満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

イティーハーサ 作:水樹和佳

2007-07-02 | 漫画紹介
現在作者の「水樹和佳」さんは「水樹和佳子」さんに改名されております

 1986年から「ぶ~け」に連載《全7巻》

ジャンルを無理に当てはめるとすれば…
「超古代SFファンタジー漫画」でイイかな~(誰に聞いてんだろう~笑)

舞台は日本です。
それまで目に見えぬ神々を信奉していた人々の目の前に
突然現れた目に見える神々…それがまた…善神と悪神に真っ二つに別れ
尚且つお互いに戦いながら日本に上陸して来た訳です
(何故じゃ~笑)

さて…それまで目に見えぬ神々を信奉していた人々は
ハッキリと目に見え、人にあらざる超能力を持つ神々に魅了され
ある者は善の側に付き、またある者は悪の側に付き
善悪の神々の戦いに人間達も巻き込まれ…お互いに殺しあって行きます

物語を織り成す“核”となるのは
目に見えぬ神々を信奉し自然との調和共存を考える人々の中から
巫女の血を色濃くひく人である「トオコ」という少女
「トオコ」を川で拾い自身の妹として育てた「タカヤ」という少年
「タカヤ」に昔から受け継がれている
不思議な力を発する「祝詞(ノリト)」を教える
師匠の「アオヒコ」という青年

この3人が「善」と「悪」の狭間で戦いながら
我々人間にハッキリと見える善の神と…
同じく目に見える悪の神と…
まったく見えぬ神と…
三つのどの神を信じ奉れば良いのか~っと悩み
色々な出来事に巻き込まれながらも
真実を求め歩んで行くお話しなのです

このお話…丁寧に記事UPすれば…多分…本が一冊出来る程に
色々な要素が含まれております

あの「ムー大陸」あの「アトランティス大陸」
そして…姿は見せない宇宙人等
規模的には宇宙規模の話なのです(笑)

さて…この宇宙の果てに位置する地球の役目は何か
この地球の東の果てに位置する日本の役目は何か
壮大なスケールの物語が虫眼鏡で焦点を合わせるように
日本の富士に集結するのです~

しかも…コレだけのスケールのお話なのに
ブレがない
物語のベースはどう考えても…「倭国」に攻めてきた「大和」なのです
この日本古来から言い伝えられている「天孫降臨」を見事な解釈で
物語の一部に据えているのです

久々に読み応えのあるっというか…見ごたえのある漫画でした~

さらに言えば…この水樹和佳子さんは
壮大なスケールで始まったこのお話の決着をちゃんと付けている
得てしてあれも、これもと話の中に面白そうなエピソードを入れて行くと
どうしても最後に辻褄が合わなくなったり
主人公を殺してお終いにしたり
「何だったのだろう?」みたいに
読者に投げかけて逃げたりするものなのだが…

何にも屈するコトのない「トオコ」という女性を通し
人間に神は必要なのか?
必要であるならばソレはどんな神なのか?
人間は何処から来て何処へ行くのか?
なぜ世界はこの様なカタチなのか?
悪と善とは本当に相反するモノなのか?

などの…禅問答に等しい疑問に答えを見つけて行きます

それは…最後まで物事の真理を見極めるまで
「決して諦めない」っという主人公の「トウコ」と
作者の水樹さんが同じ思想の元に、この漫画を作りあげたような
錯覚すら起してしまいます

私の感想は一言!
「お見事!」に付きます(ガハハハハハ)

素晴らしい漫画をお貸し下さった「ブックさん」
感謝致します~