満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

憑神(作:浅田次郎)

2007-09-11 | 本の紹介
本当に困った時や苦しい時
普段、神仏なんぞに頼った事のない人でも
つい、つい、「神様、仏様~」っと祈っちまうもんです
何が悪いのか?解らんうちに歯車が狂い始め
「こんなハズじゃ~なかったのに・・」などと思いつめ
気が付けば夜も眠れない。

小銭を握り締めフラフラと外へ出
安い酒を飲み、気が弱っているせいか~
胃が弱っているせいか~(笑)
少量の酒でも酔ってしまう

足元もおぼつかず、千鳥足にも覇気がなく
転び・転がり、行き着いた先に祠があった

何を祭っている祠かは解らんが
拝む人もない寂れた祠を目の前にすると・・
拝みたくなるってのが人情でやんす(笑)

グチを交えながら「なんとかしてくれ~」っと
手を合わせてしまった・・・

「なんとかしてくれ~」っと言っても
ほとんどの神様や仏様のご返事は
「自分でなんとかせ~~」なのだが
ここの神様は、ちと違った。

「おっしゃ~オレに任せとけ~~~!」
っと勇んで出て来てくれた

今時、打てば響くようなお仕事をしてくれる方なんぞ
そうは居ない。
国民の血税で生活している公務員の方々に
少しは見習って欲しい程の素早さである(笑)

が・・・・・・・・
この祠から
「おっしゃ~オレに任せとけ~~~!」っと
次から次へと現れたスピーディな企業戦士達は
お名前を
貧乏神様・厄病神様・死神様っと言う~




浅田次郎作の憑神のお話である
現代風に書いてしまったが、時は幕末
主人公は武士である

内容としては…
もの凄~く腹が減っていて倒れそうな時に
目の前に美味そうな牡丹餅が落ちていても
食うなよ、腹壊すぞ、馬ふんかもしれないぞ~
ってな事を散りばめつつ、最後にホロリっとさせる本である

余談ではあるが・・・
昔、大層点数の悪いテストの答案用紙を無理に返却され
始末に困った一人の少女は
道端にあった地蔵様の祠に答案用紙を奉納し
ランドセル持参のまま遊び呆け~自宅に戻ると
奉納したハズの答案用紙が
少女より先に自宅へ戻っておった~ってな事実があった
道端で風でフワフワ踊っていた答案用紙を
親切な近所の方が、わざわざ拾って届けてくれたらしい・・・・
名前も書いてあるしの~~~
地蔵どんは「饅頭」は食うが「紙」は食わないらしい・・・

その夜、親に大目玉を食らった少女の
お名前は
満天という。