満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

ゴエ門の災難

2007-05-15 | 昔話のハチャメチャ
ゴエ門シリーズ 
エピソード1「序章
エピソード2「ゴエ門vsルパン①
エピソード3「ゴエ門vsルパン②
エピソード4「ゴエ門vsルパン③

いや~前回最終回が今年の1月だから~久々の登場です~
昔~飼っていた性悪猫のゴエ門(メス)のお話なんですが~
詳しいゴエ門の事についてはエピソード1をご覧下され~

高校の3年中頃より一家離散の憂き目を受け~
ボロアパートでの一人暮らしを始めた満天さんは
ひょんな事から性悪ハチャメチャ猫のゴエ門と一緒に暮らし始めました~

昼は学校、夜はアルバイトの生活を続け~
重たい疲れきった体を引きずってボロアパートへ帰り着くと…
何時もならば~「飯くわせろ~!」っと走り寄ってくるゴエ門が…
ヨタヨタと出てきて「おっ・お帰り~」っとボソっと一声発し
また…ヨタヨタと寝床へ帰って行ったのです~

「ど・どうした~???
何か外で拾い食いでもして、腹でも痛いんか~~?」


っと駆け寄り声を掛けても…子猫の時以来~聞いた事もないような
か細く切ない声で…「ほっとけ~」っと言うばかり…

「ありゃ~!こりゃ~一大事かも~!!!」

っと思った満天さんは急ぎ十円玉を握り締めボロアパートの階段を駆け下り~
動物病院へ電話を入れました~!!!
幸い夜も遅かったのですが「急いで連れて来なさい」っと言ってくださる
親切な動物病院が見つかり~
チャリの籠にゴエ門をタオルで包み夜の町をチャリで疾走したのです~
その距離。。。碁盤の目の町並みを持つ札幌市内で13条分
札幌の一条は一町歩つまり約100mに×13=1,300(1kと300m)
いや~今考えると…若かった~(ハハハハ)

老夫婦がやっている動物病院へ無事到着し、ゴエ門を診せると…
老先生は…おもむろに触診され…バリカンを手に
ゴエ門の肛門辺りの毛を剃り始めました~
私もビックリしたが…一応乙女のゴエ門もビックリしたらしい~
「ヴンギャ~~~!!!!」
闇夜を切り裂く雄叫びをあげ~あらん限りの力で抵抗しだした~
老先生と私と老先生の奥様の三人がかりで押さえつけ
やっとこ毛を剃りあげて見ると…ポッカリした穴が開いておりました~

んっ?ゴエ門の肛門か~?っと思った飼い主に
老先生は親切にも…
「ココが肛門、で…コレは犬に噛まれた傷だね」
っと教えてくれました

さて…それから…所持金を聞かれまして…(アハハハハ)
一万円しか持参していなかった私に老先生は…悩んだすえに…
「まぁ~大丈夫じゃろうて~」
っと…おっしゃいながら…麻酔無しでゴエ門を手術し始めましたのです~

麻酔代をケチった飼い主の耳には…
泣き叫ぶ…ゴエ門の叫び声が
何時までも響いておりました~


さて…こんな大手術の手術代が…しかも…夜間診療が…
そいでもって…一週間の入院代が…
「一万円ポッキリ」のハズも無く~

ゴエ門の飼い主である満天さんは
その次の週の日曜日と祝日を…
「ワンちゃんの狂犬病注射」及び「猫ちゃんワクチン注射」の
受付担当係りとして立っておりました~

それでも、たった数日の
それも簡単な受付の仕事で補える金額では無かったのですが…
老先生は優しく「あとは大丈夫。気にしなくてイイからね」っと
おっしゃって下さいました
受付のお仕事の最終日には無事退院のゴエ門と
乾麺にお茶など色々とお土産まで頂きました

本当に、本当に…
「ありがとうございました」

先生ご夫妻とは、その後も年賀状のやりとりなど続けておりましたが…
ある年を境にフッツリと音信が途切れ
心配になり病院まで出かけましたが…
病院は取り壊されて平地となっておりました…

無事に退院し元気を取り戻したゴエ門の
私を見る目つきが…以前にも増して…悪くなったのは…

麻酔をケチる裏取引の会話を
診察台の上でベルトで固定されながらも…
しっかりと聞いていたんじゃろうね~

でも……犬に尻を向けて
アンタが犬をからかっていた姿を
見たって人もいたんだからね~

(ガハハハハハ)