満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

チェーザレ 作:惣領冬実

2007-11-10 | 漫画紹介

「チェーザレ」

一度は聞いた事のある名前だとは思うが・・
「チェーザレ・ボルジア」の生涯を描いたお話である

「チェーザレ・ボルジア」については
ルネッサンス期の大家にありがちな薄いベールに包まれており
ハッキリした事は誰にも解らない(笑)
が、諸説ある中で語られる大筋なチェーザレについては
少しは語る事が出来る

彼は後にローマ教皇となった父と愛人の間に生まれた庶子である
当時も今も坊さんは子供なんぞを作ってはいけないのだが
この頃は力ある坊さんは愛人を囲い子供を産ませては
甥やら姪という名目で育てておった

後に父親が教皇となったのと時を同じくして
チェーザレは聖職者となり、17歳という若さで枢機卿となるのだが
庶子は教皇にはなれない決まりがあるので
枢機卿以上の役職は望めない

ところが父の家を継いで軍人となっていた
バカでハレンチな弟が暗殺されてしまう
そこで急遽、チェーザレが聖職を捨て俗世に戻り家を継ぐ事となる
実際、聖職者のままで居たならば枢機卿止りであったので
丁度良い頃合に無能な弟が暗殺されたので
暗殺の黒幕はチェーザレだというウワサも流れた

ここからがチェーザレの本領発揮の舞台の幕開けである

妹であるルクレツィアを政略結婚の道具に使い~
あちらと手を組み、こちらは暗殺
教皇の名の下に軍隊を仕立ててはイタリア領土を我が物に~
妹の婿殿であろうとも役立たずはコソっと殺害
元聖職者とは思えないほどに、その両手は血塗られてゆく~

が、そんなチェーザレにも暗雲が・・・

父教皇と共に毒を盛られ死の境をさ迷う
チェーザレが体力を回復した時には父は既に死亡
政敵が教皇となっており全てを失う
その後、捕らわれの身となるが脱獄し
逃走途中で討ち死にするのである
享年31歳であった~~

生き急ぐと言うか・・死に場所を探しているというか
頭脳明晰・沈着冷静な割には直情的に政敵を殺しまくり
身内といえども容赦しない冷たさを持っている
ってなイメージのチェーザレに惣領冬実がメスを入れた作品が
コレなのです(笑)

現在3巻が発行されていますが・・・
未だ父親が教皇にすらなっていないというスローなペース
可なりな文献を読んで作品を作っているらしいので
「なぜ彼はそうしたのか?」を深く探れば探るほど
深~い湖の底を見つめる様な深みへハマって居るのが解りますです(笑)

こちらのチェーザレは
ほぼ一年間大河ドラマを見るのが大好きな人向けであります

では…
2時間ドラマでチャッチャと雰囲気だけ楽しみたい方には・・
満天さんのコノ様な簡単レビューで済ませるか
もしくは・・・



「バビロンまで何マイル?」 作:川原泉を読むとよろしい(笑)
こちらはたまたま、ブログ漫画仲間のたれぞーさんからの
ドヒャっと漫画が詰め込まれた「たれぞ~箱」に入っていた一冊なんですが
満天さんは昔、昔、この漫画を読んだハズだったのに
すっかり頭から抜けておりまして(ハハハハハハハ)

改めて読んでみて驚きました~
「チェーザレ」さんが居るじゃ~ないですか~~
さすが、川原泉!カーラ教授でございまして
簡単・明瞭・しかも面白く時に切なくチェーザレを描いておりました

お隣同士に住んでおった男の子と女の子が、森で遊んでおると
遠くから悲鳴が聞こえてきました
「なんじゃろう?」っと行ってみると小人の爺さんが溺れております
溺れておった爺さんを助けると、エライ感動した爺さんは
二人の子供に「宝物をあげるね~」っと約束して帰って行きました

翌日から二人の子供は「ナニが貰えるんじゃろう?」っと
ワクワクして待っておりましたが、小人の爺さんは現れません(?)

月日が流れ~~
二人は高校生になっておりました
子供の頃のアノ出来事なんぞコロっと忘れておったのですが・・・
ある日、突然二人の目の前に、あの小人の爺さんが現れ
二人にお揃いの「金の指輪」をくれました

この指輪。
何のお知らせも無いままに突然光出し
ランダムに二人を違う時代へと「ぶっ飛ばす」のです
何時帰れるのかなんぞ全然解りません
指輪を外そうにも外れないし~

ただ…作者の「川原流ご都合主義」がポイントです
たとえタイムスリップした先で何年過ごそうが
戻って来るときは「行った時」に戻れます
行った先の言語の読み書きはペラペラ~~
っと言うわけで二人の珍道中が始まるのです~~
注)二人に恋愛感情は皆無です(笑)

んで、この本でもチェーザレさんのお宅に数年お世話になります
お笑い系ですが、カーラ教授に歴史上の手抜きはありません
こちらを読んでも十二分にチェーザレさんの事は理解できると思われます~