「5月に行ったゴルフ場に居たキジ…ケンケンとよく鳴いておった」
子供の頃は、近所でキジを飼っている人が大勢居た。
観賞用とかペットとして飼うような鳥ではないので、きっと食っていたのだと思う(笑)
放し飼いにされているキジが多かったので、チャリで轢きそうになった事が何度もあった
私は食べたことがないが、キジ鍋というのは大変美味いらしいの
バー様が「キジ肉は煮れば煮るほど固くなる」っと言いつつも
「キジ肉が食いてぇ~な~」っとボヤいていたところを見ると、クセになる味なのかもな
小学生の頃、我が家の玄関にはナゼかキジの剥製が置いてあった。
ある日、継母が懇意にしていた占い師が「この剥製は危険!」とのたまったので
焼却処分されてしまった。
何が危険なのかは解らんが、良くない「気」を持っているとか言ってたの
毎日出かける前に、キジの羽を触ってはウットリしていた私にとっては
占い師のオバちゃんの方が、よっぽど変な「気」を発していたと思ったがな(笑)
キジで思い出されるのが「キジも鳴かずば撃たれまいに」の話かの~
母ちゃんが洪水で亡くなって、父ちゃんと二人になった千代の家は貧乏じゃった。
ある日、千代が病気になった時に、「あずき飯が食いてぇ~」っと言ったもんで
父ちゃんは庄屋の家から米と小豆を盗みだし、千代に食わした。
あずき飯を食ったせいかどうか、千代はグングンと元気になった。
それはそれで良かったんだが…千代はあずき飯が食えたもんで浮かれポンチになってしもた
よせばエエのに「あずき飯が食えた~」なんぞと外で自作の歌を歌ってしもたもんで
父ちゃんが庄屋の家に盗みに入ったことがバレてしもた
運の悪いことに丁度雨が降り、またも川が氾濫しそうじゃった
だもんで皆は「あずきと米を盗んだ罪人を人柱にするべ」っと
千代の父ちゃんを連れて行ってしもた
私が余計な事を言ったばっかりに、父ちゃんが…っとショックを受けた千代は
以降、誰とも話しをせなんだ
月日が流れある日猟師がキジの鳴き声を聞き、鉄砲で撃った
撃ったキジの側へ行くと、そこに千代がおり「キジも鳴かずば撃たれまいに」っと言って
キジの亡骸を抱きながら山へ去って行った
っというお話しを「日本昔ばなし」で見たことがある
貧乏だとしても子のタメならば親は、危険を犯してまでも何とかしようと感じる。
これが種の保存をDNAに刻まれた生き物の、本来の姿なのだと思う。
だけれども最近は違ってきているらしいの~
親が「子どもが邪魔」「この子さえ居なければ」と思っちまう。
だども、思うだけなら昔の親だって思っておった(笑)
かくいう私の父、血の繋がりのない継母の方じゃなくって
血の繋がりのある父が私に「お前さえ居なければ」と言ったことがあるでの
つい…そう思ってしまって、それをポロっと子供に言ってしまう親も確かに最低だが
それでも、本当にこの世から消してしまう親よりは、なんぼもエエ。
もし、「もうダメ」っと思ってしまったら…お願いがある。
殴る蹴るの暴行をする前に、家にカギをかけて放置する前に、
市役所、病院など何処でもエエ。人通りの多い場所に捨ててくれ。
殺してしまうより、少しは子供に生きる可能性を与えて欲しい。
他所の国の話だが、
地震が起こり奥さんを失った男性が、乳飲み子をボランティア施設へ持って来て
「お願いだ、育てられない。引き取ってくれ」っと訴えている映像を見た。
なのにボランティア職員は「もう一度、家に帰って考えなおせ」と諭していた。
あの後、あの親子はどうしただろう。
どう見ても、あの親に子供を育てる気力があるようには見えなかった
こうして日々子供の虐待を報道で見ている私らは、どんな村人なのだろうの
やってしまった結果だけを見て、人柱にしてしまう村人なんだろうか
もう二度と同じ過ちを起こさないよう、考える村人なんだろうか
先日スーパーでブチキレながら折檻していた母親を見た
親子の側を通ったお婆ちゃんが、「大変ね。言うこと聞かないんでしょう。」っと
母親に一言声を掛け通り過ぎた。
相変わらず子供は泣き続けていたが、母親はフっと肩の力が抜けていた。
千代が病気になって寝込んだ時に、
一言声を掛ける村人が居たら結果は違っていたかもしれん
お節介と紙一重のこの技。なかなか難しいが、親に一言「大変ね」と声を掛けるだけでも
まったく違った結果が生れるかもしれないのなら、やるべきかもしれん
顔をしかめて遠巻きに眺めるだけよりは、エエかもしれん
そんな事くらいしかワシには出来んがの。
ポチっとで、作者のヤル気でるかもです(笑)