満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

ころころろ 畠中恵

2009-11-27 | 本の紹介


前回レビューの「いっちばん」から…早いもので1年が経とうとしておる(笑)
※畠中恵作品のレビューはコチラ

ここの所、この畠中恵作の「しゃばけシリーズ」は年に一度、夏場に出ておるが…
どうやら買ってもスグには読まず、秋から冬にかけて私しゃ読んでおる(笑)

私には、兄弟は居たが…家庭内で向うところ敵なしであった長女だったもんで
美味しいもの、大好きなものは最後に食べる習慣がある
それが読書にも反映されておるのは、実に面白い(ハハハハハ)

江戸でも屈指の廻船問屋兼薬種問屋「長崎屋」の一人息子、若だんなこと一太郎は
体が脆弱なこともあり、両親から大甘に育てられておった
一太郎は食い物への執着が少ない(笑)
ま、何時も目の前に食い物の山があれば、執着も薄れるもんなのかもしれん

そんな一太郎の食い物を虎視眈々と狙う輩が
身の丈数寸の空恐ろしい顔をした小鬼「鳴家(やなり)」たち
一太郎の祖母「おぎん」が大妖であるため、一太郎の回りには妖したちが絶えない
なにより一太郎の世話を焼く兄やである手代の「佐助」は犬神で
同じく手代の「仁吉」も白沢(はくたく)という妖しである

二人の兄やから日々「壮絶な苦い薬」を飲まされ
甘く美味しいお菓子は妖し達に食われ、両親からは大甘に育てられ
なのに一太郎はグレないしブレないし、なにより優しい
そんなホッコリと温まるお話しが載っておるので…秋に読みたくなるのかもしれん

私の初恋相手は、年に一度学校の体育館で放映された映画の主人公であった。
その名は、サイボーグ009の島村ジョーである
同じくサイボーグの003にフランソワーズという元バレリーナが居た
どうやら島村ジョーとフランソワーズは恋仲っぽい。
そこで私は、なんとかフランソワーズになりたくって
腰に風呂敷を巻き、バレエ「白鳥の湖」を見よう見真似で踊ったもんだ

少しでも彼の好みの女性になりたいとの、切ない乙女心かの~~
白鳥の湖と言うよりも…「アヒルのフラダンス」っと家族には言われておったがの
小学生も低学年の頃だったもんで、コレが初恋とは、とんと気が付かなんだ

脆弱な廻船問屋の御曹司「一太郎」も、まだ前髪がある頃に初恋を経験した
お相手はちょっと年上のお姉さん
やっぱりこれが初恋とは気が付かずに、彼女のために一肌脱ごうと奮闘するが
あえなく撃沈してしまう(笑)
いつもは五月蝿いほどに一太郎をかまう兄や二人は、
この時ばかりは一太郎をソっと見守る。
そんな優しい時間を味わえる「はじめての」

ああ~~エエ、短編じゃった。っと思いきや

お次の「ほねぬすびと」では一太郎が突然目が見えなくなるのだ
「ほねぬすびと」で起こった事件は解決するものの
一太郎の目は、いぜん治らない

そこで兄やの一人「仁吉」白沢(はくたく)が一太郎の目を治すために奔走する
妖しを捕まえ見世物にしている悪いやつ等から「河童」を救うのだが
なんだかクールな仁吉らしからぬ仲間が一人二人と引っ付いて来て…
仁吉が主人公のお話し「ころころろ」

もう一人の兄や「佐助」犬神も一太郎の目を治すために奔走するのだが…
なんと佐助は嫁さんを貰っておる
佐助どん。一太郎のことは忘れたのかい?
そんな佐助が主人公のお話し「けじあり」

愛すべき一太郎の目を治すために、妖したちが一丸となって戦う相手が見えた!
それは…一太郎が初恋を経験した「はじめての」の話でチラっと接触した…
あの…お方(笑)
なんと全ては、あの時から始まっておったのね~~ってな「物語のつづき」

最後の「物語のつづき」では、日本古来の物語「桃太郎」や「浦島太郎」の
続きを考える(笑)
なにせ続きを考えるメンバーの大半が妖しなもんで…
桃太郎では鬼目線で続きを考えたりするので笑える(アハハハハハ)

桃太郎については…私も少し妄想したことがある(笑)
中でも桃太郎に出てくる鬼の正体は何か?に興味をソソられておる。

だいたい日本のお話しで「鬼」の存在がクローズアップされて来た時代は
平安時代だと言える
この時代の少し前からヨーロッパ全域に「バイキング」が台頭しておる
ほいで、バイキング達は交易もしたが、略奪や侵略もしながら
北アメリカまで到達していた記録がある。

メットに角を付け、もじゃもじゃの髪にヒゲをたくわえ
海風にさらされた肌は赤黒く…まるで鬼と一緒の姿形であったろうと思う。

彼らが、どこぞで略奪した宝を持って家路を急いでいた時に
運悪く黒潮に巻き込まれ、日本のとある島へ漂着したとする。
船を修理したい彼等は、漂着した島を拠点とし日本本土へ上陸しては
様々な物を略奪したに違いない(笑)

とそこへ「桃太郎」の登場である。
略奪していた鬼(バイキング)たちは、逆に宝を奪われ全滅した可能性が高い。
ただし、何人かは生き残り日本人と交わり鬼伝説を全国へ広めたのかもしれん

私の故郷、札幌の南区にある石山は、古くからの採石場であった
結構な広い範囲の山が、岩肌が丸見えで所々にポッカリと穴が開いている
絶対に子供が近寄ってはいけない場所なので、大人たちは子供に
「あそこには、鬼が住んでいる」っと教えておった(笑)

「鬼」…人を食うらしいので恐ろしいイメージもあるが
まだ子供の「桃太郎」及び、猿・キジ・犬にすら負ける弱いイメージもある
童話「ないた赤おに」に登場する鬼のように、
心優しく人間と友達になりたいと思っておる鬼もいるらしい

「こぶとり爺さん」に登場する鬼のように、
上手に踊れないと、頬にコブを付けられる場合もある…
「アヒルのフラダンス」なら得意であった小僧「満天」は…自分なら行ける!
っと考えた(アハハハハハハ)

かくして小僧「満天」はリュックに踊りの道具である風呂敷と
握り飯、鬼が好きであろう「酒」を持ち、鬼に会いに出かけたのであった

ただ…残念なことに小僧「満天」は…今もそうなのだが…
「無類の方向音痴」であったもんで…
家を出てスグに迷子となり、おまわりさんに捕まってしまったのである

先日、帰省した時に石山を車で通った
穴は今でもあるが、かなり浅く鬼が風雨をしのげるほどは無かった
それに車だと我が実家から10分ほどで行ける場所でもあった
なんで迷子になんぞなったんだろう???(アハハハハハ)

そんな子供の頃の出来事を、フっと思い出させてくれる良い本であった
秋の夜長、読書するには最高の本だと思う
機会があれば、お楽しみいただきたい(笑)

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