満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

木原敏江作品「ふるふる うたの旅日記」と「千歳の再開」

2008-08-26 | 漫画紹介

「ふるふる うたの旅日記」
星降る 時経(ときふ)る 都古(みやこふ)る
袖振る 魂震(たまふ)る
うたは 奮(ふ)る ふる……

写真左上が…
読経すると、あまりの声の良さに周りの皆が寝てしまうという特技を持ち
住職に読経を禁じられ、修行に出された純真無垢な修行僧の「日古(ヒコ)」

写真右上が…
旅の遊芸人を隠れ蓑に、娘ごに変身したりしながら盗みを働く「活流(イクル)」
口も達者で手くせも悪く、平気でウソもつくが…笛の名手でもある

写真真ん中が…
「日古」に間違って憑いてしまった幽霊の「おぼろ式部」
どうやら記憶喪失らしく、本当は誰にどんな理由で憑くために
この世に舞い戻ったのか、どうしても思い出せない

この三人組みが、ひょんな事から知り合いになり
一緒に旅をすることとなる

世間知らずの「日古」を放ってはいけない「活流」なのだが…
「活流」の手癖の悪さが事件を招きよせる

そんな「活流」を真っ当な人間にしようと努力する「日古」

純真で仏一筋の「日古」に何かを思い出せそうな「おぼろ式部」
「活流」とは犬猿の仲だが緩衝材の「日古」を間に楽しく旅は続く

ってなお話でございまする~~


「大正浪漫探偵譚  千歳の再開」

この大正浪漫探偵譚は「風に羽衣」「見返り美人」「四十七文字」と
この「千歳の再開」で四巻発行されておりまする…っと思います(笑)
全部読んだのですが…手元には「千歳の再開」しか残っておりません
BOOで探すしかなさそうです

このシリーズもこの「千歳の再開」で「完」っとなってしまいました
大好きなシリーズだけに残念です

夫・「森山佳央里」と妻・「結衣」
最初のお話では「結衣」は、数えで19歳!
その「結衣」も今回は34歳2児の母となっておりました

このお話はミステリイ&探偵譚の一話完結物語となっております
主人公の「森山夫婦」は行く先々で何故か事件に巻き込まれてしまうという
特異体質の持ち主(たいがいの探偵さんは…この手の特異体質だが…笑)

危ないこと、不思議なことに首を突っ込まずにはいられない「結衣」と
沈着冷静な夫、「佳央里」まったくもって良いコンビであります

物語は15年間しかなかった「大正時代」に終始しています
改革と激動の明治と、戦争と復興、開発の昭和に挟まれた
たった15年のアンニュイな「大正時代」らしい物語だと思います

物語の中で主人公たちが成長しているので
四巻で完結するのも解るような気がします(笑)
これ以上続ければタイトルの「大正浪漫探偵譚」を「昭和浪漫探偵譚」っと
変更しなければなりませんもんね
「昭和」に「浪漫」は似合いませんから…(ハハハハハ)

「完結」っと銘打っている本巻ですが…
他の3巻に比べると少々話しの内容に勢いが無かったような気がします
「完結らしさ」に欠けているせいでしょうか
本当にこれで完結かい?っと思うような本書です(笑)


さて作者の木原敏江さん通称「ドジさま」はデビューが1969年
「アンジェリク」「摩利と新吾」「夢の碑」など数々の作品がありますが
デビューの頃の「別冊マーガレット」作品は殆ど読んでいます(笑)
少し大人の「セブンティーン」作品は殆ど読んでいない状態です
その後、「花とゆめ」「プリンセス」「LaLa」は私の10代の頃の愛読書ですので
全て読んでおります(笑)

彼女の作品で一番印象に残っているのは「アンジェリク」
主人公の「アンジェリク」の波乱万丈の人生。
宮廷あり、舞踏会あり、海賊あり、三人の男との恋がありっと
これぞ「少女漫画の王道」ってな作品でした
この「アンジェリク」あたりの作品から
木原さんの漫画には「不屈な精神」のような物が流れ始めます

普通なら乗り越えられずに自ら死を選んでしまうような出来事が起こっても

必ず笑って立ち上がる素晴らしい根性を持った主人公が居るのです

ココに私が未だに木原作品を愛する由縁があります


どんな悲惨な内容でもナゼか元気が出る作品ばかりです(笑)
機会がありましたら何か一つ、読んでみて下さい~
大人には「夢の碑」なんぞがオススメですよ~



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