絶版プラモデルやじ馬考古学・ボックスアート美術館(なつかしき50~60年代アメリカプラモの世界)

古き良き時代の絶版プラモを発掘する、インターネット考古学。現在、・ボックスアート美術館にてエレール特別展を開催中!

エゲレスのジェット機だ!フロッグ・ボックスアートギャラリー

2010年10月10日 | プラモデル


1945年、ベルリン


「撃ち方、始め!」


BAKOM!!


ベルリン美術館


「敵は東西から、ベルリンに向けて進撃中である。
 包囲される前に、総統の絵画とボックスアートを
 移動させなければならない。
 これは、緊急を要する

 潜水艦を使って、国外に運び出すのだ。
 搬入すべき港は、追って指示する。

 それから、危機に陥ったときは、
 ローエングリン突撃団の出動を要請できる。
 ただし、一回限りだ。

 絵は、すべてドイツ第三帝国の至宝だ。
 安全、かつ速やかに移動させよ。
 失敗は許されない。
 これは、総統のご意志だ。かかれ!



「閣下、最善を尽くします。ハイル・ヒトラー!」

つづく

フロッグ・ボックスアートギャラリー

以下、イギリスの初期ジェット機。
機体も保守的な英国風デザインで、アメリカとは一線を画するものだ。

イギリス版元祖ジェット機。
やはり、地味なヒコーキでもシッカリ模型化するところが
地元の強みだ。


初期のジェット戦闘機といえば、イギリス人はMe262ではなく
こちらを連想する。ジェット機開発の先駆者というプライドが、
そうさせるのだろう。
















地味なイギリスジェット機の中でも、このハンターは好きな機体のひとつだ。
オーソドックスなスタイルだが、何となくスマートなところがイイ。

日本では、フロッグよりもニチモのキットの方が知られていると思うが、
あれは元々マルサンがリンドバーグのキットをコピーして発売していたのを、
マルサン倒産後ニチモが金型を引き取ったもので、マルサンの金型が残って
いること自体貴重なことだ。









以下アメリカ製戦闘機だが、当然のことながらイギリスのマーキングと
なっている。



暗黒の天空と青い大気とのコントラストがすばらしい。
写真を見るような写実的な描き方と、絶妙な色使いに感動する。
フロッグのボックスアートの中で、最高傑作のひとつに数えられるだろう。
 

西ドイツ(当時)のマーキングバージョン。
当時、西側のベストセラー戦闘機だったので、さまざまな使用国バージョンが
考えられるが、やはりヨーロッパでは英独のマーキングがメジャーなのか。
そういえば、日本でも国産F86プラモといえば、空自の日の丸タイプなのが
相場で、アメリカ空軍仕様モデルを描いたボックスアートといったら、タミヤ
1/100くらいしか思いつかない。あれは、朝鮮戦争時のミグ15とのエアバトルを
イメージしたものだが、チョッと新鮮な感じがした。


60年代のレベル黄金期ボックスアートを連想させる絵だ。
Leynnwood先生的作風が、これまたイイ。
スピードとモーレツな轟音が体感できる、優れた絵であることは間違いない。

なお、中身はハセガワ・フロッグ提携時代のハセガワのもの。
大半のイギリス人は、プラモが極東の日本製だった…なんて知らなかった
のではないだろうか。このフロッグ製品は、ようできとるワイ…大英帝国の
製品は世界一だ、なんて酔いしれていたのかもしれない。

次回の更新は、10月20日夜の予定。