満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

国立科学博物館 ⑤(江戸技術編)

2010-05-27 | 仲間とのハチャメチャ


室町時代に外国から持ち込まれた機械時計と、
お祭りなんぞで使われていた山車の技術が融合し、江戸のからくり人形が出来たと聞く。

襖がガラリと開くと、そこには人ではなく小さな人形が一体ポツネンっと鎮座している。
客が驚いて見ていると、首を前後に振りながらコトコトと客の前まで歩いて来て止る。
主人がイタズラ小僧のような目を向け、客に人形が持っている茶を取れというので
おずおずと手を伸ばし、人形が運んできた茶を取るが…何も起こらない。
カラカラと笑う主人に促され、茶を飲み、茶碗を人形の手に戻すと
なんとも不思議なことに人形は、お行儀よく空の茶碗を持って帰って行った。

ってなお話しが目に浮かぶような「茶運び人形」である。

最近、この茶運び人形に魅せられた人が大勢居るそうな
図面を手にいれ一人黙々と作業にいそしみ作りあげる御仁や
一体、40万円ほどの茶運び人形を売っている店もあるらしい。

ちょっと作れるものなら作ってみたいな~とか思う。
その時は、人形の姿を「ダースベーダー」にしてみたい(アハハハハハ)




「平賀源内作のエレキテル」(レプリカ)である。
こんなに色鮮やかな箱に入っていたとは知らんかった。やっぱり博物館へ行くと勉強になる

「放屁(ほうひ)論」(満天流の概略紹介です…笑)

「ブッ」と鳴るのは上品で形が円い
「ブウ」と鳴るのは中品で形はいびつ
「スー」ってなスカシッペは下品で形は細長い
これらを使って三味の伴奏などをしている曲芸師がいるが、大変素晴らしい
その思いつき、工夫は誰にも真似は出来ない。

だけど…ワシはエレキテルを始め、万歩計やら色々と頑張って発明してるのに
皆はワシの事を山師って言うのな~。骨を折って一生懸命考えて作品を発表しても
逆に非難されてばかりいる
いっそ、エレキテルをヘレキテルなんぞと変名し、ワレも放屁男の弟子になろうか

なんぞと語っておった平賀源内も…晩年、エレキテルの作り方を盗まれ
人を信用出来なくなってしまったのか、ある機械図面を盗まれたっと勘違いし
二人の人間を殺してしまった。
その後、発狂し小伝馬町の牢屋で獄死している。(享年51歳)

彼は天才ぞ。時期と場所さえ間違わずに生れておったら、ガリレオに匹敵する天才であった

後年、こうして博物館に自分の作った作品が展示されていると知ったら
酒でも飲みながら笑っておるじゃろうか?
それとも既に生まれ変わり、放屁男の弟子となって世界の舞台に立っておるかもな(笑) 



上の平賀源内が「ガリレオ」ならば
からくり儀右衛門こと田中久重(東芝の創業者)は「エジソン」かと思う(笑)
彼の作ったからくり人形に、弓を引き、見事ズバっと的に当てるという作品がある
そういう構造を想像し、作成してしまう頭脳に感服してしまう
上の写真は彼の代表作でもある「万年時計」

よくは解らんのだが…この時計、もの凄く、凄いモノらしい(笑)
天球儀付きの和時計で二十四節気の表示と曜日、もちろん時刻の表示もでき
月の満ち欠け表示に西洋時計がくっつき、時報まで流すそうな~
これらの機能をぜんまいの動力だけで動かし、かつ、1年動くらしい。

おじいさんの古時計でさえ、数ヶ月に一度はネジを巻かねば動かなくなるというのにだ

これが出来上がったのは1851年
大阪で生まれ育った儀右衛門が、京都へ移り天文学やらなにやらを学び、作った品である。
これを、2004年に分析・復元しようと100人の技術者達がレプリカ作成に取り組み
翌年の「愛・地球博」に展示しようとしたが…完全復元とまでは至らなかった。

考えてみれば、儀右衛門さんて、エコの達人だと思う。
儀右衛門さんなら、化石燃料も原子力も使わずに
ぜんまい一つで数ヶ月は動く車だって作れるような気がする。

この国立科学博物館へ寄贈されている「万年時計」は原品らしい。

まず無理だろうと思うが、時計を動かし、時を刻む音、時報の音を聞いてみたいと思っただ



木製の骨格標本

江戸時代に9体作成した記録が残っているそうだが、現存するのは4体のみ
そのうちの一体をこの博物館で展示しておったとは。。。まったくもって素晴らしい(笑)

作成に20ヶ月掛かるそうだが、何人の人が作ったのだろうか?
この木骨の元は死刑人だというから、腑分けをした後に骨だけ職人に渡し作ったのだろう

たとえ医学のためとはいえ、因習が深く根付いていた江戸の頃
ホンモノの骨を目の前に並べ、それを木骨として作り上げている作業現場は
多分に厳戒態勢状態であったろうと思われる。

腑分けした後に骨だけもらったとしても、ソレをそのまま置いてはおけない
大鍋で煮て肉を溶かし、骨を綺麗にし乾燥させなければならないだろう…っと
私の悪いクセで、どんどんと勝手な想像を膨らませていると

蝋燭のほの暗い灯りの中で背中を丸めた職人が、
小刀を使いコリコリと木片を削っておる姿がボ~っと浮かんできおった~~(ウンギャ~)

なんて想像を楽しみながら見学した(アハハハハハハ)

しかし、写真では解らんほどに見事な作りであったぞ
「変な仕事の依頼だけれど、引き受けたからにゃキッチリと仕事をさせて頂きやす」
そんな江戸の職人さんの声が聞こえてくるような出来栄えであった


っと言う訳で今回は私のお気に入り江戸の技術品を記事にしてみました
国立科学博物館で常設展示されております
興味のあるかたは、ぜひ、足を運んでみてくだされ~(笑)

ブログランキング・にほんブログ村へ

 

ポチっとで、作者のヤル気でるかもです(笑)