満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

ブレーメンⅡ 作:川原 泉

2007-11-27 | 漫画紹介
この漫画は
同じく川原泉作の『空の食欲魔人』におさめられている
『アンドロイドはミスティー・ブルーの夢を見るか?』の続編。である

『アンドロイドはミスティー・ブルーの夢を見るか?』は
フィリップ・K・ディック著のSF小説
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』 からタイトルをモジっておる
1982年ハリソン・フォード主演映画『ブレードランナー』で映画化された

今回紹介する「ブレーメンⅡ」も
グリム童話の「ブレーメンの音楽隊」をモジっておる

☆グリム童話「ブレーメンの音楽隊」のネタバレ
 ある農場で働いておったロバと犬と猫とニワトリは
 年を取ったという理由で農場を解雇されてしもうた
 そりゃ~若い頃と違ってパキパキ動けなくなった事は確かじゃが…
 だからって解雇されちまっちゃ~何処へ行くあてもなく
 途方に暮れちまう
 そこで…ブレーメンって所へ行って音楽隊に入ろう!っとロバが提案し
 4匹は少ない荷物を纏めてオッチラ~っと出かけて行った

 何せ年寄りだで…ブレーメンへ着く前に森で日が暮れてしもうた
 で…灯りを頼りに一軒の家に行くと…
 中で泥棒さんたちが金貨を数えながら飲んだくれておる
 そこで体力は無いが知恵はある年寄り集団は泥棒を脅かし退治し
 見事、美味い飯と家と金貨を手に入れ
 幸せに暮らしましたとさ~ってな話である

んで…この川原泉の「ブレーメンⅡ」は…
現在から遥か未来のお話である



今の地球人を未来に延長して行くと・・・
少子化は否めない。
超ハイテクロボットは値段が高くて手が出ない
宇宙へ進出し始めた人間にとって人手不足は大問題であった~
そこで考えだされたのは・・・
動物にチョチョイと手を加えて知能を高め
人間が嫌がる3K仕事をやらせよう~ってな事になった

その名を「ブレーメン」っと言う

ブレーメンには、あらゆる動物達が居る
くまさんに、ライオンさんに、トラさん
猫さんに犬さん、ニワトリさんにヤギさん
カエルさんなんぞも居る

みんな性格も素直だしさ~
教えれば何だって出来るしの
んで宇宙最大規模の会社スカイ・アイ社で
このブレーメンを船員に雇い
切れ者と言われておるキラ・ナルセという人間の女性を船長にし
大型貨物船「ブレーメンⅡ」っという宇宙船を出航させたのだ~

デッカイ宇宙船に乗り込む乗組員は
人間は船長キラ・ナルセと
コッソリ乗り込んだスカイ・アイ社長のナッシュ・レギオンのみ

副船長はゴリラのダンテ君
航宙図士、ウサギのシルビア君
航宙士、黒ひょうのオスカー君
給仕長、ジャイアントパンダの李君
船医はカンガルーのアームストロング君
などなど・・・・
なんてったって大きな町が一個スッポリ入る船に乗っているのは
ぜ~~~んぶ、ブレーメンなんのだから・・・・
ある意味…ノアの箱舟状態である(笑)

色んな星へ荷物を降ろしては何かしらの事件に巻き込まれ
一つ、一つを解決していく
人間から見れば異質なブレーメン達は
差別や偏見を乗り越え皆で力を合わせ困難に立ち向かって行く~
ってな…可なり面白く笑える話が満載である

知れ者のキラ・ナルセ船長ですらブレーメン達を見て
最初は「本当に船は宇宙を飛ぶ事が出来るのか?」っと疑問に思ったが
ヘタな人間よりも真面目で実直なブレーメン達に何時しか心が洗われる
初めて彼らと出会った時に心の奥でバカにしてしまった自分をハジるが
スカイ・アイ社長の「そんな自分に気付く事が一番大事なんよ」の言葉が
印象的であった

自分と見た目や雰囲気が違うと農耕や狩を集団で行ってきた人間は、
どうしても異質を排除しようとしてしまう
コレ…先祖からの遺伝子だから仕方が無いのだ
だけど…そんなの変かも?っと自分の行いの愚かさに気が付き
それを正し修正して行く事が、いっちゃん大切なんだよ
っと言っているのだ

最初はイジメちゃってヒドイ事を言ったとしても
「ごめんなさい」って謝って仲良くすることだって出来るんだ~
まず、自分が気付く事が肝心なんよ
自分を正当化し見て見ぬフリをするのは辞めよう

そんな心がホンワカするお話が沢山入っておった
機会があったら読んでみてくれ~

この漫画は昔、読んだ事があったのだが…
すっかり忘れておった~~(笑)
「たれぞ~」さんにお借りして全巻通して読めて幸せであった
ありがとうございました~~