発売していたICBMタイプのキットを若干
改修しただけなのだが‥‥








このプラモの主役は、アトラスより発射台の方だ。
この大型発射台を丸ごとモデル化しようという
発想自体が、アメリカ的で気に入っている。

パイプ関係や支柱など繊細なパーツも多く、
インストがないと組み立て不能になるのでは…と
思ってしまう。

床面や階段のステップ部分の滑り止め模様の
再現など、相当細かいところまで配慮して
作られているのが素晴らしい。

アトラス本体は、アメリカ空軍のマーキングが
そのままスジボリとして残されており、当初
ICBMとして発売されたときの雰囲気が
多少なりとも味わえる。

キットに同梱されていたフレンドシップ7
打ち上げに関するガイドブック(以下)














あのJFKがグレン宇宙飛行士を
叙勲している





モノグラムブランドで発売されたアトラス。
中身はレベルのもの。




インストは、レベルのものをベースにしながら新規で制作している。


コメット社のICBM型アトラス。



ICBMアトラスのインスト
日本初公開!














マーキュリー・アトラスは、このICBMタイプのミサイル先端部分と
デカールを変更したものだが、もともとICBMタイプに入っていた
人形がナゼか省略されている。
このスケール(1/110)だと、人形自体かなり小さくなってしまうのだが
出来上がりもシャープなので、是非付属させてもらいたいアイテムだ。

1950年代末頃、レベルのインストによく掲載されていた商品案内。

Wikipedia

C133にアトラスを積み込む
http://www.youtube.com/watch?v=4l_pEZrMIc8&playnext=1&list=PL2CDDC95A7B7770A1&index=15

アトラス打ち上げ映像
http://www.youtube.com/watch?v=xwLdGSSNPuE&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=HIWkm1Yo7Qs

ソア







1958年発売1/87スケール






インストに掲載されていたアダムス社の住所を、グーグル・アースで見てみた。
12519 CERISE AVE.HAWTHORNE.CALIFORNIA
日本風にいえば準工業地域みたいなところで、住宅や工場、倉庫等が混在している。
画像中央部の赤丸部分がアダムス社の所在地で、現在は先進の機械警備が完備した現代風倉庫になっていた。
なお、赤丸部分とその上の高速道路(だと思うが)の中間地帯には、滑走路が見える。
小型機用の飛行場のようだ。










レベルのロケット・ミサイルプラモ案内。
発射台などがじつに細かく再現されており、
ミサイルもののひとつの方向性を示している
のが興味深い。



ソアによる人工衛星打上成功を伝える当時のニュース映画
http://www.youtube.com/watch?v=FhhH406zGpY

ソアによる人工衛星打上成功を伝える当時のニュース映画Part2
http://www.youtube.com/watch?v=RtWsfqfXX0w&feature=related

ジュピター







部品番号No52の人形は、レッドストーンにも付属していた肥満タイプのもので、
下っ腹が出た姿はメチャおもしろい。
日本のメーカーでは、とても考えられないことだ。
また、ミサイルを発射台に据え付ける移動用クレーンが付属しているのも気に入っている。
実際にミサイルを吊り下げた状態にできるところがミソ。
こういう芸の細かい配慮をしたミサイルプラモって、なかなかないんだよナ。



1957年、ジュピター打ち上げ映像
http://www.youtube.com/watch?v=ULeMVjbsKb8

http://www.youtube.com/watch?v=evbvKYm_Y7o&feature=related


初版では各々単体で発売されていたソアとジュピター
だったが、ヒストリーメーカーズではペアで発売された。

ジュピターC


レベルのミサイル・ロケットプラモの中でも最高傑作の
ひとつに数えられるのが、このジュピターCだ。
細かく再現された整備塔がすばらしい。





























GEMINI

Wikipedia


高荷義之先生の作品だ。
ジェミニカプセルの迫力ある絵がイイ。


これも同じく高荷先生の作品で、ゴムボートのプラモとなっている。



タイタンⅡ・ロケット本体切り離し映像
実にさまざまなパーツが地上・海上へ落下していく。
大半は大気との摩擦で燃え尽きるそうだが、
ゴミとして宇宙を漂うのもある。
宇宙船との衝突事故が発生しないのか、
メチャ気になるところだ。
http://www.youtube.com/watch?v=B4IZVrEpI7E&feature=related


















モノグラム・ブランドでのパッケージ。
中身はレベルのもの。




































ジェミニ計画、打ち上げ・宇宙遊泳映像
http://www.youtube.com/watch?v=CXDYJq7u-BQ&feature=related

ジェミニ衛星、ランデブー映像
http://www.youtube.com/watch?v=_cHm7bJolnE&feature=related












タイタン打ち上げ・サイロから発射
http://www.youtube.com/watch?v=3zvLVnNmlLo&feature=related

タイタンⅡ打ち上げ
http://www.youtube.com/watch?v=a1phOITnI50&feature=related

爆発するタイタン
http://www.youtube.com/watch?v=fJHtkjjwoeg&feature=related

ロケット打ち上げに失敗すると、地上はこうなる
無数の火の玉が落下し、阿鼻叫喚の世界が‥!
画質はイマイチなのだが、内容がスゴイのでご紹介した。
http://www.youtube.com/watch?v=RtP_MpWV0h4

ヴァンガード





アメリカ初の人工衛星にはならなかったものの、その度重なる
打ち上げ失敗を乗り越えた姿は、まさにアメリカ版『プロジェクトX』だ。
ドイツ人の協力で打ち上げに成功したエクスプローラー1号より、
自国の技術でなんとか成功したヴァンガード衛星の方が、アメリカ人の
思い入れが強いのかもしれない。








1958年発売1/80スケール







 















アダムス社の製品案内を見ると、オネストジョンやホーク、ミサイル運搬ヘリコプター、
馬車シリーズ、サバンナ号、ソア以外に映画『八十日間世界一周』に登場した気球の
プラモがある。映画は1956年10月公開されているので、おそらくこの時期に発売
されているのだろう。日本では知られていないアイテムのひとつだ。

ところで
このオジサンは、一体誰だ!?


The Belated Nerd  Science Fiction, Comic Book,
and Pop Culture News…from 50 years ago!

レベルを設立した人物であり、当時の社長でもあったルイス・グレーザー氏の写真で
1961年1月に発売されたアメリカの有名な写真雑誌「LIFE」に掲載されたもの。
人物の周辺には、アトラス(ICBMタイプですゾ!)、ノーチラス号など当時の売れ筋
商品が並べられている。時代を反映してか、ミサイル関係のプラモが目につく。
氏が手にしているものは内部構造をリアルに再現したポラリス潜水艦
ジョージ・ワシントンで、鳴り物入りで発売されていた。
ただ、当時最高機密であったポラリス潜水艦の内部を暴露したとして、アメリカ
議会で問題視されてしまうという珍事があった。
マスコミは記者会見を要求して、レベル本社に押しかけるなど混乱も見られたが、
結局のところプラモと実物とでは内部構造が異なるということで、一応落ち着いたらしい。


LIFE photo archive hosted by Google

社長さんの表情が異なる写真が複数存在する。
トリミングをしていないため、どのようなプラモが
置かれたのかがよくわかる。
LIFE誌に掲載された写真ではカットされている
部分がわかり、興味深い。
コーポラル、ジュピター、宇宙ロケットなどが
つり下げられているのに注意。
どんなアイテムが置かれているのか、じっくりと
観察するのもオモシロい。

次回の更新は、1月15日の予定
ロケット/ミサイルプラモのボックスアート&インスト
特集はつづくノダ!

※今年1年のご愛読ありがとうございました。
 来年もガンバリます。
 どうぞご期待ください。



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2 コメント

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昔むかし (読者です)
2011-12-16 03:13:04
以前、ミサイルプラモの特集リクエストした者です。特集ありがとうごさいました、来年も毎月15日は楽しみにしています。
頑張って下さい(^.^)

返信する
コメント、ありがとうございます。 (絶版プラモデルやじ馬考古学ブログ管理者)
2011-12-16 09:52:05
久しぶりのミサイル特集なので、かなり熱が入ってしまいました。ここしばらくミサイル・ロケットプラモを続けます。次回は、レベルの軍用ミサイルを中心に特集を組もうと考えています。また、アポロ関連も企画中で具体化したく思います。

今後とも、よろしくお願いいたします。
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